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医療倫理〜ヒポクラテスの誓い〜 

見出しは "パウルス・ポンティウス - Courtesy of the National Library of Medicine [1]., パブリック・ドメイン,

前置き


お久しぶりです。更新が久しすぎて、固定の人はいませんね。
頭の中をアウトプットする場があまりにもなかったので、ひとまず再びnoteに戻りました。Twitterは僕にとって有害以外の何物でもなかったので、アカウントを消してしまいました。
ただでさえアレコレ考えてリアルでマシンガントークが止まらない、流石に迷惑になる。それなら文章や図表で端的に示せる方が良いと考えました。
ただ、できることの制限が気になるのである程度フォロワーがついたら僕自身のサイトに移りたいと思います。サイトは建設中です。匿名では議論に値しないと考え、僕自身が何者であるのかいずれ明らかにするつもりです。デジタルタトゥーには間違いなくなるでしょう。普通の人生を歩んでいくことも難しくなります。時には大きな存在と対峙することもあるでしょう。それでも僕は人類がこれまで培ってきた大きな財産を元に発信を続けます。
極力間違いは避けますが、後に発覚した場合には間違いがあったことを明らかに認めます。
経費とプラスαがあれば嬉しいので邪魔にならない範囲で広告も載せるつもりです。Time is money. とはよくいったものです。noteでも有料記事は書けるみたいですけど、中抜きされるのは気に食わないです。面倒ですし。

今日のトピック

古代ギリシアの医師、ヒポクラテスをご存知でしょうか?
多分、よほどの物好きか医療関係者くらいしか知らないと思います。僕は医療倫理について調べて初めて知りました。
なにぶん大昔の人物ですからわかっている事は少ないようなのですが、少なくともその思想は、ヒポクラテスの誓いとして現代に受け継がれています。
僕が出会った問題に対して、彼の医療倫理を元に記事を書こうと思います。


動機

僕は北海道大学医学部附属病院精神神経科に二度、入院しました。双極性障害(※1)の治療と、その他病名を明らかに決定するためです。しかし2回とも、すぐに退院してしまいました。なぜか?それは彼らの医療に対する姿勢、つまり”医療倫理”に対して疑問を持ったからです。

経緯

(時間がかかり過ぎる!)率直に思った事です。確かに、僕は強力な精神薬を複数処方されていましたから調整は少しずつするのが正しい、経過観察や様々な検査を受ける必要もあったので時間がかかるのは承知の上でした。けれども、長期の入院には様々な弊害があります。まして僕のような若い学生にとって、社会進出が遅れる事はあまりにもリスクがある。

金銭面の問題もあります。いくら医療費限度額(※2)の制度を利用したところで、月にかかる費用は安くはありません。行政が判断する措置入院(※3)でなければ医療費を支払わなければいけません。

最も厳しかったのはストレスです。入院生活というのは厳しい行動制限があります。コロナ禍であることから入院患者は共通して病院から出ることはできません。これは仕方のない事です。
ただ精神科の性質上、病院内散歩くらいなら医師の許可が出ていれば可能なのですが開放病棟(*3)であってもナースステーションで許可を毎回とる必要がありました。許可なしにはエレベータホールにすら出られません。テレビカードがホールの、本当に開いた扉の見えるところに売られているのですがそれもダメでした。

病院内散歩も正直楽しいものではありません。面倒でやりませんでしたけど。退院希望の時になぜかと聞かれて最初に挙げたのがそうだったのですが、なんと言われたと思いますか?「院内の植物フロア見てもだめそう?」、正気を疑いました。変わらぬ景色を何度も見てて、ストレス発散になると思いますかね?ちなみにフロアマップを示します。こんなのに著作権なんかあんのかよというお気持ちですが一応URLも載せて引用とします。

(”https://www.huhp.hokudai.ac.jp/map/outpatient-building/”)より、2023年2月16日

分かりますかね?中央付近にある温室です。ここが”植物園”らしいです。ざっくり数字を出しても分かりにくいので割愛しますが、ものすごく小さなエリアです。

あまり長くなると読みづそうなので他のストレス源は列挙に留めますが、
・絶え間なく鳴り響くナースコール
・古びたシャワールーム(汚く見える)を使えるのは週2回程度
・運動不足、コミュニケーションの不足
・他の患者さんたちの阿鼻叫喚
・アンテナ1、2本しか立たないインターネット。院内にwifiはない。
etc.

