シェア
左右社
2022年6月29日 10:21
ティモック川は全長203キロメートル、セルビアではドナウ河の右岸の最後の支流だ。カルパチア・バルカン山系の山々を源流とする無数の流れを集め、籠を編むように水系を成す。スブルリシキ・ティモック川とトルゴビシキ・ティモック川がクニャジェバッツで合流して、ベーリ・ティモック川となり、ザエチャルのあたりでツルニ・ティモック川と合わさってティモック川が生まれ、ドナウ河へ注ぎこむ。最後の15キロメートルの対
2022年1月25日 22:05
セルビア、ベオグラード在住の詩人・翻訳家、山崎佳代子さんの連載。歴史や詩、そして山崎さんの出会う人々とともに、ドナウの支流をたどる小さな旅。今回の舞台は2つの世界大戦で傷をおった土地ニーシュです。**** ニーシュはセルビアの南の町、人口は26万人。ローマ帝国のコンスタンティヌス大帝の生地で、古代はナイススと呼ばれ、2世紀にプトレマイオスが著わした地図『ゲオグラフィア』にも登場する。町を流れ
2021年11月8日 12:57
セルビア、ベオグラード在住の詩人・翻訳家、山崎佳代子さんの連載。歴史や詩、そして山崎さんの出会う人々とともに、ドナウの支流をたどる小さな旅。今回の舞台はターラ山のミトロバッツ村です。**** ターラ山のミトロバッツ村で、夏の初めを過ごす。柔らかな若葉が萌え、濃淡の緑が森にまだら模様を描き、空気が香しい。 今年の六月二〇日は、正教会の五旬節(ペンテコステ)。ハリストス(キリスト)が復活後、
2020年12月2日 11:26
セルビア、ベオグラード在住の詩人・翻訳家、山崎佳代子さんの連載。歴史や詩、そして山崎さんの出会う人々とともに、ドナウの支流をたどる小さな旅。今回は石器時代の遺跡レペンスキー・ヴィルを訪ね、石の彫像「水の妖精」に会いに行きます。 *** 秋が深まり、9月21日の生神女誕生祭も過ぎた。だが、今日の陽光は激しい。涼を求めて、ベオグラードの旧市街からブランコ橋を渡り、ゼムンに出た。ドナ
2019年6月19日 19:14
セルビア在住の詩人、山崎佳代子さん連載『ドナウ 小さな水の旅』更新しました。今回は、ノーベル賞作家イヴォ・アンドリッチの小説『ドリナの橋』の町であるヴィシェグラードへ船に乗って向かいます。陽気なガイド役のゾラン氏、水の流れとともにセルビアの自然と歴史をたどる旅。 ***「橋は、アンドリッチ文学の核を成す。世界の無秩序、死、無意味を克服し、希望の「彼岸」へ橋を架け
2018年12月6日 14:48
セルビア、ベオグラード在住の詩人・翻訳家、山崎佳代子さんの新連載。歴史や詩、そして山崎さんの出会う人々とともに、ドナウの支流をたどる小さな旅。各地の写真を添えて、お送りします。 セルビア、ベオグラード在住の詩人・翻訳家、山崎佳代子さんのエッセイ。ドナウへ流れる「水」をたどって、信仰につづく道へ。 ***「やがて薄闇に、青く視界が開け、遥か下にドリナ川
2018年12月4日 14:01
セルビア、ベオグラード在住の詩人・翻訳家、山崎佳代子さんの新連載。歴史や詩、そして山崎さんの出会う人々とともに、ドナウの支流をたどる小さな旅。各地の写真を添えて、お送りします。ヨーロッパを代表するドナウ川を巡る「水」にのって、とおくセルビアへ。「それぞれの土地が、セルビアに生きる人々の記憶をドナウに繋がる水面に、映しはじめる。」ドナウにそそぐ水たち セルビアの小さな旅 水のある情景