沙月Q

主にSFファンタジーを書きます。 最近はショートショート中心ですが(「#毎週ショートシ…

沙月Q

主にSFファンタジーを書きます。 最近はショートショート中心ですが(「#毎週ショートショートnote」参加等)、長編も書いてます。 よろしくお願いします。 🙏

マガジン

  • 【短編異世界ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士

    あらすじ シムノサ平原にやって来た戦士の俺は「ささくれ巨人」を追っていた。 俺の親父の汚名の元となったこの巨人を倒すことが俺の悲願。 単身巨人に挑むつもりだった俺に、伝説の魔導士、七芒星のドルイエが加勢を申し出る。 やがて俺はこの魔導士と「ささくれ巨人」の間にある秘密を知る。 それは親父の死や俺自身の過去を揺さぶる、大きな秘密だった。 何も信じられないまま、俺は最後の戦いに臨む!

  • 毎週ショートショートnote 2024

    たらはかにさんの募集企画「#毎週ショートショートnote」参加作品の2024年分まとめです。 3月第2週から、ここまで1年皆勤です。 🤗 お気に入りがあったら、教えてくださいね。 よろしくお願いします。 🙏

  • 【SF短編集】沙月草子

    自作の短編SF小説を集めました。 ショートショートやホラーも混じってます。 お気軽にお楽しみください。 😌

  • 【長編SF小説】銀河皇帝のいない八月

    宇宙を支配する銀河帝国が地球に襲来。 軍団を率いる銀河皇帝は堅固なシールドに守られていたが、何故か弓道部員の女子高生、遠藤アサトが放った一本の矢により射殺されてしまう。 しかも〈法典〉の定めによってアサトが皇位継承者たる権利を得たことで帝国は騒然となる。 皇帝を守る〈メタトルーパー〉の少年ネープと共に、即位のため銀河帝国へ向かったアサトは、皇帝一族の本拠地である惑星〈鏡夢(カガム)〉に辿り着く。 そこにはアサトの即位を阻まんとする皇帝の姉、レディ・ユリイラが待ち受けていた。 果たしてアサトは銀河皇帝の座に着くことが出来るのか? そして、全ての鍵を握る謎の鉱物生命体〈星百合(スター・リリィ)〉とは?

  • 毎週ショートショートnote 2023

    たらはかにさんの募集企画「#毎週ショートショートnote」参加作品の2023年分まとめです。 3月第2週から、投稿皆勤でした。 🤗 毎週、ほとんと不条理と言えるお題と格闘しながら書いてました。 410文字程度というルールは、ほぼ守れてませんが、SF、ホラー、時代劇、恋愛とバラエティには富んでいると思うので、つまみ読みしてみてください。 お気に入りがあったら、教えてくださいね。 よろしくお願いします。 🙏

最近の記事

  • 固定された記事

銀河皇帝のいない八月 ①

プロローグ  木星軌道に星百合が咲いた。  巨大な百合の花の形をした、無機鉱物のような物質からなる何か……  しかしそれは生きている。  生物なのだ。  星百合はあるとき忽然と宇宙のどこかに咲き現れ、星々の間に道をつくる。  ほどなく、その道のゲートとなる空間の歪みが、衛星カリストのすぐそばで発生した。そこから小さな光が飛び出し、亜光速で木星圏を脱すると太陽の方へと進路を取った。  数時間後、はるかに大きな光の群れが歪みの中から姿を現し、小さな光の軌跡を追い始め

    • 再生

      細野晴臣 - PLEOCENE (Visualizer) 細野晴臣 - PLEOCENE (Visualizer)

      名曲。 「銀河鉄道の夜」にも使われた大好きな曲です。 なぜこのタイミングで動画が出たのかわかりませんが、あのアートワークが動くのがうれしい。 暑い日に冷房の効いた部屋でゆったりと… …テロップは最初と最後だけでよかったかな。

      • 夏に読みたいSF3点

        もうすぐ夏休み。 子供たちは宿題の読書感想文に頭を悩ませ、大人はこの機会にと買った本がなんだかんだで積読になっちゃう、そんな季節です。 今日の朝刊書評欄は、「書評委員19人の『夏に読みたい3点』」というおすすめ本特集でした。 あやかって、夏休みの読書にふさわしいと勝手に考えるおすすめ本を3点挙げてみたいと思います。 「ソラリス」スタニスワフ・レム 夏といえば海。 というわけで、海にまつわる名作SFのおすすめです。 スタニスワフ・レムの「ソラリス」は、人類が未知の惑星ソラリ

