認知症の父 その2

今日は晴れ。

今朝、母から電話が入った。

お父さんの田舎からアスパラがいっぱい送られてきたんだけど、取りに来てくれる?

私の実家は、車で10分で着く距離だ。
まだ私の町は外出自粛中。
玄関先で受けとる約束をした。

夕方、玄関先にお米と例のアスパラが置いてある。
お米を車に詰め込んでいると、玄関のドアが勢いよく開く。マスク姿の母が現れた。

「見てこれ、お父さんの施設から、請求書と一緒に入ってた。」

それは父の写真が印刷されたポストカードだった。
4月28日クレープ焼きました。と添えてある。

父は笑っている。
母も父の写真見て笑ってる。

ホントだ、いい笑顔だ。私も笑う。

ずっと私は、父が施設に入っているのを負い目に感じている。
家でお父さんの世話をしなくていいのだろうか。
家族が世話をするべきではなかろうか。

あの日母は、家では無理と断言した。
陽気な母が、心折れるとも言った。

これで良かったのだ。

車を運転しながら、そう言い聞かせた。
スピッツの見っけの曲が流れる。

再会へ~

私の気分は上々なのだ。


(施設の方へ心より感謝申し上げます)







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