村上 悟(むらかみ さとる)

滋賀県日野町在住。長浜市余呉町出身。NPO碧いびわ湖、しゃくなげ渓ウォーククラブなどで…

村上 悟(むらかみ さとる)

滋賀県日野町在住。長浜市余呉町出身。NPO碧いびわ湖、しゃくなげ渓ウォーククラブなどで活動。すべての人も生き物も、自由で自然であれる世が願い。 https://linktr.ee/solaneko

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  • 流域自治への道@高時川

    琵琶湖・淀川水系の源流、高時川で、2022年8月に洪水が起きました。自身の故郷でもあり、川の治水政策に関与した筆者が、その現地を歩いた経験と、感じたこと、気づいたことを綴ります。

最近の記事

人間がにんげんとして生きられる社会へ

「事実は小説よりも奇なり」 とはよく言ったものだ。 まさにいまの僕は、小説よりも、ドラマや映画のように、ドラマティックな日々を送っている。 これまでやってきたことが、目指す方向に向かって、すべて、カチカチっと音を立ててはまっていく感じがしている。 息着く暇もない。ドラマや映画を見てる暇もない。 ないのだけれど、今の自分の思いを、書き記しておきたい、と思った。 過ぎてしまい、忘れてしまうのがもったいないから。 だからこの一文は、自撮り写真のようなもの。 いま、いくつ

    • 気持ちがごちゃごちゃしたから、マインドマップと非暴力コミュニケーションで描きだしてみた。

      このごろ、気分がすぐれない。 朝、起きられなかったり、気持ちが乗らなかったり。 そこで、自分の気持ちを書き出してみた。 紙に書き出すのは、学生の頃からの習慣。 以前は文字だけで書いてたけれど、5年ほど前からは手描きの「マインドマップ」を使っている。 イラストでイメージを引き出したり、色に気分を乗せたりするから、素直な気持ちが表現しやすい。 まず真ん中に、イメージとタイトルを描く。 それから「申し訳ない気持ち」とか「疲れてる感じ」とか、いくつかの感情を幹にする。 それぞ

      • ぼくの中にある帝国主義をどう解くかーガザ戦闘100日で考えたこと

         10月7日に、ハマスの武装集団がイスラエル領内に進撃し、人々を殺傷したり人質として拉致したことを端に発し、イスラエル軍によるガザ地区への侵攻が始まってから、100日が経過してしまった。  たしかにハマスの武装集団が行ったこと、そして今も行っていることは、人道上も国際法上も、許されない犯罪である。  しかし、その報復、あるいは自衛として始まったイスラエル軍の攻撃により、200万人の人々が、家を破壊され、殺戮に怯えて逃げまどい、寒さと飢えに苦しみ続けている。そして今も、状況はど

        • 災害での断水時に「雨水」が使えるかもしれない

          正月早々、能登半島地震が起きました。 今も多くの方が被災されています(ぼくが大学時代にお世話になった方も)。 被災されている皆様に、心からお見舞い申し上げます。 そして一日も早い生活の復旧をお祈りします。 現在、多くの方がライフラインの断絶でお困りと伺っています。 そのうち「水」について、「雨水」が使える可能性について、情報をお伝えしたいと思います。 ぼくはこれまで、NPO碧いびわ湖での活動を通じ、10年以上、100件以上のお宅の雨水利用のお手伝いをしてきました。 その経

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        • 流域自治への道@高時川
          2本

        記事

          2023年、ありがとうございました。

          今年一年、お世話になったみなさまへ。 一年間、ありがとうございました。 お礼の気持ちも込めて、自分なりにこの一年を振り返ります。 子どもたちの育つ環境を育む 今年は、休眠預金活用事業「あらゆる子どもの育ちを保障する地域総動」の事業統括者 兼 プログラムオフィサーとしての活動に多くのエネルギーを注ぎました。  この事業では、不登校・行きしぶりの子たちとその保護者の方々が孤立を脱し、のびのびと育ち学ぶことのできる環境づくりを、県内6団体への伴走支援を通じて行っています。  

          2023年、ありがとうございました。

          マスメディアでは(あまり)報じられない、ガザ・パレスチナで起きていることを知るための情報源リスト(2023.12.31現在)

