【必見!】神経集中治療の研究とこれから
神経集中治療を専門にしていると、その研究テーマの多様性・新規性に気づかされます。
神経集中治療医の強みは、脳神経系にも強く、全身管理にも精通していることです。
例えば、
くも膜下出血患者さんの診療をしていると、循環動態(体液バランスや血圧)を意識した際、各パラメーターの目標値はどうあるべきか、常に疑問を持ち、研究につなげることができます。
全身にとって、血管内容量は正常だと感じていても、脳にとっては足りていなかった…ということは多々ありますよね。
遅発性脳虚血の際、正常な血管内容量が保たれていると判断していても、輸液を足してみると、麻痺がすぐに改善したという事はよく経験します。
また、障害された脳にとって、適切な血圧はいくつなのか?
これも個々の患者さんによって異なります。
遅発性脳虚血の患者さんで、例えば平均血圧を75から90にすることで麻痺が改善することもあります。
ただし、その値も患者さんによって異なります。
どうやってその値を発見するのか?
興味深いですね。
今、それが神経集中治療の研究者により解明されようとしています。
循環動態の把握を得意とする医師が、脳神経学を学ぶこと(その逆も!)で、良い研究につながっているのでしょう。
一方で、Critical care EEGや原因不明の重症脳炎(Cryptogenic New-onset refractory status epilepticusp:C-NORSEなどを含む)の管理やレジストリー、急性期の昏睡に関する科学的アプローチなど、神経を専門とする医師が神経集中治療の中で研究テーマにできる事も多くあります。
例えば、私の神経集中治療室では、
看護師さんたちが「ICU日誌」を患者さん毎に作成し、覚醒後の意識についての研究を行ったりしています。
神経集中治療と看護・リハビリテーション・栄養管理・薬剤管理
他にも、これらにおいて様々な研究テーマが眠っているはずです。
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