マーケティング マーケティングの位置づけと分類

今年に入って何度か、マーケティングに興味があるという話を聞きます。話をお聞きしていると、人によってマーケティングの意味も様々、、、たまに疲れてしまいます。
そうしたことから、今回のテーマで、あらためて説明しようと思います。

・マーケティングの位置づけ
マネジメント全体を考えたとき、マーケティングはどんな役割を果たしているのでしょうか。まずはマーケティングの位置づけについて考えます。

■マネジメントの分類
○トップマネジメント
○機能分野別管理
 ●生産管理
 ●財務管理
 ●マーケティング管理
 ●人事・労務・労使関係
 ●組織管理
 ●情報管理

少し古典的かつ基礎的なな分類ですが、企業のマネジメントを考えるとき、まずはトップマネジメントがあって、その下に、上記の機能分野別管理があります。マーケティングは、マネジメントの視点からは機能分野別管理の1つになります。

・マーケティングの分類①
厳密に言うと、ここから説明する内容は、マーケティングの「分類」ではありません。
ただ、僕が色々な分野の方々と仕事をさせて頂く中で、それぞれの人が「何を」マーケティングと読んでいるのかを理解するうえで、これから説明するような分類をすると解りやすくなると考えたので、敢えてこのような説明をしてみようと思います。

まずはマーケティングのプロセスを再確認します。

■マーケティング・プロセス
Research:調査

Segmentation:市場細分化
Targeting:ターゲッティング
Positioning ポジショニング

Marketing Mix:マーケティングミックス

Implementation:実施
Control:管理

この流れが、一般的なマーケティングのプロセスで、講義では、R、STP、MM、ICと言っています。
僕の講義では、極端なことを言えば、「覚える」ことは二の次で、理解して頂くことに注力しています。それは何かを学ぶとき、覚えることよりも理解することが大切だと考えているからです。極端なことを言えば、理解さえしていれば、覚えていなくても調べられるからです。
ちなみに、広告デザイン専門学校のテキストは書き込み式なので、ちゃんと理解していれば、すぐに調べられるテキストを、自分で作ることを目指しています。

とは言え、マーケティング・プロセスは覚えて頂きたいので、何度も離していますから、皆さんちゃんと覚えていることかと。

マーケティングプロセスは、大きく分けた場合、R→MMを検討(プランニング)する段階と、IC、つまり実行と修正の段階に別れます。
大きな企業の場合、このプロセス全体を監督する立場の人がいて、近年ではCMO(最高マーケティング責任者)として、CEO(最高経営責任者)と同等の立場にいますが、日本ではこうした組織はまだまだ稀と言わざるを得ません。
簡単に説明すると、マネジメントの分類で挙げた、トップマネジメントの立場から、マーケティングとそのプロセス全体を見ているということてです。

・マーケティングの分類②
さてここからは、マーケティング・プロセスから、マーケティングの中の、「仕事」を分類したいと思います。

今回の目的のため、あえて上述のプランニングの部分に焦点を当てて考えます。

Research:調査

Segmentation:市場細分化
Targeting:ターゲッティング
Positioning ポジショニング

Marketing Mix:マーケティングミックス

ここまでですね。

これを、マーケティングに関わる職務や職域に分類していきましょう。

R リサーチャー(初期の分析担当)

S セグメント分析(製品やサービスレベルでの分析担当)
T ターゲット決定(顧客担当やサービスなど)
P ポジショニングの実行(開発から接客の範囲のブランドマネージャー)

MM→Product デザイン、開発などに関わる調査など(商品テスト論、消費者テスト論)
   Place 流通、マーチャンダイジングマネジメント
   Price 価格決定(プライシングなど)
   Promotion 広告やVI(マネジメントのCIではない)ビジュアライゼーションなど

この過程で、様々な人が関わっているのですが、僕から見るととても面白いことに、全ての分野の人が、「マーケティングをしている」と表現し、さらに言うなら彼らは自分たちが行っている業務が、マーケティングの本質だと考えているようですが、、、誰もCMOという存在を考えることがありません。

・マーケティングという言葉の罠
ここまでの説明で理解して頂けたかと思いますが、世の中の「マーケティング」という言葉は、殆ど(僕はほぼ全てくらいに思っています)が、マーケティングの中の、極めて部分的、また機能的な一部を指しているに過ぎません。
さらに言うなら、ここで紹介した視点すら大きなもので、実務的にはもっと小さな‘作業’をマーケティングと呼んでいる、実務例が少なくありません。

これからマーケティングを学ぶ方や、マーケティングに関わる方は、この視点を参考にして頂きたいと思います。

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