        • 図書館の電子書籍貸し出しサービス

          Xでフォローしている方が… 「電子書籍も図書館で扱われたりしないかな」 …とつぶやかれていたので、東京都内の公立図書館ではすでに電子書籍の貸し出しが始まっていることをお知らせしました。 そうです。 図書館で電子書籍が借りられるのです。 公式サイトで手続きをすると、Webブラウザで読める形で2週間のアクセス権が与えられます。 誰かが借りた本は「貸し出し中」となり、希望者はその後の貸し出しを予約することが出来ます。 実際の書籍のようなラインナップはまだまだですが、自分の自治体

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        銀河皇帝のいない八月 ①

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        • 【短編異世界ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士
          22本
        • 毎週ショートショートnote 2024
          17本
        • 【SF短編集】沙月草子
          8本
        • 【長編SF小説】銀河皇帝のいない八月
          38本
        • 毎週ショートショートnote 2023
          47本
        • 銀河帝国本同好会
          11本

        記事

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ㉒

          第二十二話(最終回) 戦士タキオの父  シムノサ平原に冷たい風が吹きすさぶ。  この地一帯が、冬本番を迎えようとしているのだ。  俺は、毛長象の引く荷車の上で腰を下ろし、マントの合わせを引き寄せて冷気の侵入を阻もうとした。  足元には「七芒星の魔導士」の体が、顔まで毛布をかぶせられ横たわっている……  ささくれ巨人を仕留めた後、そのまま谷底で朝を迎えた俺は、ジャコーインの洞窟から使えそうなものを掘り出し、魔導士と杖を運ぶための担架をしつらえた。  一人でそれを引きずりな

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ㉒

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ㉑

          第二十一話 〈核〉のありか  暴れる巨人の肩の上で、突き刺した剣にしがみつきながら、俺はあの岩陰からドルイエが這い出してくるのを見た。  さすがの「七芒星の魔導士」も、このあり得べからざる状況にじっとしていられないようだった。 「タキオ! その剣は確かに魔剣なのか?! 〈核〉を壊す魔力の封じ込めをしてもらってあるのか?!」  念話の声が俺の脳裏に響く。  俺は自分の落ち度だと言われた気がして一瞬苛立ったが、そう思われるのも無理はなかった。 「ああ! ペリエの街で信頼出

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ㉑

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ⑳

          第二十話 呪いの〈核〉  巨人に気づかれぬよう、その真下まで近づいた俺は、奴がしがみついている崖の反対側の急斜面を登り始めた。  弓で狙うのは奴の首の後ろ。そのために、なるべく高い位置から矢を放つ必要があったのだ。 「タキオ……」  脳裏に魔導士の声が響いた。  離れた岩陰から念話の術を使っているらしい。俺には初めて聞く心の声だった。 「うまく矢が刺さったら、すぐにそこから飛び降りろ。わしが飛ばしてやる。縄で方向だけうまく定めるのだ」 「わかった」  俺は声に出して

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ⑳

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ⑲

          第十九話 脱出  ジャコーインの洞窟は、思いのほか俺たちが巨人と遭遇した渓谷に近いようだった。  いや、洞窟自体が渓谷の一部なのかもしれない。  俺とドルイエは、崩落する土砂を避けて洞窟を後戻りし始めた。 「クマラハの弓を!」  ドルイエの言葉に、俺は洞から一番近い横穴を探り、クマラハが遺した強弓と荒縄に繋がった矢の束を見つけた。  俺たちは洞窟の入り口目指して駆け出したが、洞を離れるとあっという間にあたりが闇に包まれた。俺はベルトから携帯用の固形油ランプを取り出して行

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ⑲

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ⑱

          第十八話 崩落 「小癪なマネを……」  苛立ったジャコーインは、斬撃の術を駆使してネジヅタを切り離しにかかった。  だが、その切り方はネジヅタの特性を考えない思慮を欠いたものだった。切られたツタの端々が絡まるべきものを求めて踊り狂い、その一部がジャコーインの首をとらえたのだ。 「!」  たちまち魔導僧の顔に苦悶の表情が浮かび、術を施していた全ての力が途絶した。  体の自由を取り戻した俺とドルイエは、ジャコーインの元へ駆けつけたが、手遅れだった。  魔導僧は必死に何かの

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ⑱

          「ノグ・アルド戦記」読みました

          アルロンさんの創作大賞2024参加作品、ファンタジー小説「ノグ・アルド戦記」を、とても楽しく拝読しました。 以下、感想ですが結末にも触れてますので、未読の方は読んでからご覧ください。 2ヶ月で書かれたとのことでしたが、これだけの数の登場人物を設定して関係づけながら活躍させるのは大変だったのではないでしょうか。 終盤まで「これ、誰だっけ?」というような混乱もなく、皆しっかりと性格づけができており、描写力がうらやましかったです。 個人的にはキーロのキャラクターが面白く気に入り

