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海の話

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環境やマリンスポーツから、海岸管理の話まで
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#海水浴

静岡・下田→千葉沖80km漂流についての考察

静岡・下田→千葉沖80km漂流についての考察

2024年7月8日から10日にかけてこんな出来事がありました。
まず、この事故において、捜索や救助に関わったすべての人々に深いリスペクトを表します。
迅速な対応と献身的な努力により、被害者が無事に助かったことを大変嬉しく思っています。

白浜で20年以上ライフセーバーとして海を見てきた経験をもとにこの事案を考察してみます。夏休み、海水浴シーズンを前に何かの気づきとなれば幸いです。

経験則による部

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アウトドアレジャーの遭難対策いろいろ【海編】

アウトドアレジャーの遭難対策いろいろ【海編】

海の遭難防止

フィールドを変えて、海の遭難防止対策についてですが、こちらは釣りやダイビング等の船での活動を対象にしたサービスが多く、少しUIを工夫してシーカヤックやSUPのユーザーも使えるようにしているという印象です。
ちょいちょい船の話も出てきますが、ここでは人力のアクティビティについてまとめていきたいと思います。

位置確認と捜索救助は別

山のアクティビティでも同様なのですが、海ではよりは

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"大きい会社"ほど水難事故防止対策に出資するべき理由があるかも

"大きい会社"ほど水難事故防止対策に出資するべき理由があるかも

*2024.6.27の追記箇所があります

「日本財団 海のそなえプロジェクト」の調査

先日、日本財団の水難事故に関する調査のサマリーが公開されました。

非常に有益なデータが集約されています。
一方で、国内でデータソースが一元化されていないという課題点も指摘されてます。

現状、日本の水難事故に関するデータは、警察庁、海上保安庁、日本ライフセービング協会(JLA)などがそれぞれ異なる調査を行っ

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海水浴場開設と海岸管理の構造の話<後編>

海水浴場開設と海岸管理の構造の話<後編>

↓前編はこちら

とにかく手間がかかる海岸の管理

海水浴場を開設していない状態で何かが起きると不都合が多いため、実は閉鎖されがちです。コロナ禍でよく見られた対応と同様ですね。
↓注:2020年の記事です

海水浴場とは別に、海岸を年間を通して利用していくことを考えると、以下のような管理の手間が浮き彫りになります。

ゴミ問題
放置されたゴミや漂着ゴミは、どちらも管理者である行政の責任で処理すべき

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海水浴場開設と海岸管理の構造の話<前編>

海水浴場開設と海岸管理の構造の話<前編>

三浦市の海水浴場開設中止のニュース

最近、三浦市の海水浴場が開設されないというニュースが報じられました。
原因については運営費、人手不足のようですが、海水浴場の運営とはどのようなものなのか、少し触れてみます。

理由は採算と人材不足
海水浴場が閉鎖される理由として、採算が合わないことと人材不足が主な原因となることが多いです。今回の三浦市の記事の中でもこのように書かれています。

海水浴場を開設す

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