マガジン

  • 愛について語るときにあなたの語ること

    わたしのすきなnoteを、わたしが読み返すためだけに集めた偏愛マガジンです。

  • エンドロールの気持ちを教えて

    • 12本

    映画のワンシーンになりそこねた、ささやかな景色を掬いあげるように。 物語の終わりを見届けたとき、溢れでる感情を隣のあなたに耳うちするように。 鮮度の高い言葉で、日常に彩りを。 眠れない夜にそっと寄り添うような、ふたりの雑談をお届けします。

  • ゾーイーからの電話

    これまでに書いたエッセイをまとめました。ほんのりビターで、じんわりと心に残る文章を。

  • 泡沫の日々

    一瞬で通り過ぎていく景色、記憶の断片、ふっと浮かんでは消えていく感情。夢のような日々は、シャンパンの泡のように儚く。お酒を一杯注文するような感覚で、お気軽に読みに来てください。

  • #おうち映画祭

    「人生は祭りだ。共に生きよう」 みんなで同じ映画を観ることで、ひとりの時間を楽しく。 NetflixやAmazon Primeで視聴可能な作品を中心に紹介しています。

最近の記事

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月にいちど顔を出す、魔物のような自分を肯定する

心がささくれ立っている。 大好きなはずの映画を観ても、本を読んでも、内容が頭に入ってこない。何をしていても集中できないし、楽しくない。 気分が沈んで、自己嫌悪に陥って、溜まったLINEも返せない。誰にも会いたくない。 そんなとき「もしかして……」と思って体調管理アプリを開くと、ほらやっぱり。 表示されるのは、「生理日予測 5日前」の文字。 イライラの正体はPMS。わたしを悩ませる、月にいちどやってくる魔物だ。 PMSの正式名称は「月経前症候群」。その名の通り、生理が始まる

    • 境界線にて

      ぬるま湯に浸り続けた1年だった。 推しに関する情報しか摂取していなかったし、SNSもオタクアカウント以外はログアウトして、地上波のテレビはほぼ見なかったし、ニュースはNHKのアプリを思い出したときに開いて気になった記事だけを読んだ。あんなにすきだった映画も、通年で2本しか観なかった。 それでも生活は滞りなく回り続けた。以前のように頻繁に外で飲み歩くことはなくなったけれど、近所に住む友人たちとは相変わらず仲がいいし、自粛ムードが薄れたときは何人かで集まって食事もした。音楽のイ

      • ダイヤモンドに焦がれない

        ブランケットにくるまってもまだ寒くて、エアコンの温度を1℃上げた。11月が去った。空回りばかりしていた秋が終わり、しんと澄んだ空と身を切るようにぴりっとした冷気と共に、冬がやってくる。 寒い日はホットワインがおいしい。1日で消費しきれなかった安物の赤の余りとオレンジジュースを大きめのマグカップに注ぎ、レンジで温める。キッチンを探したらシナモンスティックが出てきたけれど、去年買ったものだから香りはとうに飛んでいるだろう。 ふと思い立って再生した映画の画面が暗かったので、部屋

        • ビヨンド理屈&理性 矛盾だらけの人生

          すきな人と会うときにつけて行きたくて、はじめてクリスマスコフレを買った。ローラメルシエのあまりにも可憐なアイシャドウパレット。ブラシでラメをとって、丁寧にまぶたにのせると、とたんに目元が華やぎ、光を反射してキラキラと輝く。 「プリマ バレリーナ」という商品名を体現するように、舞台でスポットライトを浴びた主役のような気分になれる。 3回目のデートを夜に控えた金曜日、在宅で仕事をしていたらネットで注文したこのパレットが夕方ごろに届き、なんて絶妙なタイミングなんだと舞い上がってし

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        記事

          恋の墓標

          ここ2ヶ月間ずっと、恋愛のことで頭がいっぱいだった。なにも考えずに個人的なことをつぶやくTwitterのサブアカウントをつくって、すきな人の話ばかりしていた。 noteの更新を止めていたあいだも、日記は毎日書いていた。今年の初夏からつけはじめた紙の5年日記と、iPhoneにダウンロードした鍵つきのアプリ。 揺れ動く感情を文字にして記録することで、自分の置かれている状況を客観的に、冷静に見つめて整理できる。過去の日記を読み返すと、自分の思考や行動のパターンが浮かび上がってきて

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          恋の墓標

          眠れなくても夜は明ける

          諸般の事情によりしばらくnoteを更新していなかったけれど、今日お茶さんに言葉をかけなくていつかけるんだと、急いで筆を執った。 2月の終わりにわたしが失恋したとき、お茶さんがくれたコメントにものすごく救われたことを覚えている。 あのときの言葉をそのまま返したい。お茶さんがまた笑って過ごせる日々が来るよう祈ってる。 今の気持ちは今しか残せない。そんな想いで始めた交換日記だったけど、最近のわたしたちは思ったこと感じたことをありのまま表現するのがすこし怖くなってしまったよね。

          眠れなくても夜は明ける

          とっ散らかる、秋

          いつからか部屋に住み着いたクモと共同生活を送っている。まぁまぁ大きい彼(彼女?)が壁を這っているのを見かけると一瞬ギョッとするけれど、すぐに慣れて気にしなくなる。存在を忘れたころに、また姿を現して、気がついたらどこかへ消えている。 幼いころに「クモは悪い虫を退治してくれるから殺さないように」と聞いて、律儀にそれを守っている。確かに、クモが部屋にいるあいだはコバエやその他の虫を見かけない気がする。気がするだけかもしれないけれど。 最近noteにアクセスする回数がめっきり減った

