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酔翠夢紫 (すいせい_むし)
2020年7月7日 17:41
時計は11時半。有楽町のオフィスにいるあたしのもとに、携帯にメールが入る。旦那だ。"おひるどや?(^-^)"とだけ書かれていたが、それで状況は全て理解できた。ランチを一緒に食べよう、というお誘いだ。まったくもう、どんだけあたしのことが好きなんだ。でも、こういう誘いは嫌いじゃない。 間もなく12時になろうという頃、「桜子さん、そろそろお昼ですけどどうします~?」と隣のデスクの後輩の瑞希ちゃんが聞
2020年5月25日 10:53
今日のスタジオだが、桜子さんがいない。正確には、いた…だ。 彼女は「あー、ゼミだゼミ。あたしはこれでも勉強も手抜きしねえんだ」と言って、素っ気なく30分前にスタジオを出ていった。スタジオに残された僕はひとりでいつもの個人練に明け暮れていた。そんな中、スタジオのドアが開いた。のそのそとウッドベースと熊のような大きな体躯が入ってくる。 「あれ、吾郎先輩。おつかれさまです」 ベースの主はF年の吾