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✅10代女性【発達障害の検査受けるべきか】を選択理論でコーチング人生案内#140

◇今回は、相談者が「発達障害の疑いに振り回されている」という事例でした。「発達障害、みんなで渡れば怖くない」とか、「私もあなたも発達障害」とか、あきらめて、受け入れて、それはそれとして、がんばりましょう。

10代の女子学生。4月から一人暮らしを始めましたが、学校生活やアルバイトなどすべてにおいて人間関係がうまくいきません。

 自分が思っていることを伝えると、なぜか相手を怒らせてしまい、邪魔、ばかなどと言われます。アルバイト先では、言われたことができても臨機応変に行動できず、気が利かないと怒られます。

 初めは、地方出身の私と周囲の人との言葉遣いの違いによるものと考えていましたが、小中学校時代にも同様のことでよく先生や友人に注意されました。心療内科で簡易検査を行うと、発達障害の疑いがあり、本格的な検査を受けるようにとのことでした。

 しかし、診断を受けても人間関係が劇的に改善するわけではなく、将来就きたい職業に影響しないか不安です。逆に障害と無関係と言われても、どう対応すればよいのか分かりません。検査を受けるべきなのでしょうか。(愛知・E子)

(2022年7月24日読売新聞朝刊)

次を参考に、相談者の答えを引き出す質問やアドバイスを考えてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】

相談者の「困りごと」

・学校生活やアルバイトなどで人間関係がうまくいかず、心療内科で発達障害の疑いがあり、本格的な検査を受けるように言われたが、人間関係が劇的に改善しなかったり、将来の職業に影響したりする不安がある一方で、障害と無関係と言われてもどう対応すればよいか分らないので、検査を受けるべきかどうかで迷っており、困っている。

相談者の「願いごと」

・発達障害の検査を受けるべきかどうかの決心がつくようなアドバイスがほしい。

・今後の人生で、自分はどのように対処していけばいいのかを知りたい。(推測) 

相談者が満たせてない(満たしたい)基本的欲求


・愛所属の欲求(愛したい、愛されたい、仲間でありたい、仲間がほしい)
・力・自己価値の欲求(自分が価値ある存在でありたい、認められたい、自分を認めたい)
・自由の欲求(自由でありたい、自由にしたい)
・生存の欲求(生存に必要なことを満たしたい、安心安全に暮らしたい)
 

【選択理論コーチングの三角モデルです】

【選択理論心理学のエッセンスで考えましょう】

・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。

・自分には、未来に向って自分が幸せになるために行動する責任がある、と考えましょう。

・同じするなら、いやいやでなく進んでする方が自分のコントロール感も高く自由度も広がると考えましょう。
 
・「もう一人の自分」も、「自分なりに精一杯がんばっているんだ」と考えましょう。そして、「もう一人の自分」の心の声を聴き、応援者として励まし、勇気づけてあげましょう。

・自分が満たせていない、自分にとって大切なニーズや価値観、欲求が何か、を考えましょう。

【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・発達障害の本格的な検査を受けるべきかどうかで迷っており、困っている。(かっとうに悩んでいる)

・「発達障害の疑い」に自分が振り回されている。(「自分」に振り回されている)

 
以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。
 

【心に響く回答者(海原純子さん)の言葉】

 発達障害の診断を専門とする医療機関は多くありません。あなたが確定診断を受けたいという強い希望がある場合は、受診する方がいいと思います。

 でも、大事なのは診断名ではありません。あなたが社会の中で生きにくくならず、自分の特性をいかし、納得した生き方ができることだと思います。

 言われたことはできても、臨機応変な対処ができないとのこと。広く全体を見渡したり、ひとつのことを応用したり、他人の気持ちを想像したりすることが苦手なのかもしれません。

 ただ、一方で、あなたはひとつのことに集中するのが得意なのではありませんか?

 また、お手紙の表現から、あなたが自分について冷静で客観的な視点をお持ちであることも分かります。

 あなたのもつ強みや特性についてサポートしてくれる臨床心理士や公認心理師を、受診した心療内科などで紹介してもらってはいかがでしょう。

 私が産業医を務めている企業では、発達障害の人が勤務しています。人付き合いは苦手ですが、パソコン業務を専門に行い、特性を生かした働き方をしています。強みをいかすような生き方を見つけていただけたらと思います。

(2022年7月24日読売新聞朝刊)

私は次のような質問、アドバイスを考えました(ご参考まで)

・今は、「発達障害かどうかのグレーゾーン」も含めて、発達障害やその傾向があって悩んでいる人が、すごくたくさんいらっしゃるのではないかと思います。

一方、「発達障害」が知られていなかった以前も、そのような人はたくさん居たけれど、「発達障害」という言葉がなかったために、本人も、周りの人も、苦労し、しんどい目に遭ってきたことも多かったでしょう。

・孫子という中国の兵法家の有名な言葉に、「自分を知り、相手を知れば、百戦危うからず」というのがあります。自分側のことをよく知り、相手側のことをよく知っていれば、相手に勝つことはできないかもしれないが、百回戦っても負けることはない、という意味です。

・あなたは今、「発達障害の疑い」に振り回されているようにも見えますが、一方で、自分の人間関係のうまくいかない原因や、自分の性格や行動の特徴や傾向の原因も、客観的に分ってきたのではないかと思います。これらが「自分をよく知ること」に当たると思います。

・一方で、「発達障害」や「発達障害グレーゾーン」などがどういうものであるのかを知ることは、「相手をよく知ること」に当たると思います。

・あなたにとって、「本格的な検査」を受けることの意味、目的は何でしょうか?

・あなたにとっての「本格的な検査」を受ける意味や目的は、「本格的な検査を受けること」以外の方法でも達成できますか? 達成できるのであれば、それでもいいのかもしれませんね。

・また、あなたにとって、今すぐに「本格的な検査」を受ける必要はあるのですか? これまでに得ることができた情報があれば、いずれ、将来に、やっぱり「本格的な検査を受けた方がいい」と思われたときに受けてもいいのであれば、そうすることもできるし、それでいいのかもしれませんね。

・原因がわからないために、苦しまれてきたことも多かったと思います。また、自分を発達障害と決めつけることで、自分が今よりも「マイナスの状態」に陥るのであれば、「発達障害の疑い」に自分が振り回されていることになります。

・「発達障害の疑い」は、ある意味で、貴重な情報でもあり、その情報を、あなたの未来に向って、上手に使っていくという選択も、いろいろ可能だと思います。「発達障害の疑い」が分ったことが、あなたにとって、どんなプラスがあるかをできるだけ挙げてみてください。

・原因がある程度分ったところで、だからといって、ご自分にはコントロールできない(変えることができない)こともあるかもしれませんが、「自分にはどうしようもない領域」に目を向けるのではなく、「自分がコントロールできる自由な領域」に目を向けると、「自分の自由な領域」も相当広いものがあります。

あなたは、未来に向って、「あなたがコントロールできる自由な領域」でどんなことをやってみたいですか? 何を得てみたいですか? どんな自分になりたいですか? そして、どんな自分でありたいですか?

・今回のことが、あなたにとって、未来の自分の生き方、あり方を考える、貴重な機会になることをお祈りしています。


今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。



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