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Day259:『最強の集中力』ー本当にやりたいことに没頭する技術

【本について】
タイトル:最強の集中力

著者:ニール・イヤーwith ジュリーリー 出版社:日経BP

Q.なぜ私たちは集中できないのか?
A. スマホやSNSが全てではなく、多くの原因は、私たちの内面にある。

注意散漫につながる不快な感情、体の痛みと苦悩が消える衝動

「誘因」「仕事」「自分の性格」について見方と取り組みを変えることで集中できるようになる

ゴール:真の行動動機を確かめて集中力を取り戻す

【WHAT】集中力を阻害する原因

●注意散漫

注意散漫の代償は、注意力の欠如。気を散らす原因は、実はスマホやSNSではない。例えば、階段の登りすぎは歩数計のせいだけじゃない。私たちは、目標達成を妨げる根本の原因と向き合わない限り、注意散漫は治らない。

集中力と注意散漫は対極にあり、どちらも「内部要因」と「外部要因」が引き金になる

●説得メソッド「B=MIT」

行動を起こすには、動機、能力、誘因が必要(フォグの行動モデル)誘因がなければ行動は起きない
M:Motivation
A:Abilitiy
T:Trigger

●3つの注意散漫の元凶

1、大量の情報

2、スピーディーな伝達

3、どこにいても新しい情報が得られる

●気を散らす敵を撃退させるには

4つの重要な戦略ー4段階の「集中モデル」

1、内部誘因をコントロールする

2、集中するための時間をつくる

3、外部要因にハックバックする

4、プリコミットメントで注意散漫を防ぐ

【WHY】なぜ、集中力を取り戻す必要があるか

●私たちの集中力は、テクノロジにー操られている

テクノロジーの恩恵を受けている部分もあるが、テクノロジーをうまく付き合う方法を知って、実践しなければ、脳はハイジャックされる。注意散漫をうまくコントロールするのは急務。

●人と過ごしているときに、他のことに心を奪われる
(大切なものを大切にできない)


●集中力を取り戻すために、オンライン・テクノロジーを排除するだけでは効果がない


●大人が目先のものに心を奪われていたら、子供に手本を見せられない

●大半の人は気晴らしが現実からの不健全な逃避だという不愉快な事実を認めたがらない。何かに健全に集中できるか、それとも、自分を欺く気晴らしに走るかが決まる。人によっては、ソーシャルメディアをチェックすることやテレビをみることが逃げ場になる

【HOW】4つのステップ

●内部誘因をコントロールする

私たちは、自分では快楽を追い求めていると思うときでさえ、渇望の痛みから解放されたいという欲求に突き動かされている。私たちが、その注意散漫の原因だと思っているものは、表面的な原因にすぎず、本当の原因はもっと深いところに潜んでいる。

●表面的原因:テレビ、ジャンクフード、ソーシャルメディア、タバコ、テレビゲーム

痛みを理解してはじめて、それをコントロールして、マイナスの衝動に、より適切に対処できるようになる。

あらゆる動機は、不快なことから逃れたいという欲求から生まれる。ある行動が安心をもたらすことを知ると、それを苦痛から逃れるツールとして使い続けてしまう。依存は抑制できる。ある行動に駆り立てるものの正体がわかれば、依存はコントロールできる。

ー幸福感を一時的にする4つの心理状態ー

1、退屈:人は退屈を避けるために行動する

2、ネガティブ・バイアス:人はネガティブな出来事に敏感で、より注意を受けやすい

3、反芻思考:人はネガティブなことを考え続ける傾向にある

4、快楽順応:何か良いことが起きても幸福感は長続きしない(ずっと求め続けてしまう)

●集中するための時間を作る

ー価値観を時間に変える

集中は、人生の目標へ私たちを向かわせるが、注意散漫は、目標から遠ざける。

人は、手取り早く苦痛を和らげる方法を探すことに走りやすい。

まずは、自分の時間がどんな形で盗まれているか考える。

また、TODOリストを作るときには、「何をしたいか」ではなく、「なぜしたいか」について考える。

価値観をガイドラインにする。

(価値観とは、目指す人格の特性)

自分の価値観を時間に変換することで、集中するための時間を確保することができる

ー価値観の3つの領域

「仕事」「人間関係」「自分」

3つの領域は、私たちがどこで自分の時間を使うか、なりたい自分になるために日々の計画をどう立てれば良いかについて、考える方法をくれる。

ータイムボクシング

「実行意図の設定」何を、いつするかの決定

これにより、各領域で集中するための時間を作ることができる

●外部誘因をハックバックする

”ソーシャルメディアは、人間の行動を操作するようにできている”
(Facebookの初代社長ショーン・パーカー)

