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わたしが残したい 景色

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ある島から始まるストーリー。
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守りたい気持ち

守りたい気持ち

わたしが守りたかったこと

自分の笑顔
周りの人の笑顔
あの人の笑顔

それらがどうしても共存できない世界に
まだわたしは住んでいる

あの人はやめたほうがいいよ
あの人といるなら友だちになれないといわれ傷つき

自分だけの世界に戻りたくて
あの人は他の人のところへ行ってくれたらいいのにと念じたらそれが具現化してさらに傷つき

傷つくふりをしながら自分を守ってばかり

わたしにはどうすることもでき

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島マジック

島マジック

ある島はとても狭く
人口も少ない

会いたい人にはラインがなくても
歩いていれば大抵会えるし

逆も然り

会いたくない人にも姿が見えてしまう

いくら一生の付き合いになるかもと予感させた人でも

顔を見たくないほど喧嘩をし

気まずくなっても会ってしまったし

ほかに行くところもなく
仕方なく仲直りすることもある

素敵に見えるマジックではなく

仕方なく仲良くせざるを得ないマジックが

わたし

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衝撃の出会い

衝撃の出会い

目を合わせてはいけないあの人は

ある島を我が物顔で歩いていた

ガニ股で肩を揺らして
派手な半袖海パン姿で
素肌にもなにか模様が見える

体格も良く大声で仲間より一歩先を歩く姿は
まさに

アブナイ人

わたしが本能的に
目を合わせてはいけない
こんな人この島にもいるんだ
と認識した
ある島で唯一の人

わたしはその人と真正面から出会ってしまった

見るからにアブナイ人
人によってはコワイ人

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無職の聖地

無職の聖地

ある島では
出港前にロビーで面接をし
到着したその日から働くという
見事な無鉄砲ぶりを発揮し

なんとかそれからの一年半を過ごすことになる

社会に出たら働き続けなければいけないという声が強かった地元での暮らしとは違い

ここでは働いていない若者やリタイヤして長期滞在する人も多く

働いていたとしても正社員ではなく
フリーターや掛け持ちで働く人が普通に暮らしていた

特に働いていない若者たちは

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島ぐらし

島ぐらし

海外への一人旅が終わると
日本での有り難みを噛み締める

飲水がキレイでタダで飲めること
トイレがキレイでタダで使えること
身の危険を考えずに外を出歩けること

日本語が通じること
会いたい人に会えること
家に帰って安心すること

バックパッカーに憧れていたころの旅先では
たくさんの出会いに胸が躍り
そこで暮らす人々の生活に魅力を感じた

真冬の海の早朝
ビキニで泳ぐ老婦人

リードを使わず散歩す

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