浅黄幻影

詩人に属する小説家。主に青春・恋愛・人生など、それぞれが固有に抱える問題をテーマに小説…

浅黄幻影

詩人に属する小説家。主に青春・恋愛・人生など、それぞれが固有に抱える問題をテーマに小説を書いています。「たのしいときに詠む短歌」を詠みます。活動場所はKindle出版、文藝MAGAZINE文戯、てきすとぽい、その他ウェブです。ツイッターは @asagi_genei

マガジン

  • 浅黄幻影、公開中の小説

    noteで公開している小説のマガジンです。 文藝マガジン文戯、てきすとぽい、BFCなどで書いたものをおいています。全年齢、幅広い人を対象にした作品群です。

  • たのしいときに詠む短歌

    日常の小さなたのしみ、しみじみしたこと、いいなと思ったことなどを素朴に詠んでいます。

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  • 固定された記事

こんにちは! 詩人に属する小説家、浅黄幻影です。/Profile & Index

こんにちは、詩人に属する小説家です。  こんにちは、詩人に属する小説家と自称する浅黄幻影です。  主にAmazon Kidleで電子書籍を出版して小説界隈で活動しています。   電子書籍5冊+αを発行 ちょっと大人から大人さんを対象にした恋愛小説を書いています。愛にはそれに関する問題が山積していて、どんな形であれ、とても複雑。困り果てる問題を抱える恋人たちを描き、人の素晴らしさを伝えられたらと思っています。  文藝マガジン文戯に参加しています 文戯(2023/03現在

    • 2023年、浅黄はいかに生きたか

      今年も残すところ、わずかとなりました。 ここで毎年恒例、第一回「浅黄はいかに生きたか」をお知らせします。 戦争や感染症、スキャンダルなど今年もたくさんのことがありました。でも、ご意見番気取りでそれに触れる必要もなく。 仕事ではとんでもないことがあって、メンタルがダウンダウンしっぱなしで、どこまで耐えられるか……ということもありました。今も問題は、ぜんっぜん解決してなくて。対応の仕方……というのか、まあ、なんとかしています。具体的には何も書けないので、単に「なんか、めんどう

      • 小説:酒場の庄ちゃんはサンタを信じる

        導入…  クリスマスイブの夜、妻と喧嘩をした「私」は居酒屋に逃げ込み、店主の庄ちゃんに愚痴を漏らす。「私」が家族の話をして欲しいと言うと、庄ちゃんは昔話として「サンタを信じている」と語り出す……。 酒場の庄ちゃんはサンタを信じる  長らく愛していた居酒屋が堕落してしまった。  以前は串もの、モツ煮、刺身、揚げ物、肉料理、そして各地の地酒のラインナップが豊富な店で、友人とも足繁く通ったものだった。日本酒は私も好きではあるのだが、いつの頃からか酒は日本酒オンリー、ビールさ

        • たのしいときに詠む短歌 その3

           たのしみは寝苦しさにも慣れたころ急に夜風が涼しくなるとき  たのしみは空に広がるうろこ雲二十世紀の音がするとき  たのしみは寒さに足りぬ火鉢のみ障子を叩く風を聞くとき  たのしみは今年最初の雪の日豪雪来るとまだ知らぬとき  たのしみは湿った外套壁に掛け冷えた身体を火に当てるとき  たのしみは香りで満ちるラーメン屋凍った鼻先温まるとき  たのしみは吹かれて盛る炭の火に気付けば障子隙間あるとき ひとつ上の階層INDEXへ戻る

        • 固定された記事

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        • 浅黄幻影、公開中の小説
          40本
        • たのしいときに詠む短歌
          6本

        記事

          きみと一緒にいるときの楽しい短歌 その2

           たのしみは目が覚めるのもおでかけもつい早くなるきみと会うとき  たのしみはきみとのデート手を握ろう胸高鳴らせ狙っているとき  たのしみは銀幕釘付けきみの手をきゅっと握って答えあるとき  たのしみは瞳を閉じて顔寄せてきみとキスする。夢を見たとき  たのしみは屋根で歌うきみの声青空に抜け透き通るとき ありがとうございました。 ひとつ上の階層INDEXへ戻る

          きみと一緒にいるときの楽しい短歌 その2

          きみと一緒にいるときの楽しい短歌 その1

           たのしみはふっさりそろった線キャベツまな板鳴らすきみを見るとき  たのしみはきみの話を聞くあまり気付けばうどん増えているとき  たのしみは慣れぬ洋食苦戦してエビを飛ばしたきみを見たとき  たのしみはきみが作ったムニエルに檸檬搾って頬痛いとき ありがとうございました。 ひとつ上の階層INDEXへ戻る

          きみと一緒にいるときの楽しい短歌 その1

          たのしいときに詠む短歌 その2

           たのしみは小さな荷物紐解いて六畳に一人寝転んだとき  たのしみは暖簾くぐって見渡して瓶が並んだ壁を見るとき  たのしみは姿の見えぬ羽の音秘して一撃討ち取りしとき  たのしみは露に消えゆく耳鳴りに久しき静寂訪れるとき  たのしみは電書読みぬとある人のつぶやき目にしいいね押すとき ありがとうございました。 ひとつ上の階層INDEXへ戻る

          たのしいときに詠む短歌 その2

          たのしいときに詠む短歌 その1

           たのしみは雷鳴轟き暗くなり乾いた土に雨落ちるとき  たのしみは大雨の降る一週間雨漏り一つおこらないとき  たのしみは雷雨来たるを知らぬとき去るのも知らぬ本読みしとき  たのしみは畑にできた泥溜まり大空かかる虹を見たとき  たのしみはゆがむ眉間と痛む膝晴れた翌朝静まったとき ひとつ上の階層INDEXへ戻る

