5年に及ぶJICAの大学連携事業を終えて
こんにちは。遠藤暁(@str_se)です。
つい先日まで、福岡大学からきた学生短期ボランティアと一緒に活動していました。学生たちと過ごす一ヶ月は本当に充実していましたし、彼らといろんな話をする中でぼく自身にも学びがあったので、本当に楽しかったです。
ここ一ヶ月ほどずっとみんなで活動していたので、いざ自分の任地に戻って一人になるとシンプルに寂しい。
まぁでもこの寂しさもあと3時間くらいすれば消え去るでしょうけどね。
今回のnoteでは、福岡大学とJICAが提携して5年に渡って行なってきたこの「大学連携事業」について、ぼく自身が感じたことなどをまとめたり、この5年間を振り返ってみたいと思います。
✔️一度目は不合格
福岡大学とJICAが提携して大学連携のプロジェクトが始まったのは2016年。
2016年の派遣に向けて2015年の段階で「来年から南米のボリビアでボランティア活動がある」という話が上がりだし、ぼくはすぐに興味を持ちました。
海外で一ヶ月も生活できるなんて最高じゃんという、なんとも適当な動機で応募してみたら、あえなく不合格。
そう、実は大学連携プロジェクト一発目の派遣に、ぼくは行けなかったんです。
不合格通知を受け取った時のぼくの顔はこんな感じでした↓↓
かなりガッカリでしたね。なんか「プロジェクトの最初の派遣」って、カッコいいじゃないですか。
まだだれもやったことがないことをやるわけですし、シンプルに「一番最初」という肩書きがなんとなく好きだった当時のぼくにとって、福岡大学がおこなう大学連携プロジェクトの最初の派遣隊員に入れなかったことはショックでした。
✔️2年目にようやく合格
一年目の不合格にめげることなく、2年目の派遣に向けて再チャレンジ。
2度目にして見事合格。
そういうわけで、2017年の2月に「学生短期ボランティア」として初めてボリビアの地に足を踏み入れました。
シンプルに、諦めずにもう一度応募してみてよかったですね。
そしてこの時の経験が、いまの自分を形成しているといっても過言ではありません。
国際協力に興味を持ち始めたのも
世界に目を向けるようになったのも
困っている人に手を差し伸べていきたいと思ったのも
全部この短期ボランティアがキッカケ。それくらい、自分にとって大きなインパクトを与えたんです。
一ヶ月も海外で生活するなんて初めてで
その中で日本との違いを見て
世界の不平等さも感じて
貧困というのを目の当たりにして
そういったものをリアルに肌感覚で感じていって、自分自身の変化につながっていったんだなと思います。
間違いなく言えることは、この学生短期ボランティアを経験していなかったらぼくが「国際協力」に関心を抱くことはなかったでしょうし、いまは普通のサラリーマンとして働いていたはず。
人生の中でも大きなターニングポイントとなったことは疑いの余地がありません。
この時はサッカー短期隊員は10人で派遣されたから、そりゃぁみんなで一緒にいたら楽しいしワクワクするし、「楽しかった」という思い出が9割。
でもボリビアという南米の中では貧しい国で生活していると、先ほどもいったように、貧困や世界の不平等を目の当たりにする瞬間はあって、違和感を感じて、なにか腑に落ちない感じがして。
日本にいるだけじゃ気づけないことに気がつけて
日本にいるだけじゃ感じられない雰囲気も感じて
自分自身と向き合うキッカケになって
これまでの自分の人生を見つめ直すキッカケなって
世界の中での日本の立ち位置、日本の中での自分の立ち位置、自分と世界の関係や繋がり、そういったものを考えさせてくれたのがこの短期ボランティア。
学生時代にこうした経験ができたのは、本当によかったです。
✔️ボリビアに舞い戻り、4年目と5年目の受け入れ
大学連携3年目の年は、ボリビアではなくエチオピアにJICA短期ボランティアとして派遣されていたので、この年については割愛。大学卒業後は短期ボランティアではなく「長期ボランティア」としてボリビアに戻りました。
短期ボランティアとして活動したときに訪れたサッカーチームの一つが「長期ボランティアを派遣してほしい」と要請を出したので、そこにぼくが応募して派遣されることになったんです。
長期ボランティアとして任地の空港に到着したときに撮った写真。もうこれから1年9ヶ月くらい経ったと思うと、時間の流れの早さにただただビックリ。
そして大学連携事業の4年目と5年目は、日本からやってくる短期ボランティアをボリビアで「受け入れる」立場に。
ぼくにとっては「短期ボランティアとしての活動」が本当に貴重な体験だったから、短期ボランティアを受け入れる立場になった以上、彼らにとっても同じように貴重な経験になるようにしっかりサポートしていこうと決めました。
彼らがここボリビアに来てなにを感じ、どう思ったのか。いろんな話をしたのである程度はわかりますが、でも心の奥底にはまだぼくには話していないことがあるかもしれないし、うまく言葉にできなくて伝えられなかったことがあるかもしれません。
でもみんな「本当に楽しかったです」「貴重な経験になりました」といって日本へ帰っていったので、その言葉を聞けただけでもうれしかったですね。
短期ボランティアとしてボリビアに来たことをキッカケに、彼らも自分自身や世界ととことん向き合って、自分なりにいろんなことを考えてほしいです。
今年に短期ボランティアとして派遣された学生のうち3人が、ボリビアで感じたことなどをnoteに書いています。ぜひ一度読んでみてください。
実際に短期ボランティアとしてボリビアで一ヶ月活動した彼らがどんなことを感じ、何を思ったのかを知るにはうってつけです。
✔️ありがとう、大学連携事業
2016年に始まった福岡大学とJICAの大学連携事業も、2020年である今年で一度区切りをつけます。ここまで5年間継続してやってきて、その成果を一度まとめることが必要。
もしかしたらこの大学連携プロジェクトは今後も継続されるかもしれませんし、これにて終わりになるかもしれない。その最終的な判断は、JICA本部、JICAボリビア、福岡大学の間で話し合いをして決まること。
個人的な意見を言えば、当たり前ですけど今後も継続してほしいです。
短期ボランティアが活動したボリビアのサッカーチームや小学校は、いつも「次はいつくるの?」「来年もきてくれるの?」と聞いてきます。
ボリビアの人たちにとって、遠く離れた日本からボランティアがきて一緒に活動する機会なんてなかなかないので、現地のひとたちにとっても貴重な体験になっているはず。
もちろん、そういった「人の気持ち」だけではく、具体的にどんな成果や結果が得られたのかをハッキリさせていくことも大切。
でもぼくが感じているのは、ボリビアのひとたちは間違いなく短期ボランティアの活動を「受け入れてくれている」し、「喜んでくれている」ということ。
そしてなんといっても、現地のひとたちだけでなく、実際に短期ボランティアとしてボリビアにくる学生たちにとってかけがえのない経験になるんです。
ぼく自身がそうであったように、日本から飛び出して一ヶ月海外で生活するというのは、本当に刺激になるし視野を広げられる。
学生が世界と向き合うキッカケとして
世界に目を向けるキッカケとして
違いや多様性を受け入れる人間になるために
大学連携短期ボランティア事業は本当に価値があると感じるんです。
このプロジェクトが継続していくかどうかはぼくが決められることではありませんが、ぼくの意見や考えはしっかりJICA側に伝えておきます。
今後も継続されていくことを願い、ぼく自身の人生を大きく変えてくれたこの大学連携事業に感謝して、このnoteを締め括ります。
ありがとうございました!
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