           いつもなら、穏やかな気持ちで一年を振り返るはずの今日も、僕の気持ちはざわざわしている。あの10月7日から、ずっとだ。  X(旧Twitter)でガザの情報をフォローして以来、目を覆いたくなるような映像・画像・ニュースが届き続けている。そしてその内容は、日に日に、深刻になっている。もはや「人権」という言葉も虚ろになってしまった。  だけど、この、世界的な危機的状況を共有できている人は身の周りにはとても少ない。ウクライナ侵攻のときと全く違う。きっとそれは、この状況やその背景

          マスメディアでは(あまり)報じられない、ガザ・パレスチナで起きていることを知るための情報源リスト(2023.12.31現在)

          「世界人権デー」を明日に控えても、ぼくらはガザでの蛮行を傍観するしかないのか

          このところ、僕のなかで響き続けている曲がある。 "Open the Window" Rhymester(ライムスター)の楽曲。 ウクライナ侵攻を機に作られたという。 先日、大阪であったライブに、初めて行った。 そしてこの曲の中の歌詞を、めいいっぱいの大声で叫んだ。 「Stop the War! No more War!」 「Stop the War! No more War!」 と。 そして気づいた、 自分はほんとうに望んでいるんだ、 戦争がなくなることを。 国家に

          「世界人権デー」を明日に控えても、ぼくらはガザでの蛮行を傍観するしかないのか

          ある若いアーティストの作品に「乗り合わせた」ことで、気づかせてもらえたこと

           今日ぼくは、とても印象に残るインスタレーション作品に「乗り合わせた」。  作者は、ことし大学に入ったばかりの若いアーティスト。  彼への感謝を込めて、きょう体験したこと、感じたことを、ここに綴る。 8年前の出会い ぼくが「彼」に最初に会ったのは、今から8年前、彼が10歳のときに開催されたアートイベントだった。当時、彼の暮らす東近江市では「妖精の扉」を作って街中に置いていくアート活動が行われていた。その活動に参加した作品が一同に会する展覧会が、彼との出会いだった。  展覧

          ある若いアーティストの作品に「乗り合わせた」ことで、気づかせてもらえたこと

          市民活動やNPOの手本は「きのこ」にあり!? きのこ熱に浮かされている、あるNPO代表者のつぶやき

           この頃、僕は人に会うたび、きのこの話ばかりしている。市民活動やNPOに関わっている人には「”草の根活動”より”菌糸活動”と呼ぶほうがいいんじゃないか」などと、わけのわからないことを言っている。  ほんのこの1ヶ月ほどの間に、僕の中で何が起きたのか。自分自身も忘れてしまうかもしれないから、熱に浮かされている今のうちに、書き留めておこうと思う。  これは自分向けのメモだ。でも、最近きのこに関心がわいたという人にはちょっとした知識や情報源の紹介にもなるかもしれない。また、僕の

          市民活動やNPOの手本は「きのこ」にあり!? きのこ熱に浮かされている、あるNPO代表者のつぶやき

          あの豪雨から一年。滋賀県主催「高時川濁水問題に関する報告会」に参加して(解説・レポート・感想)

           昨年(2022年)の8月4日から5日にかけて高時川源流域で豪雨があった後、高時川では濁水がながらく続いている。この問題について昨日(2023年8月9日)、滋賀県庁主催の「高時川濁水問題に関する報告会」が長浜市高月市所で開催され、出席してきた。  この報告会に至る経緯の整理と、この日の記録、そして今、感じていることを記しておく。 ※引用した発言は、メモと記憶を元にしており、録音からの書き起こしではない。そのため、実際の発言とは仔細は異なっていることを予めお断りする。 この

          あの豪雨から一年。滋賀県主催「高時川濁水問題に関する報告会」に参加して(解説・レポート・感想)

          1971年の岡林信康のライブアルバムにシビれている。

           岡林信康。フォークブームに青春時代を過ごした人々に、知らない人はいないだろう。  1970年代後半生まれで、それほど音楽に強い関心もなかった僕には、あまり馴染みのないミュージシャンだったが、20歳の頃に彼の曲と出会う。  泉谷しげるが歌う「私たちが望むものは」(作詞作曲:岡林信康)だ。「わたしたちが望むものは、生きる苦しみではなく、生きる喜びなのだ」そんな共感を誘うフレーズから始まる曲は、やがて思わぬ展開を見せる。深く考えされ、ずっと心に残っていた。  20数年を経て、最