これらの積み重なりがやがて大きなものとなって、治療しているはずが気がつけば入院はさらに長引く。本末転倒とまではいきませんが、医師の入院期間の見立ては甘いと言わざるを得ません。仮にこれらを我慢していたら、少なくとも半年以上はかかったでしょうね。

もちろん病院ですから対策はあります。しかし、それらは些細なものです。とりあえず困ったらナースコールを押せば良いのですが、僕は怖くて一回しか押せませんでした。退院するとき、「医師が話を聞かない。助けてほしい。」これだけです。

任意入院ではいつでも退院できる。これは法律で定められており実際、最初に主治医から説明を受けてサインするのですが、主治医が退院を認めてくれなかったんですね。ナースが主治医を呼び再び話し合いになりましたが、朝から話して外に出ることができたのは夜中になってからです。あまりにも聞かないので弁護士への相談を最後の切り札として出したら退院自体は認められました。「事務処理の関係で来週退院」と少しでも長く引き延ばすつもりだったようですが、これは人権に関わることだったのですぐに出すよう強く訴えました。当時は自分の主張をはっきり伝えることが苦手だった。それすらも乗り越えるほどの強い意志を示すほどの動機が、ストレスが、治療方針が、疑問が山ほどあったんです。

医療倫理 誓い

医神アポロン、アスクレピオス、ヒュゲイア、および全ての男神女神にかけて、私はここに誓う。これらの神々を証人として、我が力と判断の及ぶ限り、以下の誓いと契約を履行することを。

ヒポクラテス医学論集 國方栄二編訳 岩波文庫

この誓いの中には、こんなものがあります

いかなる家を訪ねるにせよ、ひとえに患者の利益をはかり、どんな不正や危害も加えることなく、男女、自由人奴隷を問わずその肉体で情欲を満たすこともない

上に同じ

ジュネーブ宣言

医師の一人として、
私は、人類への奉仕に自分の人生を捧げることを厳粛に誓う。
私の患者の健康と安寧を私の第一の関心事とする。
私は、私の患者のオートノミーと尊厳を尊重する。
私は、人命を最大限に尊重し続ける。
私は、私の医師としての職責と患者との間に、年齢、疾病もしくは障害、信条、民族的起源、ジェンダー、国籍、所属政治団体、人種、性的志向、社会的地位あるいはその他いかなる要因でも、そのようなことに対する配慮が介在することを容認しない。
私は、私への信頼のゆえに知り得た患者の秘密を、たとえその死後においても尊重する。
私は、良心と尊厳をもって、そしてgood medical practiceに従って、私の専門職を実践する。
私は、医師の名誉と高貴なる伝統を育む。
私は、私の教師、同僚、および学生に、当然受けるべきである尊敬と感謝の念を捧げる。
私は、患者の利益と医療の進歩のため私の医学的知識を共有する。
私は、最高水準の医療を提供するために、私自身の健康、安寧および能力に専心する。
私は、たとえ脅迫の下であっても、人権や国民の自由を犯すために、自分の医学的知識を利用することはしない。
私は、自由と名誉にかけてこれらのことを厳粛に誓う。

https://www.med.or.jp/doctor/international/wma/geneva.html” 日本医師会ページより引用 2023年2月16日

精神科医の在り方への問い

以上の引用文を踏まえた精神科医、及び心療内科医はどれだけいるのでしょうか?
僕なりの推測ですが、特に開業医であれば長く通ってもらえるほど利益が上がります。勤務医でも大学病院など研究教育機関は予算不足からある程度のやりくりが必要ですよね。また、勤務医が激務であることは想像に硬くないですが、開業医であるならばある程度の自由は効くのではないでしょうか?

世の中には精神を病んでいること(いわゆる、メンヘラ)をステータスにする人たちがいます。安易な精神疾患診断なるものもネットに蔓延っています。病院に足を運ぶのは悪いことではないでしょう。ただし、碌な問診もせず安易に依存性の高い精神薬を処方して、本物の”メンヘラ”にしてしまう医師がいるのではないか?僕は危惧しています。

精神科の初診は数ヶ月待ちがザラです。本当に困っている人とファッション性を求めている人、これらの見極めを初心に返って、慢心することなく正確に判断するよう努めるようにしてもらいたいものです。

https://amzn.to/3YBJM2l ←貼り方がわからないのでURLです。amazonの今回参考にした文献のページへ飛べます。


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