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詩 (単独)

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#詩の朗読

カノン

カノン

雨 降り始めた夜の11時
曇りガラスを開けずに見た月は
僕に今残った全部の歴史を
今さら摘み直させるんだ
暗闇に飽き飽きした僕は外の声に
ただじっと耳をすまして聞いてみたんだ

神様がいた窓越しの大きな光は
地平線の彼方から伸びる銀河鉄道の線路を
大きな楕円の螺旋状に連ねていた

汽笛を鳴らして何処かへ 連れられて行く君を
追いかけずにただ僕はじっと寝転ぶ夜だ
昔 願った僕の幸福主義を 踏みにじる

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汚れちまった悲しみは放置

汚れちまった悲しみは放置

うんと両腕を天に伸ばして、腰を落として、身体をくの字に押し曲げる。
ゆっくりと時間をかけて、全身がはち切れんばかりの痛みと心地良さを抱えた限界の体勢。
ここでキープ。ずっとキープ。
風が止みやがて虚無が訪れるまで、
ずっとキープ。
新宿駅、山手線14.15番線の間。
ずっとキープ。
じわじわと痛みに比べ心地良さの比率が増していく。風と日差しが肉体を浄化させていく。
きょうは日曜。

ひとりぽっちよりの跡

ひとりぽっちよりの跡

蹴った 蹴った 蹴った 蹴った

伸びた

蹴った 蹴った 蹴った 蹴った

伸びた

蹴った 伸びた 蹴った 蹴った

産まれた

産まれた 生まれた 産まれた 生まれた

泣いた

鳴いた? 鳴いた 泣いた! 泣いた

立った

立っち 立った 立っち 立った

転んだ



開かれたアルバムを背に
家を出ていった母親は

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