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土曜日の猫通信
2021年4月2日 22:22
その年の春の晴れた日の午後、免許を取り立ての小僧だった僕は、知り合いの自動車工場から譲ってもらったボロボロのニッサン スカイラインをドライブして、国道 8 号線を西に向かっていた。FM ではヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」が流れていた。何の根拠もなく、やがて来る未来には明るい日々が待っていると、多くの人が信じていた時代だったし、僕もそう思っていた。国道8号線は、西へ西へとまっすぐ続いてい
2021年4月9日 21:42
長い夏休みのような人生だな、と思う。永遠に二学期が来ないような夏休み。かき氷、蝉の声、入道雲。夜の夏祭りのことだけを考えていればいい夏休み。気付いたらずいぶん遠いところまで来ていた。人生はもっとざらっとした手触りがあるものだと思っていた。きっと世の中の多くの人生はそうだろうし、人生とは本来そうあるべきだと思う。でも、そういう人生じゃないな。誰のためにも、なっていない。何も遺