          「ノグ・アルド戦記」読みました

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ⑰

          第十七話 逆襲 「ジャコーイン!」  ドルイエが俺の肩から手を外し、魔導僧に向かって印を結んだ。  見えない力が俺たちとジャコーインの間でぶつかり、弾ける。  ジャコーインの高笑いが洞に響き渡った。 「どうした、ドルイエ。破閃光術を撃つがいいぞ。封縛術などでわしを捕らえるつもりか。いずれにせよ、疲れ果てているおぬしの力ではどうにも出来ぬがな!」  ドルイエの意図はわかっていた。  ジャコーインを捕らえて出すべきところへ引き出し、クマラハの証言を覆そうというのだろう。

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ⑰

          【ショートショート】決戦!七夕ステージ (後編 - 織姫妖怪)

           向こう瑞ヶ丘遊園の上空に暗雲が垂れ込め、大気が不安定になっていた。  遠くからゴロゴロと響く雷鳴とともに、アシスタントのスマホがブーと鳴る。 「あ、ヤベ……」 「この台本もらってますよ。やっぱり間に合いそうにありませんが…」という返信にアシスタントは真っ青になった。  代役のサトルに送るはずの台本PDFを、間違って本来のスーツアクターに送っていたのだ。  時すでに遅し。  ドヤドヤと戦闘員に引っ立てられながら、サトルが楽屋に飛び込んできた。  舞台監督は破顔した。 「

          【ショートショート】決戦!七夕ステージ (後編 - 織姫妖怪)

          【ショートショート】決戦!七夕ステージ(前編 - 彦星誘拐)

          「何ーっ!? 開演に間に合わないーっ!?」  東京郊外の遊園地〈向こう瑞ヶ丘遊園〉。  七月七日、七夕のその日、イベントステージでは人気特撮ドラマ『呪術戦隊カイセンジャー』ショーの準備が完了しつつあった。  そこへ飛び込んで来たのは、主演ともいうべきカイレッド役のスーツアクターが、ゲリラ豪雨による事故で開演時間に遅れるという知らせだった。  舞台監督は頭を抱えた。 「どーすんだよー……誰か代役はいないのかー?」  アシスタントのスタッフが自信なげに応えた。 「そーですね……

          【ショートショート】決戦!七夕ステージ(前編 - 彦星誘拐)

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ⑯

          第十六話 真相  身動きできない俺は、膝をついた姿勢のままずるずると魔導僧の方へと引きずられていった。  僧侶は懐から何かの瓶と小さな盃を取り出し、中身を注いで俺に差し出した。  恐らく、あの戦士の自由を奪っている薬と同じものだ。 「心配はいらぬ……奴の様子を見ただろう? 元気そのものだ。健康を害することはない……」  そして、一度飲み下せば健康な操り人形に成り果てるわけだ。  僧侶は盃を俺の唇に当てて傾けた。  俺は歯を食いしばって薬の侵入を防ごうとしたが、見えない力

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ⑯

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ⑮

          第十五話 魔導僧 「ほう……ネズミがここまで入り込んだか」  僧侶が言った。  あざけりと警戒がないまぜとなった口調だった。 「入り口は固く封印していたはず。術の心得があるか……いや、おぬし自身ではないな? 連れの男が魔導士だったか」  頭上で受け止めた剣が、さらに力を得て俺に近づいてきた。  見ると、僧侶がゆっくりと手を挙げるに連れ、その力が増しているようだった。 「目の前で消え失せたのも術のせいだったか。あの短い間にここをつきとめて飛んで来るとは、かなりの手練れ

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ⑮

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ⑭

          第十四話 幽鬼  ドルイエが細い息の間で囁くように答えた。 「いる……」  ならば、やるべきことをやるだけだ。  俺は旋刃棍を袖口から出し、洞窟の奥へ向かおうとした。 「奴は……恐らく瞑想状態で巨人に憑依している……気づかれぬように近づき……隙をついて息の根を止めろ……」  魔導士は印を結び、自分の体に治癒術式を施し始めた。 「少し遅れるが……わしも後を追う……」  無理するな……と声をかけようかとも思ったが、俺は黙って歩き出した。  過去の因縁は忘れるつもりと

          【ファンタジー小説】ささくれ巨人と七芒星の魔導士 ⑭