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『イベントホライゾン』は『2001年宇宙の旅』のB級ホラー版だと位置付けるそのココロ
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突飛なことを言っていると思われることは、むろん、覚悟の上の発言ですが、
かの名作SF映画『2001年宇宙の旅』を換骨奪胎し、ホラーとして作り直したら、つまり、『イベントホライゾン』が出来上がる、、、と思いませんか?
もちろんこんなことを言うのは、私が『イベントホライゾン』というB級ホラー映画を実はめちゃくちゃ高く評価しているからなのですが。
バカにしたものではありません、『イベントホライゾン』って、見れば見るほど、テツガク的にかなり奥深いテーマのホラー映画なのです。あるいは、「神学的」に、かな?
まだ観ていない方のために、簡単にあらすじを紹介すると、
未来の宇宙。実験航行から地球圏に漂流宇宙船『イベントホライゾン号』が帰還してくる。無人となって帰ってきたら『イベントホライゾン号』を探索するために調査チームが組まれ、彼らは内部に乗り込む。どうやらこの『イベントホライゾン号』は、最新のワープ装置の実験をしている最中に、まさに「宇宙のはて」まで一時的にワープし、そこからまた地球圏にまで戻ってきたところらしい。船内にはクルーの姿はなく、残されていたのは、ブキミな「ラテン語の暗号」が記録された船長の音声記録だった、、、
さて、この宇宙船『イベントホライゾン号』は、宇宙のはてまでワープした時に、いったいナニを見てしまったのでしょうか?そしてクルー達はどこへ行ってしまったのでしょうか?
という謎を巡る物語なのですが、謎は謎のまま明瞭に解決されないまま、ただただ、調査チームを次々に、現実とも悪夢とも見分けがつかない怪現象が襲い始め、
最後はもう、なみのスプラッターホラーなんぞ霞んで見えるほどの、地獄のグロ描写ラッシュになるwという、
まあ、私も初めて見た時は、「たしかに、これは、怖い!」と度肝を抜いた豪快なホラー映画。
そしてラテン語の暗号、
リベラテ・メ
の意味がだんだんわかってくると同時に予感される通り、
「宇宙のはて」から連れてきてしまったモノとは、形あるモンスターとか、エイリアンではなくて、どうも形而上学的にしか把握できない、神だか悪魔だか、そういう人智を超えた精神であることが見えてくるのですが、
ここがまさに、私が「本作は『2001年宇宙の旅』と光と影の関係にあり」と思った所以!
でも、、、納得しませんか?
『2001年宇宙の旅』では、宇宙の彼方に人類が飛び出したら、人類の知性を遥かに超える精神に出会い、それは感動的なフィナーレへ向かいましたが、
『イベントホライゾン』が突きつけてきたのは、
「宇宙の彼方に人類が飛び出して、もし、人類の知性を遥かに超える精神に出会ったとしても、それが善とは限らないよね、、、いや、むしろ地球の宗教が『悪魔』と呼んできたような、邪悪な存在かもしれないよね?」ということ。
私も、実は、前からそう思ってた、、、どうして多くのSFが、「宇宙にいる人間よりもずっと凄い存在」といえば「神のように導いてくれるもの」と前提にしているのでしょう、と。もしかしたら、人類よりも比較にならないほど邪悪な存在かもしれない!
そして『イベントホライゾン』が示した通り、この宇宙を支配している究極の知性の正体が、邪悪だとしたら、人類としてはまさに「そんな真実を知らないで地球に閉じこもっていたときのほうが幸せだった」ということですが、
この映画の主人公たちが、たとえあの宇宙船から脱出しても、いつか地球そのものも飲み込まれるだろうし、
それが嫌だから自殺したとしても、たぶん、死んだ人類の魂も「あれ」に吸収されて地獄に落ちるわけだろうから、
まさに人類に逃げ場なしの、究極の絶望オチではなかろうか!
ともあれ、
ラテン語がキーワードで使われているように、
『イベントホライゾン』にはキリスト教的なイメージでの「悪魔」「地獄」が溢れかえるので、キリスト教圏の人が見るのと我々東洋人が見ることでは、細かいところの解釈は変わるのかもしれません。
私?私は、なにせ、若い頃にギリシャ語とラテン語をやらされたほど「西洋の宗教」のお勉強をやってきてしまったキャリアの人間なので、めっちゃくちゃ面白かったw!かつ、見終わったあと、いろいろと考えてしまった。
そして、ここまで言っておいてなんですが、
私自身が真面目に、「宇宙に人類を遥かに超える精神が存在したら」と考えた時は、私の考えでは、
たぶんそれは、人間の尺度でいう善とか悪とはでは計り知れないモノ、に見えるでしょうね、、、もしかしたら、『2001年宇宙の旅』のような存在に見えるかもしれませんが、人によっては『イベントホライゾン』の「存在」ように見える、、、そんな、見た人によって神にも悪魔にも見える両儀的なモノなんじゃないでしょうか、、、
まあ、そんな存在、、、下手をしたら『イベントホライゾン』よりも、人類にとっては予測不能でコントロール不能な、怖いモノかもしれませんがね、、、ああ、怖くなってきた。
「宇宙に行ってみたい」という素朴な夢をズタズタに引き裂いてくれるのが、この『イベントホライゾン』でw、これを見てしまうと、「宇宙にはむしろ、人類が知らないままでいた方が幸せな、邪悪な真実が待っていたらどうしよう」と本気で心配になってしまう。
子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!