Satoshi "Yak"Yamaguchi

伊豆の先端、下田市でアウトドアスポーツを盛り上げるお仕事をしてます。City Prom…

Satoshi "Yak"Yamaguchi

伊豆の先端、下田市でアウトドアスポーツを盛り上げるお仕事をしてます。City Promoting, Local Outdoor Guide, Lifeguard. 雪が降れば白馬村へ。スノーボード通訳士

マガジン

  • スノーボードと山の話

    スノーボードの話を中心に書いてます。メインエリアは白馬。山関係の話もたまにします。

  • 海の話

    環境やマリンスポーツから、海岸管理の話まで

最近の記事

静岡・下田→千葉沖80km漂流についての考察

2024年7月8日から10日にかけてこんな出来事がありました。 まず、この事故において、捜索や救助に関わったすべての人々に深いリスペクトを表します。 迅速な対応と献身的な努力により、被害者が無事に助かったことを大変嬉しく思っています。 白浜で20年以上ライフセーバーとして海を見てきた経験をもとにこの事案を考察してみます。夏休み、海水浴シーズンを前に何かの気づきとなれば幸いです。 経験則による部分も多く、根拠に欠ける点もあるかもしれませんが、公式なものではなく個人の見解とし

    • アウトドアレジャーの遭難対策いろいろ【海編】

      海の遭難防止 フィールドを変えて、海の遭難防止対策についてですが、こちらは釣りやダイビング等の船での活動を対象にしたサービスが多く、少しUIを工夫してシーカヤックやSUPのユーザーも使えるようにしているという印象です。 ちょいちょい船の話も出てきますが、ここでは人力のアクティビティについてまとめていきたいと思います。 位置確認と捜索救助は別 山のアクティビティでも同様なのですが、海ではよりはっきり分かれている気がします。遭難した際に自分で通報をすることが困難なためでしょ

      • アウトドアレジャーの遭難対策いろいろ【山編】

        もうすぐ夏休みということで、海も山もハイシーズンですね。アウトドアにおける位置情報特定サービスについてまとめてみました。 GPSとBluetoothとビーコン 位置情報の特定というとGPS*が有名ですが、位置情報特定に使われる技術としては、Bluetoothであったり、ビーコンであったり、GPSに限らないサービスもあリます。 *GPSはアメリカの衛星システムの名称で、最近は他の衛星システムを含めた形でGNSSと呼ぶこともありますが、分かりやすくGPSと統一します。 登山

        • "大きい会社"ほど水難事故防止対策に出資するべき理由があるかも

          *2024.6.27の追記箇所があります 「日本財団 海のそなえプロジェクト」の調査 先日、日本財団の水難事故に関する調査のサマリーが公開されました。 非常に有益なデータが集約されています。 一方で、国内でデータソースが一元化されていないという課題点も指摘されてます。 現状、日本の水難事故に関するデータは、警察庁、海上保安庁、日本ライフセービング協会(JLA)などがそれぞれ異なる調査を行っているため、データの文脈や対象範囲を理解することが重要ですね。 せっかくなので

        静岡・下田→千葉沖80km漂流についての考察

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        • スノーボードと山の話
          11本
        • 海の話
          6本

        記事

          【スノーボード通訳士】ってなんなんですか?

          なんなんでしょう。今はまだ、架空の職業?です。 "乗り味の言語化"の始まり スノーボード通訳とは、"乗り味の言語化"です。 2021-2022シーズン、THE DAY.HAKUBA(TDH)を作っている佐藤敦俊さん(トシさん)に「このボードに乗ってみてくれ」と言われ、ZAN POW村男モデルをテストライドしたのが始まりです。一番最初の言語化でした。 この時、私は「幅広の先端がブルドーザーのように雪の塊、ギャップを破壊しながら進む。ピンテールはバターナイフのように雪面を

          【スノーボード通訳士】ってなんなんですか?

          海水浴場開設と海岸管理の構造の話<後編>

          ↓前編はこちら とにかく手間がかかる海岸の管理 海水浴場を開設していない状態で何かが起きると不都合が多いため、実は閉鎖されがちです。コロナ禍でよく見られた対応と同様ですね。 ↓注:2020年の記事です 海水浴場とは別に、海岸を年間を通して利用していくことを考えると、以下のような管理の手間が浮き彫りになります。 ゴミ問題 放置されたゴミや漂着ゴミは、どちらも管理者である行政の責任で処理すべきですが、有志の団体が清掃活動をしている場合がほとんどです。日常の環境対策のための

          海水浴場開設と海岸管理の構造の話<後編>

          海水浴場開設と海岸管理の構造の話<前編>

          三浦市の海水浴場開設中止のニュース 最近、三浦市の海水浴場が開設されないというニュースが報じられました。 原因については運営費、人手不足のようですが、海水浴場の運営とはどのようなものなのか、少し触れてみます。 理由は採算と人材不足 海水浴場が閉鎖される理由として、採算が合わないことと人材不足が主な原因となることが多いです。今回の三浦市の記事の中でもこのように書かれています。 海水浴場を開設する大きな理由としては、夏の短期間で大きな収益を上げることができるからです。 しか

          海水浴場開設と海岸管理の構造の話<前編>

          【スノーボード】23-24シーズン振り返り:本当に少雪だったの?

          ここ数年は白馬バレー券を購入し、白馬エリアをあちこち意地汚く滑り倒しています。5月6日でスキー場も全部終わったことですし、ここで振り返りなどしてみたいと思います。 ※正式名称は、Hakuba Valley 全山共通シーズン券 概要 普段は山脈を三つ越えていかないと辿り着けない場所に住んでおります。 シーズン前から、エルニーニョやら暖冬少雪との前評判だったシーズン。12月序盤の降雪はほとんどないだろうということで、オーストラリアなど行っておりました。 1月から3月のハイシ

          ¥200

          【スノーボード】23-24シーズン振り返り:本当に少雪だったの?

