スクリーンショット_2019-02-11_13

激烈な腰痛がたった半日で治った話


そこそこ長く、腰痛と闘ってきたボクではあるが、今回の経験は実に印象的だった。

そうか、腰痛の原因は「筋膜の癒着(トリガーポイント)」だったのか。。。

もう(個人的には)原因をそう決めつけちゃいたくなるくらい、今回は劇的によくなった。激烈な急性腰痛が1時間でほぼ改善し、半日後に痛みがゼロになった。

今回はそのお話。
最後の方に、NHK「ためしてガッテン」での「筋膜特集」にもリンクしているので、そこも読んでみてほしい。

注:
ちなみに「ボクは症状が劇的に改善した」というだけなので、そこはご注意ください。個人差もあるし、すべての腰痛や、肩や首の痛みなどが改善するわけでもないと思います。特に、慢性の痛みは、一度の鍼で治るのは難しいと思いますので、ご注意ください。

また、友人の西洋医学の先生によると、腰部の痛みは、解離性大動脈瘤、急性膵炎、尿管結石、病的腰椎骨折(悪性腫瘍、結核など)、腰部急性硬膜外血腫、腸腰筋膿瘍など、代表的な疾患だけでもこれくらいの可能性があるそうです。いずれも治療が遅れれば大変なことになる疾患だそうです。
なので、本当にひどい場合は、いろいろな可能性を探ってください。


ということを前提に・・・先週の話。



久しぶりにヤツが来た。

「いっ!」

そのころはまだ良かった。
まだ歩けるレベルの腰痛だった。
いつもは5分で歩けるところを15分くらいかければ、なんとか歩けた。


でも、どんどん症状は悪化し、最終的にはベッドから一歩も動けなくなった。

いや、動くどころではない。寝返り打つのに3分くらいかかる。
ベッドから降りてなんとか立ち上がるのに1時間くらいかかる。

わりと腰痛経験は多いボクではあったが、ここまで酷いのは初めてかもしれない。

もしヘルニアなら安静が絶対必要だ。
ただ、そうかどうかも含めて病院に行かないと埒あかない。

ずっとこうしていても仕方ないので、病院に行くべく、ロキソニン(鎮痛剤)を飲んだ。

でも、まったく痛みが治まらない。痛さは増すばかりである。

facebookにはその痛さも含めて悲鳴のような投稿をいくつかしていたのだが、ロキソニンを飲んでも動きが取れず、困り果てて書いた投稿が以下。

整形外科か鍼かに行かなきゃ、と思ってロキソニンを一錠飲んだのだけど全く痛みおさまらず、どこにも行けない。

激痛の中、1時間くらいかけてベッドから降り(立てたよ母さん!)、決死の努力でトイレに行ったんだけど、帰途で動けなくなり進退窮まる。 

だんだん貧血になってくる。このまま廊下に崩れ落ちるのか、いや、崩れ落ちるのも激痛を伴うだろう、同じ激痛なら前にススメ!と、ギャーッて声出しながら秒速5センチメートルでなんとかベッドに戻る。

着いたーっ!と達成感いっぱいに倒れこみたいが倒れこめない。
じわりじわりとなんとかベッドに座って、遠吠えのような悲鳴をあげながら身体を倒す。もう二度と起き上がれる自信なし。気力体力使い果たした。

神よ、トイレがものすごく遠い体質を感謝します。水分を多く取らなければ明日の朝までは行かずに済む。

それはそれとして皆さん。 
鎮痛剤が効かない場合、一体どうしたらいいんですかね。。。医者に行くどころか、玄関越えすら八甲田山だ。

とにかく安静にしていれば多少は良くなってくるのかな。。。(というか、今晩大切なイベントがあるんだけど、どうすればいいんだ? ロキソニンを多めにとる?)


投稿を見て、優しい方々がたくさんのサジェスチョンをくれた。

その中で、いち早く、「ここに行ってください!」と、ある鍼灸院の場所をDMしてくれた人がいた。友人のJリーグ関係者である。

あー、ありがとう。でも動けないんだよ、と返事しようとしたら、すぐに次のDM。

「Jリーガーたちも駆け込む鍼灸院です。巨匠がいます。さとなおさんの家からそんなに遠くない場所です。 16時で巨匠の予約とれました!」

と、と、とれました???
いや、ご厚意はありがたいのだけど、1ミリも動けないのだよ・・・

とはいえ、こうしていても仕方がない。
いいきっかけを無理矢理くれた、と思い、彼を信じてそこに行くことにした。

その鍼灸院に辿り着くためにロキソニンを追加で二錠服用し(決してマネしないでください)、アプリでタクシーを呼ぶ。

今回もほとんど効いた気はしなかった(ロキソニンよマジか!)

