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短編小説

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『SOMETHING』

『SOMETHING』

 「それじゃ、お先に失礼しまーす」
 営業部内の仲間に軽く挨拶をして、僕は西巣鴨のオフィスを後にする。5Fから下に降りるエレベーターを待っていると、「おお、おつかれさん」と後ろから声を掛けられた。営業本部長の古田さんだった。
 「ああ、お疲れさまです本部長。今日は早いですね」
 定時から45分程過ぎていた頃だった。普段は僕の帰りが早くて、本部長はデスクにいる…という光景が多かったからだ。
 「”働

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『フォステリアナ』

『フォステリアナ』

これは、大学生の頃にとある文芸サークルに寄稿したものです。いわゆる戦争モノですが、そこを底辺とした人間模様をご覧ください。

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「当方303-001、管制、着陸許可求ム」

 滑走路を目指す夕日に溶けてしまいそうな橙色の翼がなだらかに

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『エンドロール』

『エンドロール』

ちょこちょこ書いてる小説など、載せてみようかと。ぜひお付き合いくださいませ。 

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例年にない記録的な早さで立ち去った、今年の梅雨。
すぐ後を追うように、うだるような暑さが容赦なくついてきた上、このところ居座ったままびくとも動こうとし

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