さとフィス

三児の父です。 4歳、2歳、0歳、全員男児! 三男はダウン症と診断されました。 自身の…

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三児の父です。 4歳、2歳、0歳、全員男児! 三男はダウン症と診断されました。 自身の備忘録として、また誰かの共感になるかもしれないと考え、心の記録を書き残すことにしました。 他に育児や家庭のことなども書こうかな。

マガジン

  • わが子がダウン症だった(6話完結)

    令和5年8月に産まれた三男がダウン症と診断されました。 産まれるまで誰にも分かりませんでした。 生後3日後、医師からダウン症と告げられてからの心の記録です。 自分の備忘録として、そして誰かの共感になればと思います。

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①わが子がダウン症だった(宣告編)

令和5年8月某日、我が家の第三子が産声をあげた。 体重2300gの小さめに産まれた男児は、分娩直後すぐさまNICU(新生児集中治療室)に入院することになった。 朝6時頃の出来事だった。 私は上の子2人の面倒を見ないといけないので、出産に立ち会うことは出来ず、赤ちゃんと初対面したのは昼前くらいだったと思う。 生後数時間の赤ちゃんは保育器に入れられていた。 象の鼻を機械化したみたいな呼吸器が装着され、点滴用の管が細い腕に刺されていた。 見ているだけで痛々しくて、可愛いよりも

    • ダウン症のわが子、ハーフバースデーを迎える

      ダウン症をもつ三男がうまれてからあっという間に半年が経過してしまった。 なんと日常がせわしなく回ることだろう。 ハムスターよろしく、忙しなく回し車をカラッカラだ。 そんな日々をぶっ通しているとnoteの更新どころか読むことすらも疎かになってしまう。 小さな子どもが3人もいると、賑やかで楽しい反面、読んだり書いたりする余裕は無くなってしまう。 そういうわけで久々の登場。 三男の生後半年を過ぎたところで、何か記録を残しておいた方が良いと考え、所感を綴ろうと思う。 半年と

      • うちの子、超能力者かもしれない

        うちには三人の子どもがいる。 今日は次男の話をしたいと思う。 次男は生まれたときからとにかくエネルギッシュだった。 3500gの大型新人としてこの世に生を受け、その後も成長曲線の最上に沿って、すくすくとデカデカと成長してくれた。 1歳児健診では「100人の子どもがいたら3本の指に入る大きさです」と言わしめ、他の親からは乳幼児無差別級と恐れられた。 あまりの重さに妻の足腰は悲鳴をあげ、ジジババは「抱っこが苦行」とさえ言った。 ボンレスハムを彷彿とされる四肢。 首も座らぬ

        • 「生まれるまで分からなかったの?」

          8月に生まれ三男は生後三日後にダウン症と診断された。 実は生まれるまでダウン症があるとは、私たちは当然のこと、担当医さえも分からなかった。 よく聞くのは、定期検診で胎児の特徴からダウン症の可能性が示唆されたりするそうだが、この子の場合はそれも無かった。 それに、出生前診断も受けていない。 ただ、上の子たちと違う心配はあった。 妊娠後期になるにつれて成長が芳しくなかったのだ。 正常なら臨月に入ればみるみると体重は増え、ラストスパートという感が出る。 ところが三男の場合は

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        ①わが子がダウン症だった(宣告編)

        マガジン

        • わが子がダウン症だった(6話完結)
          6本

        記事

          せっかち父さん、ゆっくり息子の「遅い理由」を知る

          せっかち者からすると、物事を早く済ませてしまいたい。ゆっくりはあまり好まない。  車の運転なんかは顕著なもので、国道で軽トラが前を走っているとげんなりする。 かなしいかな、田舎ではじいちゃんばあちゃんが運転する軽トラとのエンカウント率が極めて高い。 あとは急いでるときの路線バスも勘弁してほしい。あの四角が前方に確認できた瞬間から確約された遅さがそこにある。 そんなとき、あと1分早く出発していれば違う今があったのにとタイムリープしたくなる。(そんなことに使うな) とはい

          せっかち父さん、ゆっくり息子の「遅い理由」を知る

          「お父さん、愛ってなに?」

          4歳になる長男が聞いてきた。 「お父さん、愛ってなに?」 あまりに突拍子のない質問に私は唖然としてしまった。 妻はその状況が面白くて噴き出していた。 長男は最近いろんなことを聞いてくる。 まったく意味の分からない質問もあるし、答えようのない質問もある。 例えば「赤って、なんで赤色なん?」だ。 私は少し考えて「それはもうな、そういうことに決まってるからや。あの色には赤って名前がつけられてるから赤色なんや」というふうに答えた。 まるで答えになっていないが、4歳児は納得

          「お父さん、愛ってなに?」

          ⑥わが子がダウン症だった(完結編)