          1971年の岡林信康のライブアルバムにシビれている。

          周りに気遣いすぎて疲れた僕が、変えること、変えないこと。

          朝、起きられない。 目覚ましが鳴る。止める。でも、まだ寝ていたくて、目を閉じる…。また目覚ましが鳴る。止める。でもまた目を閉じる…。  そんなことを繰り返すような目覚めが、何日か続いている。7時間くらいは寝ているから、時間が短いわけではない。  湿度のせいとか、暑さとか、いろいろ要因はあるのだろう。最近、身体をつかう業務が減り、体力が落ちたことも、一因かもしれない。  でもおそらく、主たる原因は、この春からのいろんな変化だ。  一つは、区(自治会)の区長代理者という役を新

          周りに気遣いすぎて疲れた僕が、変えること、変えないこと。

          環境だとか平和だとか言うけど、要は「おいしい」とか「楽しい」とかを守りたいってことだよな。と、アジフライをつくりながら気づいた日。

          今日の夕飯の、アジフライをつくりながら気づいた。 「あ、僕が守りたいのって、"日々の営み"の豊かさなんだな」って。 普段から僕は、環境とか、平和だとか、子どもの育ちだとか、いわゆる社会問題に向き合ってる。 だけど、その原点は、「おいしい」とか「面白い」とか「楽しい」とか「可笑しい」とか「愛おしい」みたいな、"日々の営み"の豊かさを守りたい、っていうことなんだな、って。 社会を変える、ってことは、目的じゃないよな、って。 "日々の豊かさ”を守る手段なんだ、って。 ち

          環境だとか平和だとか言うけど、要は「おいしい」とか「楽しい」とかを守りたいってことだよな。と、アジフライをつくりながら気づいた日。

          「今年もありがとうございました新聞」2022

           今年はFacebookをあんまり投稿できなかったので、まとめて報告をしようと思い、新聞っぽくまとめてみました。  いい記念になりそうなので、ここにもアップしておきます。  書きかけたマガジン「流域自治への道@高時川」が、止まってしまってるのが心残りだけれど。  ま、来年、ぼちぼちやっていこうと思います。引き続き、よろしくおねがいいたします。

          「今年もありがとうございました新聞」2022

          「人々の生態系を育む」と個人名刺に書いた僕が、子どもたちの育ちと学びに関わる事業を担うにあたって思うこと

           1週間ほど前に、個人の名刺をつくった。noteでも連載をしかけている高時川の洪水を機に、所属する組織としてではなく、個人として社会的な活動を行うことが生じたからだ。  ただ、いざ名刺を作ってみると、名前と連絡先だけでは味気ない。自分を表す一言を右肩に入れたくなった。しばらく考えた末、「人々の生態系を育む」と記した。  このキーワードは、これまでの人生を通じて、自分の中で熟した言葉だと思う。 自然の生態系と、社会の生態系 僕は子どもの頃から、生態学に親しんできた。父とその

          「人々の生態系を育む」と個人名刺に書いた僕が、子どもたちの育ちと学びに関わる事業を担うにあたって思うこと

          痛みをどう分かち合うか?ー霞堤(かすみてい)をめぐってー(上) 流域自治への道@高時川 #001

          < 「流域自治への道@高時川」はじめに・目次 水はただ、自然の摂理にしたがって 僕が初めて、水害の被災地を訪れたのは2004年。福井豪雨のときだった。僕は当時、国土交通省の委員会(淀川水系流域委員会)の委員を務めていた。高時川上流の丹生ダム(にゅうダム)の建設計画をはじめ、琵琶湖の水位調節のあり方、住民と川との関係のあり方など、淀川流域の河川整備に関する幅広い議論をしていた。しかし、水害の現場には立ったことがなかった。だから一度、現場を訪れようと思ったのだ。  水害が起き

          痛みをどう分かち合うか?ー霞堤(かすみてい)をめぐってー(上) 流域自治への道@高時川 #001