でも、根性でなんとかした。

激痛に顔をゆがめながらなんとかベッドから起き上がり、ヒーヒー言いながら玄関に行き、タクシーの運転手さんに手伝ってもらいながら腰を曲げて(ギャー)乗りこんで、少しの揺れにもヒーハーと叫びながら、憤死一秒前になんとか鍼灸院に辿り着いた。のである。



巨匠の名前は、小池謙雅先生。
意外にもまだお若く、福々しい。
あとで知ったが、鹿島アントラーズのチーフトレーナーだったらしい。

「お話、伺ってます。フェイスブックも読みました。大変ですね。とにかくやってみましょう。とりあえずベッドに座ってください」

座る?
そ、そうだよね、まずは座らないとね・・・
でも、タクシー座席からやっと立って降りたのに、またあの痛みに堪えながら座るのかー・・・

必死の勇気でなんとか座る。
グ、ギ、グガガガガ!!!! イ、イ、イタスギル・・・(泣)

そしたら先生、何の前触れもなく、すっとボクの前にしゃがみ、両足の膝周りに数カ所、ツツツと鍼(はり)を打ち、すぐ抜いた。

「はい、たぶんもう立てますよ」
「・・・!」

・・・半信半疑、体を前に倒し、体重を足にかけてコワゴワ立ってみる。

た、立てた(あっさり)。

どゆこと? まだ着いて数分なのに。

でも、急に血流が起こったのか、貧血になった。
先生に手伝ってもらってベッドに横になり、数分寝る。「よくあることですよー」と先生。

「今日は全部は治しません。急に治すのよくないです。10の痛みが3になればいいなと思います。では続けましょう」

立てたと言えども、まだ腰は痛い。
今度はベッドに横になって、足を中心に、お尻や肩や首や脇腹とかにも鍼を打っていく。

腰は打たない。
足とか股関節とか肩とか首。そういう場所に打っていく。

結局、腰は最後に2カ所ササッと打っただけ。

鍼に少し怖いイメージあったけど、「心を開いてください。ラクにラクに。脳が思い込みで効果をブロックしないように」と言われ続け、心をなるべく開放。

たまに痛いけど、ほとんど痛くない鍼治療。一瞬刺したらすぐ抜くタイプ(刺しっぱなしにしない)。


で、たった1時間後だ。

なんと、普通に立てて、普通に歩けて、少しぎこちないけどカラダもひねれるようになった。

腰に違和感が少し残るけど、普通の生活が出来るレベルになった。

あんなに痛かったのに・・・魔法か。

まぁ10の痛みが3になった感じなので、まだ3くらいは痛い。でも、1ミリ動かしたらギャー、ってな強烈な感じは完全に消え去った。

というか、終わってからひとりでパンツをはけた。1時間前には考えられないこと。

いったい、どういうことだろう・・・いや、ホント、魔法みたいだ・・・

終わってから記念写真。
左が小池先生。
背景に、内田とか柴崎とか小笠原とかJリーガーたちのユニフォームが飾ってある。通っているらしい。

画像1


とはいえ、家に帰ってからもまだ半信半疑だった。

一晩たったら戻っちゃうんじゃないかなぁ、ロキソニンが効いていただけかもしれないなぁ、揺り戻し(揉み返し)が来るんじゃないかなぁ、と、どこかでまだ疑心暗鬼だった。

ところが!
翌朝は、むしろ昨日より快調だったのである! 

なんだこれ・・・

昨日は「10の痛みが3になった」感じだったけど、今朝は「10の痛みがゼロになった」感じ。

というか、なんと、普通に前屈が出来る! ナ ン ダ コ レ !

すごいなぁ。
たぶんこのまますぐにゴルフ行けるわ(行かんけど)。

それから夕方まで仕事したりなんだりして過ごしたが、快調だった。

治療をうけたのが前日の17時で、翌日の朝の時点で痛みゼロだから、たった半日で腰痛が解消されたことになる。

あんだけ激烈な急性腰痛が、たった半日で「痛みゼロ」。
正直、腰痛前より調子がいい。

いや、こりゃまいった・・・。



翌日も予約していたので、小池先生に「治ったメカニズム」を詳細に聞けた。
それを以下に共有しようと思う。


つまりはどうも、「一般的な鍼のイメージとは違う」ようである。

一般的には、ツボに刺してそのまま放っておくのが鍼治療だ。
でも、これは刺しっぱなし(置き鍼)しない。ツボだけに刺すということもない。患部だけに刺すということもない。短い針をポイントにススッと刺してすぐ抜いて終わり。

