#1 対話は続くよ、どこまでも〜わたしたちの民主主義/『選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記』特別企画
対話型の街頭演説「青空対話集会」で、市民とのコミュニケーションを行う立憲民主党の小川淳也さん。衆院選が終わってからも続く対話集会の様子を、和田靜香さんがコツコツ記録していきます。対話の先に何が見えるのか?『選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記』とあわせてお楽しみください。
2月1日(火曜日)晴れ(前編)
ヒョコヒョコヒョコと現われる和田靜香です、こんにちは。ごぶさたしております。
昨年10月の衆議院選挙、「香川1区」の日々を綴った「選挙日記」をこちらのnoteに書いて、それを本として出版した。『選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記』(左右社)が、それ。
その後、11月に立憲民主党の代表選挙があり、再びここに数回に渡って日記を書いていたの、覚えてくれているでしょうか? 今や、光陰矢の如しも3倍速。あらゆることが鉄砲玉のように過ぎ去っていくので、お忘れでしょうが、ズラズラとこんなこと書いていた。
【番外編】和田靜香の選挙日記@立憲民主党代表選挙(11/19)
【番外編】和田靜香の選挙日記@立憲民主党代表選挙(11/20)
【番外編】和田靜香の選挙日記@立憲民主党代表選挙(11/22)
【番外編】和田靜香の選挙日記@立憲民主党代表選挙(11/25)
(仲野徹先生)
【番外編】和田靜香の選挙日記@立憲民主党代表選挙(11/27)
11月25日の回には生命科学者の仲野徹先生がピンチヒッターでご登場くださって「HONZ(ノンフィクション・レビューサイト)」ファンのみならず、本読みな方々をザワザワっとさせたりもしたけれど、主にこの5回では立憲民主党の小川淳也さんが有楽町駅前で行っていた「青空対話集会」の様子を伝え、それを基にあれこれ考えたり、笑ったり、"祭り”ったり、そんな感じだった。
で、それで終わると思っていたのに、小川さんの青空対話集会はその後も断続的に行われている。
12/26(日)立憲民主党の太栄志衆議院議員と 中央林間駅前
私自身、このうちの12月28日のみ現場に赴き、あとはYouTubeで見ている。へぇ~と思ったり、ふ~んと思ったり、あららと思ったり。政治家と日本に住む私たちが話をする。あたりまえのような、あたりまえじゃないような試みが続いている。
この集会の中で、これはよかったな、と特に記憶に残っているのは(やはり自分が実際に足を運んだ)28日の有楽町、立憲民主党の議員がコロナ助成金を受給したことをどう思うか?という男性からの質問だ。
これは2020年に新型コロナウイルスによる臨時休校対策の助成金を衆議院議員の阿部知子さん、岡本あき子さんが、それぞれ受け取っていたもので、小川さんはこれに、
「ご批判をいただくかもしれませんが、行きつくところまでいくと、政治家の事務所で勤務している人は育休、産休とれるのか?というところまで行きつきかねない。そういう社会的なサービスの恩恵は分け隔てなく誰もが受けていい。ただ、今回は収入減に伴う補償金であり、その事例は区別すべきかもしれない。なぜなら政治不信が強い中で誤解を与えることがありえるわけで、不本意であると思われた当事者の方が返金したのだと思います。そこできちんと謝罪できていたか、私自身もことさらお詫びする機会がなかったこと、真摯に受け止めたい」と答えた。
そのうえで、たまたま当日、青空対話集会に見学に来ていた、当事者であった岡本あき子さんが名乗り出て答えた。
「私の事務所の私設秘書のために両立支援助成金(新型コロナウイルス感染症の影響による小学校等の臨時休業等により、子どもの世話をする労働者が特別な休暇を取得できる取組を行う事業主を支援する)を受けていました。小川政調会長からももっと堂々としていろとアドバイスもいただきました。この支援金は、育児休業をとったときに雇用保険から手当てがでます、これと同じ趣旨の制度です。学校が休校になって本当はずっとテレワークをさせていたんですが、秘書が正直者で、子どもに手がかかるときは休暇にしてほしいと言いました。テレワークやっていると言ってくれたらそのまま仕事している扱いでよかったんですが、正直に言ってくれたんです。当時私も厚生労働省の子育て本部の担当で、こういう制度は本人の有休を使うんじゃなくて、特別休暇を与えてくれというのを政府に求めておりました。まさに当事者が目の前にいたので、特別休暇を与えて、育児休業の手当と同じように、雇用保険から本人に渡るようにと申請をさせていただきました。ただ、混乱をきたさないためという点と、この制度をもっとみなさんがよくよく分かって使える状態になってから政治家が使った方がいいのかな?と思って、みなさんが知らないうちに私たちが知りえた情報で制度を使ったような扱いになってるので、返金させていただきました。みなさんに誤解を与えたし、何やってんだとご意見あったと思います。真摯に受けとめたいです。次、同じことがあったら、あらかじめ、こういう制度ありますよ、みなさんも使ってください、だから私も使います、と言って堂々と使いたいと思います」と申し述べた。
これ、とても、よかった。コロナによる収入減の補償金を政治家の事務所がもらってた? 報道されたときはそう思いこんで私もムッとしていたが、実際は違った。当然もらうべき、事務所に働くスタッフがもらったものであり、子育てしながら働く女性を支援する制度であり、それはつかわれるべきである。そのことを、当事者である岡本さんがその場で、疑問に思った人に答えることが出来たこと、なるほど、青空対話集会ってこういうところがいいなぁと思った。
だって、私たち、いわゆる「政治と金」の問題なんて、一度たりともきちんと説明されたことがないでしょう? もりかけさくら。あれ、どうなってん? 何もわからないままだ。さらに、お金と政治の問題ってのを思い出そうとしても思い出せないけど、もっともっとたくさんあってきた。それらはわからないままずっと来て。それはもう、私たちの普段の暮らしからは想像もできないような桁のお金が宙を飛んでるようなイメージ。ああ、政治家って金が好き、金のため。金ばかり。うんざり。政治やだ。政治なんて考えたくない。
そんな風になってきた。でも、そういうことだって、こうして政治家と日本に暮らす私たちが当たり前に話し合う場があれば、お金の問題に限らず、生で聞いて、説明に納得することもできる。あるときにはそれは公開裁判の場になりえる? ちゃらら~~♪(ないか?)私たちはもっともっとこうして話し合い、お互いに理解して行けたらいい。
こうして生でリアルに話し合う場があるってすごいことだ、改めてそう思った。こんな場に私はこれまで出会ってこなかった。地方に行けばもっともっとあるのかもしれないけど、私は都民だ。出会ってなかったから、出会えてよかった。
実はこの日、私は小川さんに手紙を渡していた。これまで1年お世話になりましたというお礼と、この青空対話集会を追って記録していこうと思っているということを書いていた。書いていたが、書くのと実際にやろうとするのにはなかなかに差があり、なかなかに面倒で、なかなかに動き出せないものだが、ああ、やっぱりやろうと決めた。
そんなわけで、私は青空対話集会、及び、その他の対話集会など(他の議員さんたちによる都内近郊などで行われるもの)を少しずつここに記録していこうと思っている。
ただ、これは記録なので、何か壮大な物語などはないだろう。地味に。コツコツ。記録していく、ということだ。結果、それがどうなるか、何にするかも決めていない。ただ、とにかくこれは記録しておいた方がいいと思い、記録していく。政治の、対話の記録。その先には何があるんだろう? それを知りたくて記録していくことにする。
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