          ついに、誕生から1ヶ月の時を経て三男が退院となった。 NICUという温度管理や清潔が徹底された世界で生きてきた三男が我が家にくる。 ダウン症児は基本的に体が弱い。 風邪もうつりやすいし、それが重症化もしやすい。 それにも関わらず、うちには4才と2才の兄がいる。保育園からは月一くらいで風邪を貰ってくる。 だからめちゃくちゃこわい。 となると、コロナ隔離レベルの限界態勢は必須になるかと思いきや、医師にこう言われた。 「確かに風邪にかかる確率はあがりますが、兄弟の接触を阻

          ⑥わが子がダウン症だった(完結編)

          ⑤わが子がダウン症だった(染色体検査編)

          気がつけばもう9月。 まだまだ暑いとはいえ、朝晩は秋の匂いが混じっている。 多分、ここからの時間も恐ろしく早く、あっという間に2024年を迎えるだろう。 年齢とともに時間の過ぎる早さが加速しているように感じる。 ちなみに、この体感時間の現象には名前があって「ジャネーの法則」というらしい。 なんでも19世紀にフランスの哲学者ジャネーさんが発案したのだとか。 発案もなにも、みんな歳を重ねたらそう感じるんだから、自分の手柄みたいにするのはちょっとね。しかも、自分の名前つけてるし

          ⑤わが子がダウン症だった(染色体検査編)

          片付けはLove Phantomを口ずさみながら(2/2)

          おおかた不要な物は処分した。 狭いわが家ではあるが、物が減るだけで部屋がスッキリする。 三男をお迎えできるよう、心機一転だ。 さて、次は収納力の底上げにとりかかる。 目指すは2倍の収納力と、見た目の美しさ。 一家の大黒柱として、父として、男として、きっちりと仕事(DIY)を果たさなければならない。 まずは、今あるカラーボックスを撤去し、新たに棚を据え付ける。 ところで、カラーボックスというのは便利なようで意外と収納力は高くない。 幅はまぁ及第点だか、問題は高さだ。

          片付けはLove Phantomを口ずさみながら(2/2)

          片付けはLove Phantomを口ずさみながら(1/2)

          先日生まれた三男がNICUに入院して早2週間。ありがたい事に9月中で退院の見込みとなった。 ただ、そうなるとギアを一段上げなければいけない。 こちとら入院にかまけて、ベビーベッドさえ組み立てていないのだから。 気持ちだけ受け入れ万端でも、環境整備できてなきゃ意味がないわけで... ということで、この際色々片付けようと思い、部屋の大改造をしている。 わが家は狭い。それなのに次々に物が増えていく。 おもちゃに書類に小物、なんかの部品に、何故か太鼓もあるぞおい。 明らかに

          片付けはLove Phantomを口ずさみながら(1/2)

          ④わが子がダウン症だった(胃腸壊滅編)

          夕方、子どもたちを保育園へ迎えに行った。 車の中で二人に伝える大ニュース。 「なんと、今日は...お母さんが帰ってきましたー!」 「やったあーーーーー!イェーイイェーイ!」 四歳の長男は大はしゃぎ。 二歳の次男も「おかぁしゃん?いるの?」とニコニコしている。 一週間ほどの入院期間、二人ともよく頑張ってくれた。私も子どもたちがいたから頑張れたと思う。 そして、妻と子どもたちは涙涙の再会を果たした。 泣いていたのは妻だけだったが。 あとは、入院中の三男が無事に退院できれば

          ④わが子がダウン症だった(胃腸壊滅編)

          ③わが子がダウン症だった(妻の退院編)

          病院へ向かう道中、嫌な緊張感をおぼえた。 胃の奥がキュッと締め付けられ、心臓の音が体内に反響するように大きく鼓動した。 ハンドルを握る手は冷たいのに汗ばんでいる。 妻が帰ってくることが嬉しかった。 けれど、妻の本心に触れるのが少し怖かった。 宣告からの二日間をどんな気持ちで過ごしたのだろう。 もしかしたら、悩んでいたのは自分だけかもしれない。妻ならあっさりと全て受け入れているかもしれない。 私たち二人の齟齬はどれ程のものなのだろう。 そうこうしているうちに病院に着いた。

          ③わが子がダウン症だった(妻の退院編)

          ②わが子がダウン症だった(葛藤編)

          ダウン症宣告から一夜明けて、慌ただしい一日が始まった。 ご飯の支度に洗濯に、家事全般をこなして4歳と2歳の子どもの世話。母親が入院中なので、彼らのメンタルも少しナイーブだ。 朝一で「かあさんは?」と聞いてくる2歳児には「病院に入院してるよ」と嘘をつかずに答える。 一日に20回くらいはこのやり取りがある。 けれど、泣くでも駄々をこねるでもなく、「ちゅーしゃかぁ!」と言って謎の納得をしてくれる。 4歳の兄の方には大好きなマイクラになぞらえて、「母さんはハートがだいぶ減ったから

          ②わが子がダウン症だった(葛藤編)