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耳鳴り

今どこかで 電話の鳴る音
耳障り でも なぜか
あのときの緑青を 想起する

運動場は まるで海
燦々 照る太陽のもと
4色帽子 揺蕩う

目的や意図を持たず
しかし確実に前進するような動き 蠢き

そう 春は来る
揺られ 揺らされ 揺れる僕
らるれ らりるれ らるれりら

蛆虫がわく 部屋の隅
電気ポットの お湯がわく
    (オフ:「お風呂があたたまりました」)
わかった(つもりで)
変わった(のは僕)
からかった(勘違いしてた)

走って 駆けって 追い越して
火照った顔を 押し付ける 大理石の床

    ふと見上げれば そこは 青緑の世界

そう 冬は来る
焦がれ 焦がされ 木枯らしの
らるれ らりるれ らるれりら

そう 秋は来る
散られ 散らされ 散れるのは
らるれ らりるれ らるれりら

    そう 夏は来る
    照られ 照らされ 照れるのは
    らるれ らりるれ あの時のぼく

ここから そっちへ のめり込んでいく

<感想戦> ヨルシカの春泥棒に感化されて書いた自分なりの歌詞。米津玄師「カイト」の"らる らりら~"にも影響を受けている?

歌詞のイメージ。上京して独り暮らしをしている男子。昔を懐かしんでばかりで腐っている。ろくに風呂にも入らず、ご飯も取らず、ただボォーッと虚無の毎日を過ごす。そんなある夏、台所近くのフローリングの床に頬をつけて暑さをしのいでいる日中。ひんやりとする床に触れたことがトリガーとなり、夏から春、春から冬へと、彼の人生を巻き戻す走馬灯のような波がどこからともなく生じる。

映像化するなら、絶対床に日清のカップヌードルの容器(食べ終わってるやつと未開封のやつ両方)とゴミ袋をいくつか無造作にセッティングしておきたい。主人公の男子は裸眼で黒髪、白Tにカッチョいいステテコ。目の下に隈とかできていたら尚よし、という感じ。

以上。読んでいただきありがとうございました。

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