          とっ散らかる、秋

          マッチングアプリを閉じよ、町へ出よう

          翌日に朝から出社の予定が入っていても、遅い時間の呼び出しであっても、連絡をもらったらすっ飛んで行ってしまう相手というのが一定数いる。 22時すぎに来ていたKさんからのLINEに気がついたのは、30分ほど経ってからだった。

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          揺らぐ、

          足の裏が灼けるように熱い。真夏の太陽に照り付けられたプールサイドは凶器だ。なるべく地面との接触面積を減らすように、跳ねるようにして歩みを進める。 鉄板のような熱を持った緑のコンクリートの上で、『白雪姫』に出てくる魔女を思い出す。熱々に灼かれた鉄の靴を履かされ、死ぬまで踊り続けたという魔女。童話の世界では、勧善懲悪を盾にして無邪気で残酷な仕打ちが行われる。 そんな空想を頭に浮かべながらプールに近づき、眩しいまでに輝く水面と、そこに浮かぶ人の群れに目を凝らす。 「おー、今日

          揺らぐ、

          学びと思考を続けるしんどさと呼吸のしやすさ

          最近いろいろしんどい。ものすごく仕事が忙しいとか、めっちゃ嫌なことがあったとかではないのだけど、地味〜なモヤモヤが重なって地味〜にしんどい。 ここ1ヶ月くらい毎週末のように遊んでいた大すきな友人が、脚の手術で入院しちゃって寂しい。 他部署から引き継いだ業務がリモートワークに不向きすぎて、案の定トラブルが起きて始末書を書かされた。 1週間くらい前、なかなか寝つけずに『GALS!!』の続編を読んでいたら唐突に「恋してぇ〜〜〜」という気持ちがむくむく湧いてきて、マッチングアプ

          学びと思考を続けるしんどさと呼吸のしやすさ

          愛と幸福の循環について

          お盆生まれのわたしは、高校生のころまで家族以外の人と誕生日を過ごした経験がなかった。 学校は夏休みに入っていて、帰省や家族旅行に出かけている人が多いこの時期。我が家もご多分に漏れず、お盆は決まって遠方にある祖父母の家を訪れていた。なので誕生日はだいたいいつも、親戚一同で集まって焼肉だかお寿司の出前だかを食べていた気がする。 同級生たちのようにホームパーティーを開いて誰かを家に招いたり、教室でプレゼントの山に囲まれたりした思い出はない。 大学入学と同時に実家を出てからは、10

          愛と幸福の循環について

          その日暮らしの愛を叫ぶ

          7月23日(木・祝) 心の天気:曇りのち晴れ 些細なきっかけで元恋人に対する執着&幸せだった過去への懐古強化ウィークに突入してしまい、ここ最近は湿度高めの病み病みポエムばかり綴っていた。 けどわたしと彼両方のことをよく知っており、客観的な意見をくれる友人たちとオンライン飲みをしたら、だいぶ元気が出た。 自分のいない場所で元恋人が取っていた言動を第三者から聞かされ、彼の身勝手さや考えの甘さを改めて認識し、わたしたちは別れるべくして別れたのだと、ひしひと感じた。 「やっぱりも

          その日暮らしの愛を叫ぶ

          埋まらない空洞 あの日の甘いムード

          雨の音はすきだけど、低気圧はきらい。 もやがかかったような、薄いベールのような痛みが左こめかみのあたりを覆っている。 せっかくの休日なのに、ベッドで横になってスマホばかりいじってしまう。あとで読もう、と何重にも開いていたブラウザのタブをひとつずつ消化していく。記事をスクロールしているうちに、まぶたの重みに耐えきれず目を閉じる。

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          バラ色の日々を、まだ忘れないでいて

          来週公開される某映画のプロモーション活動で東出昌大くんのメディア露出が増えるたび、胸の奥が締めつけられるように苦しい。 その理由は世間を賑わせた例の不倫問題に憤慨しているとか、裏切られた側に同情しているとか、そういう類のものではない。 『クローズ』に出ていたときの目つき悪めな東出くんが、元恋人にめちゃくちゃ似ているからだ。 彼と別れてもうすぐ5ヶ月になる。 今は文章を書くことがとても楽しいし、先月から再び行きつけのお店で飲めるようになり、映画館にも行けるようになった。去年か

          バラ色の日々を、まだ忘れないでいて

          エンドロールの気持ちを教えて

          映画のワンシーンになりそこねた、ささやかな景色を掬いあげるように。 物語の終わりを見届けたとき、溢れでる感情を隣のあなたに耳うちするように。 鮮度の高い言葉で、日常に彩りを。 眠れない夜にそっと寄り添うような、ふたりの雑談をお届けします。 noteで最もすきな書き手のひとりであるお茶さんと、新しい企画を始めます。 タイトルは『エンドロールの気持ちを教えて』。 お茶さんの書いている雑談シリーズのように、日常のちょっとしたできごとや、考えたこと感じたことを綴る交換日記で

          エンドロールの気持ちを教えて

          連作短歌「地元」 #方言note

          さよならの半年あとに訪れるあなたのふるさと傷心旅行 「はよおいでん」君が手招きするもんで尻尾を振って駆け寄っちゃうじゃん 頼むのはたっぷりサイズのコメダブレンドちょっとでも長く話したいだて 告るとか告らないとか、わたしには関係ないから好きにしりんよ 「〜したっけ」と語尾だけ地元に帰る君都会の隅で恋に落ちてる

          連作短歌「地元」 #方言note