見出し画像

バラ色の日々を、まだ忘れないでいて

来週公開される某映画のプロモーション活動で東出昌大くんのメディア露出が増えるたび、胸の奥が締めつけられるように苦しい。
その理由は世間を賑わせた例の不倫問題に憤慨しているとか、裏切られた側に同情しているとか、そういう類のものではない。
『クローズ』に出ていたときの目つき悪めな東出くんが、元恋人にめちゃくちゃ似ているからだ。

彼と別れてもうすぐ5ヶ月になる。
今は文章を書くことがとても楽しいし、先月から再び行きつけのお店で飲めるようになり、映画館にも行けるようになった。去年からハマっているF1も、無観客ではあるもののようやく試合がスタートした。
恋愛はしばらく休憩すると決めて、充実したフリーの時間を過ごしている。でも飲み友達との会話のなかで彼の名前が出るたび、思い出したように傷口がうずく。
2年前に失恋したとき味わった悲壮感や絶望感はないけれど、淡々と静かに、終わった恋を引きずっている。

noteにはもう何度も書いているから聞き飽きた人もいるかもしれないが、わたしは彼に「友達に戻ろう」と告げられて振られた。
近所の飲み仲間だった期間が2年、付き合ったのはたった9ヶ月。お互いの家は徒歩10分の距離にあるし、共通の友人も多く、彼は周りに気を使わせたくないのだろう。
でも、ここは声を大にして言わせてほしい。

別れても友達でいようねなんて生温い気持ちで「すき」とか言ってないから!!!


いちど付き合った相手と友達になんて戻れない!派のみなさんは、ぜひこのnoteを読んで赤べこになってください。

「まーーーたジメジメ失恋日記かよ、いつまでうじうじしてるんだお前は」と呆れられたくなくて書くのをためらったけど、お茶さんと、一部の物好きな方は読んでくれるかもしれないから正直に書くね。

先週の土曜日に人づてで聞いた話が、のどに刺さった魚の小骨みたいにしぶとく引っかかって、なかなか胸を離れてくれない。
いつもの店にふらっと飲みに行ったら、久しぶりに会った友人にこう言われた。

「3日くらい前、東出ちゃん(仮名)と飲んだよ。ふーちゃんのこと、相当引きずってたよ」

「いや、それはないでしょ。向こうから振っといて」

「えっ、ふーちゃんが振ったんじゃなかったの!?」

それ、共通の友人ほぼ全員に言われるんだけど。東出(仮名)、お前もなんかしら弁明しろや。

「ふーちゃんのために別れたほうがよかった、って言ってたよ」

そんなの後づけでしょ。周りに言われたことを「最初から自分の意見でした」みたいな態度で、しょんぼりした顔で語る彼の姿が想像できる。

彼と別れて、「あいつにふーちゃんはもったいないよ」と慰められるたび、そんなことない、と力なく返すことしかできなかった。
たしかに彼は目の前の誘惑に弱いタイプで、お金は貯められないし酒癖も悪いし、いい年して定職に就かずふらふらして、世間一般の基準でいう社会的地位は低かったかもしれない。
けど、あんなにまっすぐ愛を伝えてくれて、心から幸せな気分にしてくれた人には、今まで出会ったことがなかった。

なのにわたしは愛することも愛されることも下手で、いつも自分の正義ばかり押し通そうとしてしまった。
意見が食い違ったとき、相手の主張に対して「なぜ?」と問いかけることができない。耳を傾けることができない。
でもそれは、彼も同じだった。お互いにプライドが高くて、どっちが正しいとか間違っているとか、二元論的な考えしか持てなかった。話し合いは勝負ごとじゃないのに。

わたしのこと、引きずってる?
ほんとにほんとのほんと?
そうだったらいい、自分から愛を語って、別れを告げて、友達に戻ろうと宣って拒否されて、そんな簡単に関係を修復できると思ったら大間違いだと身をもって知ればいい。

この前あの子が言ってくれたよ、「この店で初めてふーちゃん見たとき、動きがかわいいなって思ったの。隣に東出ちゃんがいて、すきな曲が流れてたんだろうね、ふたりで仲良く踊ってて、それが印象に残ってる」って。
それ、どの曲だったのかな。マイケルの”Love Never Felt So Good”かな、それとも”Rock with You”かな。山下達郎かもしれないし、Nujabesかもしれないし、Bill Withersかもしれない。

ふたりで一緒に聴いた曲がシャッフルで流れてくるたび、もう戻ってこない時間に浸って切なくなればいい。
わたしがきのうの朝の通勤電車でイエモンの「バラ色の日々」を聴いて、3年前にあなたがカラオケでこの歌をうたっていたのを思い出してしまったみたいに。
今でもその歌声を脳内再生できるよ。あのとき撮った動画は、容量節約のためにずいぶん前にカメラロールから消したけど、たぶんGoogleフォトを探したら出てくるよ。

この数日、ふと気づいたら彼と交わした会話を、幸せだったころの記憶を回想している。
絶対に絶対によりなんて戻さない、早く忘れよう、そう心に決めたのとは裏腹に、もし次に彼とばったり会ったらなにを話せばいいのかななんて、そんなことばかり考えている。
しょうがないよ、めちゃくちゃすきだったんだもん。

夢のような日々は、指と指のあいだをすり抜けていく。
でもあれは幻なんかじゃなくて、ちゃんと現実だったんだよね。
だから傷だって負うし、癒えるのにも時間がかかる。

平気なふりして、ぜんぜん引きずってませんみたいな顔して、共通の友人たちと飲んでいるとつい彼の話をしてしまう。
みんな優しいからなにも言わないけど、ごめん、もう少しのあいだ心配かけるかも。
お願いだから見捨てないでね!!!



お茶さんとの交換日記3回目でした。前回の記事はこちら!



最後まで読んでいただき、ありがとうございます! ♡のリアクションはオールタイムベスト映画のご紹介です🎬