中学生、磯野伊流花は、世界平和の実現を考える「世界平和部」の部長。
地道に署名活動をしていた伊流花たちの前に、平和と引き換えに地球をよこせというイルカ型エイリアン「フィンドリアン…
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#SF小説
【SFラノベ】伊流花がせめてきたぞっ! ①
「このままでは、いつまでたっても平和は来ない!」
磯野伊流花は叫んだ。
ビン底メガネの奥の瞳をギラつかせながら。
久根川市立第三中学校「世界平和部」の部室には、部長と全部員が集合し、ミーティングの真っ最中だった。
世界平和実現のために何をすべきか。
それを中学生なりに追求するという主旨の「世界平和部」は、ある国で大きなテロが発生した2000年代には、数十人の部員を擁していたという。
【SFラノベ】伊流花がせめてきたぞっ! ②
翌朝…
久根川駅前に立てられた簡易テントには、世界平和部の三名が集合していた。
各地の紛争の現実を示したパネルを設置し、テーブルに備品のラジカセを置く。
「ぶちょ〜、テープってどうやって入れるんですかあ〜?」
署名の呼びかけを録音したカセットテープを手に、恭子がラジカセをいじくり回していた。
「ラジカセ使ったことないの?ほら、その三角マークがイジェクトボタンだからそれを押して…」
「ラジ