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バンドとファンにとって欠かせない存在になった写真家の、大事にしてきたであろうこと

夢ってどこまで追いかけられるものでしょうか。
どこまで現実を見ても諦めずにいられるものでしょうか。

その友人は、香港から来て、何の後ろ盾もなく「撮りたいライブ」を撮り続けて、今や邦楽ロックシーンには欠かせない存在になったんです。
Viola Kam (V'z Twinkle)」 このクレジット、邦ロック好きなら見たことがあるのではないでしょうか?

キュウソネコカミ、04 Limited Sazabys、THE ORAL CIGARETTES、etc...
多くのバンドが彼女に信頼を寄せ、ファンも彼女がとった写真が大好きだ、と言います。

そんな彼女は現在、渋谷西武Movida 6F(無印の入ってるビルの上階)で7月16日まで「FIVE FINDERS PHOTO FESTIVAL」と言う展示会に参加しています。そうそうたるライブカメラマンが集まったこのイベント(浜野カズシ / 青木カズロー / Viola Kam (V’z Twinkle) / ヤオタケシ / 瀧本”JON...”行秀)で、彼女の在廊を心持ちにするファンの方達を見て、これを書くことを決めました。

来日してから本当にいろんなことがあった彼女、諦めずにずっときて、信頼を勝ち取りながら前に、進んで来ています。

さらに、本人は意識してないと思うけれど、ビジネス感度がとても高い、といつも感じます。

「ライブカメラマン」って名乗る人ってめちゃくちゃいるんですよ。機材が進化したから、お金も取らずに、適当な技術で適当にやってもそれなりのものが取れてしまうのです。

同じ年数やっていても彼女と同じ成長をしていない人はものすごい数います。
もちろんそこには運もあるでしょう。やる気の違いもあるでしょう。
でも、1つだけわかるのは彼女はとりたいバンドに自ら声をかけ、撮り始めた最初から、研究と実行を怠っていない、と言うことです。
音楽を聴きこむ、写真を撮る場所を事前にシュミレーションする、過去の映像でバンドの動きをチェックする・・・そんなテクニカルに当たり前のこともですが・・・さらに。

■自分の立ち位置を把握して、努力の方向性を定める

私と彼女の最初の出会いは「残響shop」と言う今はなきCDショップでした。あれは2010年のことです。
CDやレコード、エフェクターなど音楽関連グッズをうる他に、毎週のように「残響塾」と言う名前のいろんなイベントが行われていました。
視聴会、バンドマンの話を聞く会、音楽ビジネスについて討論する会、はたまたプレゼンの仕方まで本当に色々とありました。その時に、いつもイベント中の写真と最後の集合写真をとっていたのがまだ大学院生だった彼女でした。
彼女の集合写真におもわずみんなを入れさせちゃう手腕、リラックスさせながら全員がきれいに撮れるように声をかける手腕。そこには「私は外国人だから、コミュニケーションはそれぞれを警戒させない形でより積極的にやらなきゃいけない」と言う思いもあったのかもしれません。
その努力の結果は目に見えて本当に心地よいものでした。

■主張するべきことと引っ込めることをきちんと決める
昨日も居酒屋で色々言ってたけれど、論理的に通るところは彼女は通し、通らないところは引っ込めています。この物事を前に進める力が今の彼女を作って来たのだと思います。
これは特に職業も国も関係なく、その場のルールに則りながらも主張するべきことをし、言わなくていいことは言わない。重要だけど、ものすごく難しいことです。頭の回転もさることながら、勘と決断力、勇気も求められる。
これからインターナショナルに契約社会に向かっていく日本では、すべての社会人に求められる能力なのでしょう。

「何がゴールなの?」ってサングリアソーダ片手に聞いたけど、「撮りたいライブがある」って言ってた。まだまだまだまだ彼女の撮りたいものはあるんだろうなあ。

半年も前のイベントの記録を今だすのはかなり申し訳なくも思うのですが、彼女ともう一人、インディペンデント出身の映像アーティストとして邦楽ロックには欠かせない存在である加藤マニさんと行った対談の記録を公開します。
私も明日死ぬかもしれないし。ぜひ、今読んで、展示も見に言ってください。マニさんの新作MVも相変わらずどんどんどんどん公開されています。

ふたりでおしゃべり 加藤マニ×Viola Kam talk session(2017/12/3)

ほんと読み返しても、読み返しても、二人ともかっこいい。憧れのフリーランス2人です。

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