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【読書録】『死との約束』アガサ・クリスティー(&ペトラ旅行記)

「いいかい、彼女を殺してしまわなければいけないんだよ」(高橋豊訳)
'You do see, don't you, that she's got to be killed?'(原著)

いきなり、こうである。

この書き出しは、ショッキングだ。タイトルからも、殺人ものだと分かって読んでいるのだが、いきなりすぎる。

今日は、アガサ・クリスティーウィーク5日目(最終日)。マイ・第5位はこちら、『死との約束』(原題:"Appointment with Death")である。1938年。名探偵ポワロもののひとつである。

旅情豊かな話。舞台は、エルサレム(イスラエル)とペトラ遺跡(ヨルダン)。アガサ・クリスティーは、考古学者の夫の仕事の関係で中東を旅行し、それが本作や『ナイルに死す』などの作品に影響を及ぼしたらしい。裕福な老婦人が殺される話で、その筋は込み入っている。

アガサ・クリスティーの作品の中では、昨日までにご紹介した4作品と比べると、知名度は劣るかもしれない。でも、この作品を読むたびに、このエキゾチックな中東の舞台で、ミステリアスな殺人が起き、それを取り巻く複雑な人間関係が少しずつ明らかにされていく、その雰囲気に酔いしれるのだ。

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話は飛ぶが、ヨルダンのペトラ遺跡は、映画『インディ・ジョーンズ最後の聖戦』(1989年)の舞台でもある。この、最後のバラ色の神殿のシーンを、テレビなどでご覧になった方も多いのではないだろうか。

私は、この『死との約束』と『インディ・ジョーンズ最後の聖戦』の2つの作品に影響を受けて、長年、ペトラ遺跡に行くのが夢だった。

2013年、念願が叶い、長めの休暇を取り、ペトラ遺跡を訪問するため、ヨルダンの地を踏んだ。

広大なエリアに、沢山の遺跡が広がっている。1日では周り切れないと考えて、丸2日間をペトラ観光に当てたが、正解だった。2日かけてじっくり観るに値する場所だった。足になじんだ、しっかりしたシューズが必須。そして、長時間歩く訓練をしてから行かれることをお勧めする。

ペトラで撮った写真を載せてみる。写真だと現地の壮大なスケールを十分に伝えきれないのが残念だが、想像をはるかに上回る素晴らしい場所だった。

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おっと、また、旅行記のようになってしまった。話を作品に戻そう。

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ポアロシリーズは、イギリスBBC放送により、デヴィッド・スーシェ主演でテレビドラマ化された。NHKでも放送されたし、ケーブルテレビの「AXNミステリー」チャンネルでもよく放送されている。

そのなかで、私は、この、BBCの『死との約束』がとても好きである。ただ、原作からは、かなりかけ離れた話になっていて、この作品のファンとしては、眉をしかめるシーンが多かった。それでも、ロケ地の中東のエキゾチックな雰囲気が素敵で、役者たちの演技も上手で、全く別の作品として楽しめる。

ちなみに、ポアロものは、過去、何人もの俳優によって、映画化、テレビドラマ化されているが、デヴィッド・スーシェ主演の作品が最もイメージに合う。彼が別の映画に出ていても、もはや、刷り込みで、ポアロとしか認識できない。渥美清を見ると寅さんとしか思えない、というのと同じだ。

よろしければ、ぜひ読んでみてください!

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今日まで5日間、アガサ・クリスティーのマイ・ベスト5をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。他にも、素敵な作品、あっと驚く作品がたくさんあるのですが、夏休みも終わりに近づいたので、一旦ここで休止し、また追って少しずつご紹介していきたいと思います。

今日まで毎日おつきあいくださった方々、ありがとうございました!

※マイ・第1位はこちら(↓)

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※マイ・第3位はこちら(↓)

※マイ・第4位はこちら(↓)



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外資系企業勤務のアラフィフ社畜女子。団塊ジュニア。海外トラベラー、市民ランナー、読書家、御朱印ガール、グルメハンター。約半世紀の人生経験から学んだことをシェアしたいです。

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読書家・サザヱ
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コメント (4)
こちらも、知りませんでした。今度、機会があればですが。。。
いえ、本当に全く。デヴィッド・スーシェ=ポアロ、は私も同じです。「あ、ポアロが出てる」になってしまいます。本当にぴったりの役柄を演じられた方は、他の作品でなかなかその力が発揮できにくくなってしまうのかな、と。ちょっと複雑な心持で。
ありがとうございます。全く、同感です!
「死との約束」の出だしいいですよね〜、私も大好きです。登場するボイントンという、ちょっと変わった響きの一族とともに記憶に残っています。
Small Worldさん、ありがとうございます! 嬉しいです♪
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