古民家で暮らそう!⑨「契約完了!」
元のお値段より少し安くして頂いて、金額の折り合いがつきました。
いよいよ家を購入するための契約となる訳ですが、物件が気に入った場合、不動産屋が売り主と交渉をしてもらうために申込金をお預けして「売り止め」という状態にしてもらわなければいけません。不動産って、必ずしもひとつの不動産屋が情報を発信している訳ではないので、同じ物件を管理している不動産業界で「この物件は現在交渉中なので、新たな購入希望者を取らないようにしてね」という意味です。
そこで金額や引渡の条件などの折り合いがつけば契約となる訳ですが、契約時に全体の10%および仲介手数料の半分、そして印紙代をお支払いして契約となり、後日、最終決済をして鍵の引渡という段取りです。
そういう訳でついに契約が完了し、家を買ってしまった…。43歳にしてデビューとは少し遅いのかもしれませんが、つい数ヶ月前までは「賃貸で篠山に引っ越し!」って言っていたのに…。
それに、不動産屋のスタッフの方に「多可町がお気に入り」というお話を聞いていなければ、ここに住むこともなかったと思います。人生どうなるか分からないものですが、夫婦だってまったくの他人がたまたま出会っただけで一生ずっと一緒にいる訳なので、出会いとはそんなものなのでしょう。
家を買うなんて一生に1度か2度しかないことだと思いますので、やること成すことが全部未知の世界です。契約時に「重要事項説明書」と「不動産売買契約証明書」なるものがあって、その内容を全部丁寧に読んで説明をしてくれました。こちらも不明点はひとつずつ確認をしていったので、その説明に2時間ぐらいかかりました。
そこで契約を済ませて昼からその物件に移動し、この日は売り主さんの代理人が立ち会いで室内の不要品を処理する業者を連れて来ていたので、こちらが欲しいものを捨てないで取り置きしてもらう分別作業をしました。
何人住んでおられたのかは分かりませんが、ものすごい量の家財道具です。それらをすべて売り主さんの責任で処分となる訳ですが、屋根裏部屋にある結構立派な長持2つ、柱の予備、古いタンスなどを捨てずに置いておいてもらうことにして、農機具のとうみもインテリア用に頂くことにしました。
これから登記のことでお世話になる司法書士の方も立ち会いに来ておられて、サイズを計ったり内部の調査をしたりしておられました。その他、地元の古民家を中心にリフォームをされている方も立ち会って下さったのですが、まだ具体的なイメージができなかったので、後日改めて打ち合わせということになりました。
実際に自分のものになってから改めて家を見てみると、思っていたよりもきれいでした。いや、思っていたよりも…なので、ボロボロということには変わりはありませんが、その気になればそのまま住めそうな気もしないでもありません。
ただ、僕が事務所に使おうと思っている部屋は床が抜けています。それに、何故か和式と洋式の便器が2つあって、しかも別々の部屋になっています。後から教えてもらった話では、1つは農作業中に土足のまま入れるトイレだったようです。
部屋は、7部屋+キッチン&屋根裏部屋、離れ、味噌部屋(?)があるので結構広いのですが、離れは壊す予定の倉庫とつながっているので、倉庫を壊すと離れの片面の壁が無くなります。なので、しばらくは板でも貼って放置しておくしかありません。たぶん半年ぐらいは手をつける余裕がないような気がします。それとキッチンの外に味噌部屋に使っていたと説明を受けた波板で囲われた部分は湿気が籠もるし、それがあることによってキッチンが暗いので自分で解体しました。
屋根裏部屋は、良く言うと「魔女の宅急便」のキキが住んでいたような部屋で、悪く言うとただのホコリまみれの天井裏です。かなり広いので、きれいに掃除をすると寝室にもなりそうです。ただ、ホントに屋根裏なので、梁が邪魔でくぐらないと歩けませんし階段も急です。
あれこれ課題が山積みの古民家ですが、ワクワク感が止まりません。今、写真を見ながら思い出してみても、よく頑張ったなと思います。