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モダンタイムス

こんにちは。

本日は曇りでしたが、雨が降ってきましたね。
これから外に出るので、どうなることやら。


伊坂幸太郎さんの小説が大好きです。

小説家の中ではダントツで、大学の時から読んでいます。

一時期、ビジネスが忙しすぎて、小説を読む余裕も時間もなかったのですが、

ここ最近、何冊も、読み直したり、新しく買ってます。

ハリウッドで映画化されることが決まった、
「マリアビートル」

少年への復讐のために、新幹線に乗った主人公が、複数の殺し屋と新幹線内で出会うことにより、ストーリーが思わぬ展開になっていく話です。

この作品は、ラストが秀逸すぎて、特に好きな作品です。

殺し屋のキャラクターもとても魅力的で、前作から出ている人もいたり、

飽きさせません。

また、伊坂作品の真骨頂の伏線の張り方も見事です。

伊坂作品で、一番好きなのが、「魔王」シリーズ。

魔王、呼吸の二つが収録されている本と、

その続編のモダンタイムズ、上下巻。

単行本で400ページ以上の分厚い本でしたが、昨日読み終わり、

大満足に浸っています。

魔王シリーズの主人公は、ある超能力をつかえ、それは一見大したことない能力だが、

「考えろ、考えろ、マグガイバー」と主人公が昔好きだったアニメのキャラクターのセリフから、

思考することにより、その能力をどう活かしていくか。

このシリーズは、大きなシステムに、人はどう立ち向かえるのか。

と言うのがベースのストーリーだと思います。

日本人の周りに合わせる、そして、それを利用されていることで、

政治家や権力者が甘い蜜を吸い、コントロールし、搾取する。

そこに気づき出した人たちが、どう動くのか。

私自身、すごく興味深いテーマで、

会社員時代、あぁ、歯車の一員だな、と良い意味でも悪い意味でも思いました。

良い意味は、社会というものの一員として、会社に所属できたことで認められたこと。

このなんとも言えない安心感。他と同じであるという何かに守られた気持ちは、不思議でした。

悪い意味は、自分でなくても、代えはいくらでも効くし、大きくシステムそのものを変えるには、あまりに時間がないこと。

黙って従うことが善になってしまう危機感がありました。

魔王から、呼吸、そしてモダンタイムスと、主人公は全て変わっていきますが、

ストーリーは続いていきます。

マリアビートルの時のような、伏線の張り方、ラストの爽快さには欠けます。

が、小説を通して、伊坂さんが伝えたいメッセージが、見えてきたこと、

これがすごく価値あることだなと思います。

小説というものの可能性、そして、自由さに、とても惹かれました。

今のこの情報化社会、そして一人ひとりが発言を世界にできる今だからこそ、

この小説のメッセージが多くの人に届くといいなと思います。

また、伊坂さんのSE時代にの経験が大きく活きている作品で、自分の経験を作品に入れられるなんて、素晴らしいことだなと思いました。

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