というか、そもそも腰痛を「腰の炎症と捉えてない」んですね。

「筋膜の癒着」をその原因の大半と捉え、くっついていた癒着ポイント(トリガーポイント)を鍼で破壊することで血流を戻し、筋膜のつっぱりをとる、という考え方。


筋膜・・・。

そういえば「筋膜リリース」という言葉はわりと聞く。

知らなかったんだけど、鶏肉の皮を剥ぐと、皮と肉の間にある一枚ある透明なシート。あれが「筋膜」らしい(以下の写真は鍼灸院にあったファイルを撮ったもの)。

画像2


で、この筋膜、全身の筋肉を覆っている
下の写真のように、全身タイツを着ている状態に近いらしい。

このタイツの、たとえば膝の部分が、ストレスや長時間の同一姿勢、スポーツの反復動作などで「癒着して固まっている」とする。

そうすると、全身タイツを着ているボクは、とても動きにくくなるわけです。

画像3


癒着部分に、太ももが引っ張られ、お尻が引っ張られ、腸腰筋が引っ張られ、という風に連鎖していく。

そうして腰に少しずつ無理がかかり、筋肉や神経も圧迫し、それらが重なって痛みが起こる、というメカニズムらしい。

その癒着ポイント(トリガーポイント)が、膝だけでなく、肩、首、お尻などにも出来ていると、腰は複雑に引っ張られるから、もっと痛くなる、ということだ。

肩や首などの筋肉の痛みも、同じことらしい。

しかも、この筋膜には「痛みを感じる受容体がびっしり存在している」らしい。そりゃつっぱると痛いわ。

画像4


で、その癒着のトリガーポイントは、とても小さいよじれみたいだそうである。

そこを鍼で破壊すると、血流が改善し、つっぱりも取れる。

・・・なるほど、だからか。
診療の最初の5分で、膝の数カ所に鍼を刺すだけで立ち上がれたのは。

膝の筋膜癒着ポイント(トリガーポイント)を軽く破壊して開放することで、タイツのつっぱりが一部解消されたからか。

はやりの「筋膜リリース」における「ストレッチやマッサージなどによるリリース」ではなく、「鍼による破壊」。

そう聞くと痛そうだけど、ほぼ無痛だった(ボクは)

「鍼による筋膜のトリガーポイントの破壊」で、より即効性を目指している感じ(もちろん破壊後は自己治癒力によって正常に修復される)。

そういえば、お店の名前は「トリガー鍼灸」だ。

なるほどー、だから、そういう店名なのかー。

小池先生曰く、「トリガーポイント理論を私なりに解釈し、スポーツの現場で活用してきた「即効性ある治療法」をこの治療院で再現し、患者さんの人生の転機(トリガー)になりたいと思って名付けました」とのこと。


世の中には西洋医学もあり、ツボ鍼灸もあり、整体や推掌や足ツボもあり、マッサージや電気治療などもあり、どれもちゃんと効果はあると思う。

なので、この筋膜癒着の考え方がベストなんて言う気はさらさらないし、人によっては憤慨モノかもしれない。

ただですね、人生初くらいな激烈な急性腰痛が短時間で魔法のように治ったという経験からして、少なくとも佐藤個人においては、これは信じざるを得ない。

読んでいる方の「カラダに関する考え方」や「治療に対する考え方」と違っていたらすいません。

とりあえずボクは、この「トリガー鍼灸」に通って、筋膜を元の状態に戻していこうと思います。

なお、ボクのfacebookへの投稿をきっかけにトリガー鍼灸に行って「重度な肩こり」が治った、とか、「慢性の腰痛がとても楽になった」という note もあります。↓


くわえて、ボクが「トリガー鍼灸」に行った翌週、NHK「ためしてガッテン」で、なんと腰痛の原因として「筋膜」が取り上げられました。

とてもわかりやすく、筋膜の「しわ(=トリガーポイント)」による痛みを分析しています。
ほぼ、小池先生が説明してくれたのと同じ理屈。やっぱり「筋膜」だったのね・・・妙に納得した。



ちなみに、「トリガー鍼灸」は大井町店と学芸大学店と鹿島店があります。

小池先生はそれらのお店を周回しているようですが、小池先生以外にももちろん数人のスタッフの方がいます。

小池先生がきちんと育てている優秀なスタッフばかり、ということで、小池先生がいなくても、興味ある方はぜひ、診てもらってください(小池先生の場合、指名料がかかります)。

★ トリガー鍼灸・整骨院
品川区東大井5-8-10/03-6433-2619


★ トリガー鍼灸・整体院
目黒区鷹番2-8-22/03-4296-5085


★ トリガー鍼灸・マッサージ院
茨城県鹿嶋市神向寺後山26-2カシマスタジアム敷地内6ゲート横/0299-87-5589




こういうところに共有しちゃうと混んじゃうじゃないか、と思う常連さんもいるかもしれませんが、小池先生は「むしろ広めてください」ということなので、共有しました。
小池先生としては、たぶんこの治療法を広めたいのだと思います。

ボクは効いたけど、ヒトに寄ると思うので、ご自分の判断で行ってくださいね。


いいなと思ったら応援しよう!

さとなお(佐藤尚之)
古めの喫茶店(ただし禁煙)で文章を書くのが好きです。いただいたサポートは美味しいコーヒー代に使わせていただき、ゆっくりと文章を練りたいと思います。ありがとうございます。