          ¥200

          【スノーボード通訳】November / ARTISTE 154w 24-25 レビュー

          『え、最近のツインて、こんなに踏み込めて切れるんですね。』 近頃はめっきりパウダーボード、フルツインのボードに乗ったのは十数年ぶり、、 最近のフリースタイル事情もキャッチアップしようと思い、フラッグシップと名高いARTISTEを試乗した感想がこちらでした。 時間の都合で1本しか滑れず、全然引き出せなかった残念。 まず見た目から。フリースタイル感の溢れるグラフィック、こういうのはカッコいい、悪いではないのよ。 「俺ももういい歳だしさ」と、単色にしてみたり木目調にしてみたりと

          【スノーボード通訳】November / ARTISTE 154w 24-25 レビュー

          【スノーボード通訳】November / C-KENTIAL 156 24-25 レビュー

          とにかく時間がなかったため、写真が一枚もありません。 アウトラインだけでも見せられると良いのですが、このボードは情報が少ない。 ボードが沢山あってどれを選べば分からない中で、直感で選んだのが 【C-KENTIAL(シーケンシャル) 156】 来期からの新作で156のワンサイズらしい。 試乗会の時のボードは真っ白なグラフィックのデモボード、実物は綺麗な青のトップシートで、来期のNovemberはパウダーラインこれで統一しているみたい。 アウトラインから見ていくと、フリースタ

          【スノーボード通訳】November / C-KENTIAL 156 24-25 レビュー

          【スノーボード通訳】November / Mountain Fox 158 24-25 レビュー

          ものすごくタイミングよく試乗会に遭遇してNovemberの来期ボードに乗ることができました。乗ることができたのはMountain Fox158, C-KENTIAL, ARTISTE 154wの3本。 写真を撮る時間もなく、白馬五竜とおみゲレンデとGoryu Wavesで2本ずつ乗っただけですが、できる限りのアウトプットをしてみました。 まずはMountain Fox 158 パウダー+フリースタイルと伝えたところ、まずは、とこちらを勧められた。 パウダーボード感のある幅広

          【スノーボード通訳】November / Mountain Fox 158 24-25 レビュー

          【スノーボード通訳】Salomon / HPS Taka 158 18-19

          天下のサロモン様のレビュー HPS Taka 中井孝治シグネチャー 1stモデル フレックスについては、一般的には硬い柔らかいで表現される。スペック上での表現ならば、柔らかい部類だが、感覚としては”しなやか”かつ”ハリがある”という表現がしっくりくる。手に取ると感じる感触は、工業製品(プロダクト)というよりは工芸品(クラフト)のような趣きすらある、それはデッキが竹だからというだけではないはず。 セットバックされたインサートホールとキャンバーに目を向けなければ、アウトライン

          【スノーボード通訳】Salomon / HPS Taka 158 18-19

          【スノーボード通訳】THE DAY. HAKUBA / Garagara

          スティープなオープンバーン、八方尾根ガラガラ沢を滑るために設計されたスノーボード。 既視感のあるシェイプ。そう、カップアイスについてくる木のスプーンのような形をしている。 AlpsモデルはこのGaragaraのシェイプを一部継承しているという。 有効エッジは短めで、ワイデストポイントからノーズまでが長く取られている。White Space のMontanoとは逆の発想にも見える。 TDHには珍しい、低めのキャンバー、ノーズテールのキックも抑えられている。 パウダーボードで

          【スノーボード通訳】THE DAY. HAKUBA / Garagara

          【スノーボード通訳】THE DAY. HAKUBA / 稗

          ファースト、ノートラックを滑るため、ターンは捨てたパウダーチョッカリ専用という、突き抜けたボード。まずアウトラインから発せられるオーラというか、面構えが違う。プロダクトとして完成された雰囲気をまとっている。 レングス162cm、ワイドで長いノーズに対して、セットフロント気味に付けられたインサートホール。 テールが絞られたスワローは、表層の雪を引きずることなく、抵抗を最小限に抑えつつ、安定感を保つ。ノーズが浮かないように雪面を抑えつける効果も持っている。 60cmオーバーの

          【スノーボード通訳】THE DAY. HAKUBA / 稗

          【スノーボード通訳】White Space / Montano 152

          Montano 152 ショーンホワイトのブランドWhite Spaceに乗る機会があったため、3日間の短いお付き合いでしたが対話してきました。 マウンテンモデルのMontano 152です。 トップシートにカーボンが使われているとのことで、どことなく高級感のある質感、グラフィックの発色も良い。しかし、同価格帯の高級ボードとは違った、工業製品的な無骨さも感じさせる佇まい。ザ・スノーボード感。 最近流行りの角ばったノーズを持つディレクショナルシェイプ、テール形状はハーフムー

          【スノーボード通訳】White Space / Montano 152

          【スノーボード通訳】THE DAY. HAKUBA / Alps

          昨シーズン、テストライドをしたAlpsモデルが販売開始5分で売り切れ。私も嬉しいので、スノーボード通訳士としてレビュー(言語化)しました。 ショートファットを思わせるアウトラインだが、157cmのレングス。パッと見では、オーバーフローな印象を与えるかもしれない。 ファットなノーズはパウダーを面で抑え、それがターン時の浮力を生み出している。踏み込んだ分、雪面から押し戻される感覚を感じることができる。 緩斜面パウダーでは、テールを踏み込むことでノーズがポップアップし軽快な3次元

          【スノーボード通訳】THE DAY. HAKUBA / Alps