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<ニュースにコメント>父親はいなくていいのか?

フランス下院はすべての女性に人工授精の権利を認める生命倫理法の改正案を可決し、法案は国会で成立した。制度改正後は、女性同士のカップルが提供精子で子供を持った場合、2人とも親として認められる。フランスで精子・卵子バンクは公的機関が運営しており、人工授精には健康保険が適用される。これまでは、男女カップルにのみ認められてきた。

つまり、女性同士の「親」が、父親不在の家庭が法律で認められることとなったということだろう。

私の意見を言わせてもらうと、これは子供に対する間接的な虐待であり、子供の人権侵害を行っているのではないかと主張する。

なぜか。それは、父親不在の家庭ではさまざまな悪影響があることが確認されているからだ。

あのスタンフォード監獄実験を行った、スタンフォード大学の偉大な心理学者フィリップ・ジンバルドーは、父親不在の家庭環境によって、男の子供が学力低下・失業率の上昇・人間関係や交流の悪化・ゲーム中毒・肥満・ポルノ中毒に陥っていると警鐘を鳴らしている。

近年、ゲーム中毒や肥満、ポルノ中毒も大きな社会問題となっているが、家庭環境による影響が大きいだろう。(ゲーム規制条例を作った香川県はゲームを規制する前に家庭環境をサポートする必要があるのではないか。)

子供は家庭環境から非常に影響を受ける。両親の離婚、両親不仲、両親の喧嘩、父親との不接触、父親の不在、(メディア、学校システム、テクノロジー)これらはすべて男子に莫大なストレスを与え、悪影響を及ぼす。

日本の現状としてシングルマザーは38.7%。(厚生労働省『平成28年度 全国ひとり親世帯等調査の結果』)30年前と比べると1.5倍。この5年間は横ばいの状況である。アメリカでは結婚していないパートナーでの出産が結婚者に比べて二倍の確立で崩壊しており、少年の三人に一人が夫がいない過程で育っている。イギリスでは、シングルマザーは子供がいる家庭の約四分の一を占め、一九七一年と比べて三倍増加している。

こんな状況なのに、さらにこどもを押さえつけ、劣化させるのか。

父親は家庭にとってとても大事な役割を担っている。ジンバルドーによれば、メリットとして4つ挙げられるという。
新しく出会った人をより受け入れ、心を開き、信頼するようになる
②社会的能力テストで高得点を取る
③学習能力テストでも高得点を取る
④友達が多く、成績が良く、高い学歴を得る。

しかし、父親がいない場合には様々な悪影響な行動に走る。
①子供(息子)は「どういう目標の人間になればよいのか」を教えてくれるメンター(人生の指導者、助言者)がいないため、子供(息子)がどうすればよいのかがわからなくなる。
ゲームやネットに熱中し、情緒障害や行動上の問題で専門的な治療を受ける可能性が高まり(3.75倍)、薬物治療を受ける可能性が高くなる(54%増)。
②父親、大人としてメンターになるとき、自分が父親不在だった過去に罪悪感を感じ、羞恥の感情を思い出すのではないかと恐怖することで、消極的なかかわりにしかしなくなる。

対処法としてジンバルドーは父親の何よりも優先した積極的なかかわりを一つとしている。

これらにより、父親は子供に大きな好影響を与え、父親不在は子供に大きな悪影響を与えるため、家庭に父親は必要不可欠である。

女性同士で結婚しようが男性同士で結婚しようが勝手であるが、その自由で子供を間接的に虐待し、子供の人権を侵害するのはやめていただきたい。

参考文献
フィリップ・ジンバルドー(2017)『男子劣化社会』 高月園子訳 晶文社

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