          たのしいときに詠む短歌 その1

          INDEX:浅黄幻影、短歌・独楽吟

          たのしいときに詠む短歌 その1 たのしいときに詠む短歌 その2 たのしいときに詠む短歌 その3 きみと一緒にいるときの楽しい短歌 その1 きみと一緒にいるときの楽しい短歌 その2 ※独楽吟とは 「たのしみは~とき」という形の短歌。幕末の歌人、橘曙覧(たちばなのあけみ)の歌集の独楽吟(どくらくぎん)からです。日常のたのしいとき、うれしいとき、心安まるときを素直に詠んだもので、現代でも多くの人に愛されています。 「たのしいときに詠む短歌」も、この形式を借りて詠んでいます。

          INDEX:浅黄幻影、短歌・独楽吟

          INDEX:浅黄幻影、公開中の作品

          マガジン「浅黄幻影、公開中の作品」のINDEXです。 マガジン本体からも辿れます。 SS いろいろなジャンルのごく短い小説です。 「いつもが終わるバス通学」 「少女の日の思い出」 「日、没するエデン」 「利休の器」 「金木犀デオドラントの呪い」 「敬虔な共有と吐き出される共感」 「最後に勝つのはおばあちゃん」 短編・連載小説 文藝MAGAZINE文戯、または書き下ろしの小説です。 「三二…七六八の響き」 「仮面の道化師」(上下) 「あの日のコーヒーに口づけを」(上下)

          INDEX:浅黄幻影、公開中の作品

          Kindle出版作品紹介

          左目のない彼女と五つのイデア(2022)Amazonのページ クレイアは38才、30才のときに出会った12才のヒムルと恋に落ちた。8年間伏せられていた秘密の関係は人目を気にせずに良くなったが、クレイアは考えてしまう。 「私は本当にヒムルにふさわしいのだろうか。  彼の未来を奪ってやしないだろうか」 そんなとき、クレイアはある男と出会う。 ふたりの男と左目がない彼女、フェアな三角関係の物語。 小説家の居場所(2021)Amazonのページへ  キザで自信家を演じる小説

          Kindle出版作品紹介

          短編小説「となりの地球は青く見えた」下

          荒廃した母星を捨てて新天地「地球」を目指すコペルの旅物語。ナイフと銃と空間列車。コペルは無事に地球へたどり着けるのか──。 六. 途中、惑星アマルナを通過した。それからだいぶ経った頃、突然、列車が激しく振動してブレーキがかかり、乱暴に停車した。それは人が跳ね上がったりするほどで、あちこちで『頭を打った』『ものが壊れた』などの騒ぎが起こった。 「うおわっ!」  コペルも前の席に座っていたハヤブサに乗り上げてしまった。機械油とうっすら女の子の匂いがした。手は身を支えるために、

          短編小説「となりの地球は青く見えた」下

          短編小説「となりの地球は青く見えた」中

          荒廃した母星を捨てて新天地「地球」を目指すコペルの旅物語。 ナイフと銃と空間列車。コペルは無事に地球へたどり着けるのか──。 四. 月に停車し、また多くの人たちが列車に乗り込んできた。他の車内には人がだいぶ乗り込んだようだが、コペルたちの客車はそうでもなかった。できれば気心の知れた友人二人で気楽に地球へ向かっていきたい、そう思った。  列車は無事、宇宙のレールへ戻っていった。コペルとカッシーニは小さくなっていく月の人工建造物を見送った。シールドで覆われた小さなドームだけが

          短編小説「となりの地球は青く見えた」中

          短編小説「となりの地球は青く見えた」上

          荒廃した母星を捨てて新天地「地球」を目指すコペルの旅物語。 ナイフと銃と空間列車。コペルは無事に地球へたどり着けるのか──。 序「私にとっても大きな地球だったが、人類にとっても手に負えないほど大きな地球だった」  宇宙開拓団三十七世の若者が、地球脱出の際にそう言葉を残した。この言葉の直前、彼はどんな農具も刃が立たない固く乾いた大地を見つめていたという。涙はすぐに乾き、一滴も流れなかったそうだ。 一. 母星ラーラの中心都市、テーベステーションにコペルが着いたのはもう日が暮れ

          短編小説「となりの地球は青く見えた」上

          短編小説|最後に勝つのはおばあちゃん

           ゲームをテーマにしたごく短い短編小説。2400字ほど。  まだ七才かそこらの頃、私はどうしてもゲームセンターで新作の「ぷよぷよ」をしたくてたまらなかった。当時、そして今だって、幼いこどもだけでゲームセンターに出入りすることは親も学校も許さないものだったから、私は無理を言っておばあちゃんについてきてもらって遊びに行ったものだった。遊びに行けるとなった日にはいつもおばあちゃんの手をぐいぐい引っ張りながら、ゲームセンターへと向かった。  幼かった私はまだゲームというものをあま

          短編小説|最後に勝つのはおばあちゃん

          「良い人」になる.柱64

          はじまりちょっとしたことで良心の呵責に苛まれる浅黄です。 「あんなことすべきじゃなかった……」 「別な風にやっていれば……」 と、後悔をいつまでも引きずり、背負い込むタイプです。5歳の時の記憶でさえ、ときどき私を苦しめてきます。同じ経験のある方も多いと思いますが、寝る前などに思い出しては苦しめられます。 だったらいっそのこと、十七条の憲法、五箇条の御誓文を用意して、端から気をつけていけばいいのではないか、失敗の理由を場合分けして最初から気をつけるように意識してはいいので

          「良い人」になる.柱64