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自分が【HSP】(Highly Sensitive Person)であると分かってから

人の顔色が気になって仕方がない。

サヤカの気持ち

他人の気分で自分の気分が左右されてしまう。

サヤカの気持ち

悲しい映画を見ると何週間も引きずってしまう。

サヤカの気持ち

場や人の空気を深く読みとろうとするし、それがうまくできる。

サヤカの気持ち

私は昔から家族に「心配性」「気にしい」とよく言われていた。今でも言われているくらいだ。そして周りの知人からは「メンタルが弱い」「ガラスのハート」と言われることもある。

そしてそれは自分でもよーく分かっている。言われなくても。

私は人一倍傷つきやすく、他人の一言一言にすごく気持ちが左右される。いつも人の顔を伺っているし、相手が嫌な思いをせずどう会話ができるか、常に相手のことを考えながら話している。そのため私は他人に対する共感性も高く、他人の気持ちを深く理解したり、共感したりすることができるし、自分でも得意だなと感じる。しかし、あまりにも共感性が高いため、逆に他人に負の感情をぶつけられると、私もすごくその感情に左右されてしまう。

よく言えば「相手のことを考えられるいい子」になれる。けれど、側から見たらきっと「メンタルの弱い子」に見えるだろう。いちいち他人の言動で傷付いては自分を否定し、落ち込む。そんなことを頻繁にしている私は、誰から見てもきっと「メンタルの弱い子」に見えるだろう。そして今まで、私はこういう自分が好きじゃなかったし、すぐ傷付いて「一人反省会」をしてしまうのは自分の短所だと思っていたから、治そうと必死だった。

一度知り合いに「メンタルが弱いからっていうのは言い訳」「治した方がいい」「周りだって辛いんだよ」という言葉を言われたことがある。その時はひどく傷ついた、好きでこういう性格になっているわけじゃないから。けれど、すぐ落ち込んだり心が傷んでしまうのは、自分が弱いからであり、自分の性格に問題がある、と思い込むようになってしまった。自分が弱いことに対する自分への嫌悪感が増して、自己否定がどんどん強くなっていく。しかも「こういう性格を治さなきゃいけない」というプレッシャーと、治らない自分に対するイライラ。いろいろな感情が自分をどんどん責めていく。

そして26歳になった今「HSP」っていう言葉を初めて耳にした。

HSPとは、生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」という意味で、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」と呼び頭文字をとって「HSP(エイチ・エス・ピー」と呼ばれている。

HSPっていう言葉を知って、いろいろ調べてみると驚いた。HSPの症状が全部自分に当てはまっているじゃないか!
…ということは、自分以外にも、こういう性格で悩んでいる人がいるってことなんだ…と、なんとも言えない安心感を味わった。そしてちょっとだけ自分に対する嫌悪感が薄れた。そして、うつ病や躁鬱のような、心の性質の一つであるとわかると、治さなきゃいけないというプレッシャーも無くなった。

日本の人口で2割の人がHSPらしい。稀ではないけど、残りの8割は違うのか、と思うとやはりHSPのある人は「メンタルが弱い」と思われるのも当然であろう。そして悩む人も多いであろう。

でもなんだろう。HSPという心の性質を知ってから、自分は自分のことを少しは受け入れられるようになった、し、そういう自分も愛してあげようとなった。「メンタル弱い性格を治せ」と他人に言われ、そんなこと自分で治そうと思って治せるものではないと分かってから、安心感が生まれたのだ。もうHSPという性質が自分の心の性質であると分かってから、治すよりも、向き合っていこうとなった。今まで耐えられなかったこと、受け入れられなかったことを正しく知る事により、自分を受け入れられ、豊かな人生が作り上げられると思った。

だから、私は強く思った。自分以外の他人は何を抱えているかわからないし、心の性質も人それぞれ違う。他人が弱音を吐いた時に、傷付いた時に「メンタル弱いからだよ」「メンタルが弱すぎるんだよ」と、簡単に言わないでほしい。そんなの誰もわからない。言葉の感じ方だって人それぞれ違う。相手を決めつけるような発言は相手の自己否定にもつながるし、どうしようもないことだってある。相手がそれがいくら家族であろうが、友達であろうが、「メンタル弱いからだよ」なんて、言わない方がいい。

自分がHSPだからこそ言えるけど、言葉の力って本当偉大で、自分の性格を否定されると本当に傷つくの。いまだに10年前に言われたちょっとした友達の発言を引きずっているし、その言葉を思い出しては自己嫌悪が半端じゃなくなる。HSPってそういう心の性質なの。私だってなれるものなら、嫌なことを寝て忘れる人になりたい。なれるものなら、自分を愛して自己肯定感を上げたい。でも、どうしてもできない。理解できない人もいるかもしれないけど、治せない心の症状なんだ。

身体の健康も大事だけど、心の健康も同じくらい大事。HSPの存在を知らなかったときは、自分は弱いと、自分自身を責めてつづけ、そんな自分を治そうと必死だった。でも何をしても落ち込みやすい自分がいて、情けないと思っていた。そうなるとどんどんメンタルが崩壊していくのを感じた。心が病むと、身体にも影響が出てくる。私の場合、帯状疱疹といった病にもかかったし、悪化すると生きる力すら消えていく。だから心の健康は本当に大事。HSPの存在を知ってから、自分を情けないと思わず、そういう心の性質を受け入れてあげようと思うようになった。

いろいろな心の性質があることを多くの人はきちんと理解するべき。なんなら、小中学校の道徳の授業はそのためにあるのだとも思う。「私が辛くなければあなたも辛くないでしょ」は通用しない。人それぞれダメージの感じ方は違って、影響の大きさも全然違う。

「あなたはメンタルが弱すぎる」「メンタルが弱いのは甘え」「私だったらそんなので傷つかないよ」「みんなも同じくらい辛い」「強くなって」

こういう言葉はHSPの人にとって、苦しいくらい心が辛くなる。私がそうだから。

だからHSPっていう存在、そしてその心の性質がもっと多くの人に知ってもらえれば、理解してもらえれば、と思う。

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