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スペインからの緊急帰国。

初めまして。

現在ロシア、サンクト=ペテルブルクで

もろにコロナウイルスの影響をモロに受けている、バレエダンサーの

"せーゆ"です。

現在、ロシアではコロナ対策における、自宅待機命令が日に日に強化されていて、僕の住むこの街も原則、街への外出が規制されています。もちろんバレエを行う劇場は全て閉鎖されており、出演を予定していた公演も全てキャンセルとなりました。そして、契約していた海外ツアー公演も直近のものは全て延期または中止となっています。完全に仕事を失い、何をしていいのかさっぱり分からない状況です。それでもバレエダンサーは常にトレーニングを行いレベルを保つ必要があるので、各々自宅でのトレーニングに励んでいます。まさにコロナウイルスで全てを失いました。

しかし、

この騒動の中で僕が一つだけ得たものがあります。

それは、

“時間”です。

今までは朝から晩まで食べる暇もなく、劇場に縛られ、リハーサルを行い本番に立ち。ツアーとなれば移動やホテルでの生活。時間がいくらあっても足りませんでした。僕は思いました。この手に入れた時間をただ、ただNetflixを見て終えるのではなく。新しい何かを始めるきっかけになるだろうと。そこで手当たり自体に色々なことをやってみようと決心しました。

今後はこのnoteを通じて。僕が初めてロシアを訪れた時の話、ロシアの風習やバレエダンサー事情。世界各国を訪れた時の話。失敗談。恋の話。今まで経験して来た全ての話をしていきます。

そして、この記念すべき第1回は。ちょうど3週間前に起きたコロナウイルス渦の真っ只中にいた時の話をコンパクトにまとめてお話したいと思います。是非最後までお読みください。

3月12日。

スペイン、バレンシア。

僕は3月4日から3月30日までのスペインツアー公演に参加していた。その日は天気が良く、朝食事を済ませたあと近くのビーチで海水浴をして、軽く汗を流してホテルへと戻った。

帰りにディレクターに会ったが浮かない顔をしていた。さすがにコロナ関係で頭を悩ましていたのは悟った。

その後、僕達は夜の公演の為劇場入りをした、  

が、すぐさま、ディレクターが自分を含めたソリスト、プリンシパルを集め、こう伝えた。        

**プリンシパル=最高位、ソリスト=高位。

    

今日がこのツアー最後の舞台だ、           明日の舞台はキャンセルになった。すまない。

コロナが少しずつその猛威を振るっていることは我々の耳にも入っていたが、その時はまだ、誰もがどこか遠くで起きていることであり、自分達に影響があるとは夢にも思っていなかった。

しかし、それだけではすまなかった。

その30分後、今日、                

まさしく今夜、行われる公演も中止になることが告げられた。その話は団員にも、観客にもすぐさま伝わり、舞台を心待ちにしていた観客達は楽屋口に現れ、そのやるせない気持ちを僕達にぶつけつつも、

感謝とお詫びの言葉をかけてくれた。

その日の夜のニュースでスペイン政府や州で交通隔離の動きが始まった。マドリードが封鎖され、飛行機の運行が中止になる事など、状況は刻一刻と変化し、その不安と恐怖が団員の心を蝕み、皆が皆疑心暗鬼になっていた。しかし、そこはロシア人、みんなで集まりありったけのお酒を飲みその日は明け方に解散をした。

13日

我々は誰もがどこに何時に行くのか”国に帰れるのか”.  もわからないまま、次に公演を行う予定であった街へとバスで移動した。そしてその日バルセロナのあるカタルーニャ地方が完全に州の中と外を封鎖することを決めた。

どうやら僕達はバルセロナからモスクワを経由してサンクト=ペテルブルクに帰るらしく、このツアーを企画担当しているアンドレイが慌てふためき、事実確認に走った。

幸い、明日からいきなり封鎖することはないと連絡がきたが、万が一の為、明日の朝一でバルセロナへと移動することが決まった。そして、15日の飛行機で帰ることも確定した。

それを聞き、僕達はまた酒を飲んだ。        

もちろん不安は各々あったが、楽天的にポジティブに考えられることが、本当に一緒にいて頼もしく楽しかった。

14日

朝早くバスで移動し、バルセロナへと無事に着いた。 

しかし街はゴーストタウンと化していて、既に人はほぼいなかった。ホテルからの外出はスーパーと薬局に限られた。

その日も飲めるだけ飲んだ。              

“”2日酔い””のことなど考えもせず、 お酒がコロナウイルスを体内で破壊してくれるだろうと信じて。

15日。

飛行機は14時50出発予定だったが万が一の為に10時ごろに空港へ着いた。 その頃モスクワでは検疫で体温37度以上と検出されると、強制的に隔離される厳戒体制が敷かれていた。    

 それを聞いた僕達はそれに対する、         

恐怖、不安                   

空港という人が密集した空間に5時間近くいなければいけないストレス。                 

2日酔い                     

その全てが絶妙に合わさり、誰もが体調不良を感じていた。

自分自身も、何故か、熱があるのじゃないだろうか、鼻が詰まる(慢性)喉に違和感が、などと普段では気にも留めないような些細な違和感が"自分自身"を、そして他人に対しても疑心暗鬼にさせていた。    

病は気からという言葉があるが、今回、心底その通りだなぁと痛感した。そして僕は飛行機を待つ出発までの 時間、眠りについた。 

 パッと 目が覚めた。

起きると何やら騒がしい、なんでも飛行機が2時間の遅れだそうだ。本当に飛ぶのか?と小言を漏らしながらもチケットを見る、モスクワからサンクトへ飛ぶ飛行機の乗り換え時間は2時間しかない。

ダメじゃん、


この先も一筋縄ではいかないと、

出発までわずかな時間を有効活用しようと、

さいごの眠りについた。


今回はここまで!

次回は飛行機に乗るところからサンクト=ペテルブルクに着くまでと、まさかの女居候登場⁉︎

最後まで読んでくれてありがとうございます😊

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