今日、注意散漫との戦いの大半は、外部誘因との戦い。

失われた時間を埋め合わせるために仕事のスピードを上げようとするが、それが更なるストレスとフラストレーションにつながることがわかっている。脳は、外部誘因に反応すればするほど、終わりのない「刺激ー反応」ループに慣れていく。

ースマホの通知に気づきながら無視する

通知に気づいていながら無視すると、反応するのと同じくらい注意散漫になる。

スマホが存在するだけで「頭脳流出」につながる恐れがある。
(テキサス大学で行われた研究論文)

スマホが視野にあるだけで、脳はそれを無視するために懸命に働かなくてはいけない。ただ、外部誘因が全て悪いわけではない。

励ましのメッセージなど、プラスになることもある。

大切なことは、この誘因は自分のためになっているか考えること。

ー仕事を妨害する誘因の種類

  • 仕事を妨害する誘因にハックバック

  • 電子メールにハックバック

  • グループチャットにハックバック

  • 会議にハックバック

  • スマホにハックバック

  • デスクトップにハックバック

  • オンライン記事にハックバック

  • ニュースフィードにハックバック

●プリコミットメントで注意散漫を防ぐ

集中するには、気を散らす要素を遠ざけるだけでなく、自分をつなぎ止めておく必要がある。

内部誘因をコントロールし、集中するための時間を作り、外部要因にハックバックした上で、自分の気を散らす何かに引き込まれないように対策をとる。そのための方法が「プリコミットメント」

ーコミットメント(例)

努力契約

プライス契約

アイデンティティー契約

【HOW】今すぐできる具体的な方法(例)

●結果ではなくインプットを管理する


自分でコントロールできない結果を心配するより、自分にできるインプットに注目する。

自分を大切にしなければ、人間関係は損なわれる。運動、睡眠、健康的な食事、読書やオーディオブックを聴くことは全て自分への投資をする。自分の領域で、価値観通りに生きる時間を確保できれば、理想とする生き方を具体的に思い描けるようになる。

●機能不全の社風こそが真の原因

遮断の時間を全員が確保できるようにする

ー心理的安全性(エイミー・エドモンドソン)

世の中は、常にオンであることを社員に求める理不尽な文化が多くの会社に蔓延している。

チームに誰がいるかより、チームのメンバーがどのようにお互いに関わり合い、チームの仕事を組み立て、その貢献に空いて検討するかということの方がはるかに重要。(Googleの取り組み)

心理的安全性の高いチームに所属する人は、職場を離れる可能性が低い。

チームの中で、自分の考え、疑問、懸念、誤りを口に出しても罰を受けたり、恥をかいたりすることはないと信じられる状態を作る。これは、うつ病を誘発する職場環境に対処する手段になる。

【WHAT IF】

「せっせと働いて家に帰ろう」(Slackのモットー)

Slackのオフィスは午後6時半までにほぼ空っぽ

社員に集中する自由を与えている

Slackは、2015年に「カンパニー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれている。また、企業評価サイト「グラスドア」では、BCGとSlackは、過去9年間のうち8回「最高の職場」ベストテンに入っているて、社員の95%が友人に会社を勧めると答えている。

【響いた言葉】

  • 注意散漫にならないことは、やると行ったことを実行しようと努力すること

  • 愛する人のためには、残った時間を使うだけではとても足りない

  • 注意散漫でない人は、他者に対しても自分に対しても誠実

  • 苦痛を和らげたいという衝動が、行動の根本的な原因であり、他の全ては表面的な原因

  • もっとも貴重な財産であるはずの時間は無防備で、盗まれるをただ待っている

  • セキュリティーシステムを駆使して財産を守ろうとするが、時間を守ための努力はほとんどしていない

  • あなたがその時間に何をしたかはそれほど問題ではない。肝心なのは、計画したことを実行できたかどうか

  • 時間を計画通りに使っていなければ、脱線しているといっていい

【学び】

大切なことを大切にするために「集中力」を取り戻す

時間管理は苦痛の管理

時間管理は、不快なことへの対処法を身につけること

注意散漫は時間を浪費させる

【アクション】

Slackコミュニケーション時間を制限する

巻末の「読書会のためのディスカッションガイド」を使って、コミュニティでディスカッションする


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