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Day245:『顧客体験マーケティング』ー天才ではなくても売れる商品は作れる

【本について】
タイトル「顧客体験マーケティング」

著者:村山幹朗・芹澤連 出版社:インプレス

Q. 「売れる」を再現するには?

A. 「顧客体験マーケティング」を実践すること

顧客を理解し、成果に繋げる再現性のある仕組みを持つこと

変化の視点を持って、顧客を理解し、ビジネスの要件に変換すること(顧客の変化を知り、それに合わせて戦略や施策を変化させていく)


【WHY】問題提起


■「顧客視点とは?」「顧客理解とは?」
顧客と向き合うことが大事という言葉だけ独り歩きして、「顧客の理解を成果につなげる」ことができていない。

■顧客の生活は新型コロナウイルスやDXで大きく変化している

■力業でヒットを連発するのは難しい

■マーケティングを属人性に頼ることはリスクが大きい

(向き合う姿勢があっても、全員が全員気づきを得られるわけではないし、良いアイデアを導き出せるわけではない)

■新寄性、面白さ先行で顧客が不在であることが多い

■「データ」は、顧客体験がどうあるべきかという”解くべき問題”を教えてはくれない

デジタルは、顧客体験を捉えているか?解決すべき問題が、プラットフォームの外にある場合、手詰まりになる。データは、コンテンツ自体を生成するわけではないし、ブランドが語るべきストーリーを考えてくれない

■具体的に顧客体験をどう捉えて、施策に落とし込み実行して成果に繋げるかという方法論がない

【WHAT】「顧客体験マーケティング」

■顧客体験マーケティングとは

・顧客の理解をビジネスの成果に繋げること

・ブランドが目指す顧客体験を実現すること

・顧客を理解することで、”ビジネス側の変化を生み出すこと”

・「何をどう変えるべきか」から「どうしたらブランドを価値に変えられるか」という視点で行う

・顧客と正しく向き合い、顧客の変化を理解する、そこからあるべき顧客体験を設計し施策に落とし込むマーケティング

・顧客の行動をデジタル計測してマーケティングに生かすという考え方ではなく、「そもそもブランが提供すべき顧客体験は何か?」「どうしたら実現できるのか?」という考え方

※「顧客の理解」とは、顧客の現状を理解することではなく、顧客の「変化」を理解すること。顧客の変化を理解して、戦略や施策を変化させる。


■なぜ、顧客体験マーケティングが必要なのか

・「顧客の声を拾う」という従来の方法では、”今”しか見えない


【HOW】

■顧客体験の設計

顧客に寄り添う”スタンス”ではなく”スキル”(仕組み)

・データが生まれた背景から企画する

・ブランドが起こすべき変化を、顧客の変化から逆算する

・顧客体験を軸とした戦略立案、ターゲット設定、施策の企画

クリエイティブやコンテンツ開発、効果測定の実践テストする

⇄データドリブン、データに基づいた戦略、データからアイデアを生む:データが企画の材料 ※データは”結果の記述”


■「顧客体験マーケティング」の「企画」

データを結果として捉え、データを生みだしている”原因”や”プロセス”を逆算して、その因果に乗じて起こしたい変化を狙って起こす企て(材料は”予測”)

原因と結果のルールを捉えることができれば、ルールを逆手にとり、現状認識や行動を変える企画ができる

■アクセプターモデルで「ブランドが受け入れられるプロセス」と「価値が成立する条件」を理解する

・アクセプターモデルとは

ブランドを価値として成立させた変化を顧客体験から抽出して、より多くの顧客に向けた施策として再現することができるモデル
(ブランドが顧客に価値として受け入れられるプロセス)

アクセプターモデルの4つのフェーズ
「現状体験」<「課題感の発生」<「受容価値」<「生活変化」

1人の生活者が「顧客」に変わるプロセス「真実の瞬間」に注目する。
”生活文脈✖️ブランド”がマッチしたとき、購買につながっていく。

「何がどう変わったから購買したのか?」
「購買してもらうためには何をどう変えるべきか?」
「顧客の認識がどう変化したから価値になったのか?」


*実在する顧客の体験から学ぶことが重要

アクセプターモデルと使うと、逆算できる

⇄「ペルソナ」「カスタマージャーニー」は、現実にいない人で想定するため、弱い。顧客像ではなく、顧客にとってブランドが価値になる「理由」「条件」が見えない。

●「現状体験」フェーズ

顧客は現状の体験を当たり前と思っていて、特に問題意識があるわけではない。現状体験に対する新しい視点や捉え方が広告などを通して提案される(※理想や規範は生活者の自分ごとになっていない)

●「課題感の発生」フェーズ

当たり前と思ってきたことが当たり前ではなくなることで、現状の体験に課題感が発生、現状の体験の価値を再認識する。(※差分の認識)

●「受容価値」フェーズ

発生した課題もしくは再認識された価値とブランドの便益が整合することで、顧客にとっての価値が成立する。

●「生活変化」フェーズ

購買後の生活が顧客の理想や規範に近い体験へと変化することで、「この体験が得られるのはこのブランドだけ」という体験とブランドの同一化が起きる。


■アクセプターモデルが”価値”として成立するプロセス

・現状の体験から購買後の生活変化に至るまで、認識や行動の連続的な変化が1つの物語として浮かぶ

・マーケティングコミュニケーションとアクセプターモデル
●2つのストーリー構成

①課題解決型ストーリー(主に機能性商材のプロモーション)
機能、使い方、解決法、リスク、イメージなどの外的刺激を軸に「現状体験」「価値の再認識」を描くことで、顧客の課題感を更新または再定義して、ブランドが価値として成立する文脈を作り出す
→現状が課題化

②イメージ形成型ストーリー(ブランドの好意形成、中長期的な企業価値向上のためのブランディング)
今まで当たり前と認識されてきたことに対して異なる解釈を与えて、「価値でない現状」と「価値として描かれている提案」の間に認識の差分を作り出す
→現状が価値あるものとして再認識される

ブランドを価値として成立させるために、「顧客体験の観察とデータ化」が必要になる。

「ナラティブ分析」をして顧客体験を観察すること

「ナラティブ」からストーリーを生み出す

というプロセスが、必要になる。

【響いたメッセージ】

■「考える」に出口を用意して、アウトプットを生み出す道筋を与える。

■ビジネスの成功則は私たちの頭の中や過去事例にはなく、デジタル中心の世界の価値を当たり前に享受して生きている生活者から学ぶしかない。

■ブランドが価値として成立する体験は、顧客から学ぶことができる。

■過去を夢想することではなく、明日を拓くための道具を手に取り、使うこと。

【学び】

「変化」に視点を置き、マーケティングを実践すること

【アクション】

早速、「アクセプターモデル」に沿って、ストーリーを考えてみる


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