⑼コン島に着いた。

　二日間、バイクを借りたり気の済むまで歩いて島を出た。次は隣にあるコン島という所に移動する。島の売店兼旅行代理店でチケットを買ってボートに乗ると、ナカサンの船着場でトゥクトゥクが待ってくれている。

ナカサン

チケットを渡して座席に乗り込んだ。女性の運転手が笑顔のまま、出発するよー、と言って走り出した。

振動が凄くてすぐに尻が痛くなる。大きな橋を渡り、トータル30分ほどでコン島に着いた。

数台のバイクとすれ違っただけで、車通りはあまり無い。

島の東側にゲストハウスやホテルが少しある。その辺りで降ろしてもらった。ドライバーが、
「泊まる所は決まってるの？」
「いや、決まってないけど何軒か廻って見てみるつもりだよ」
決まるまで待ってようか？と申し出てくれたのだけど、どのくらい時間がかかるか分からないので断ってドライバーと別れた。確かにデット島のように営業していなかったり、潰れてしまったりしているかもしれない。

道中はのどかな景色が広がる。

端から尋ねて、三軒目でようやくチェックインできた。バイクもレンタルできて、レストランも併設してある。ほっとして外に出ると、少し離れた所にさっきのトゥクトゥクが止まっている。
「あれ、どうしたの？」
と聞くと、
「チェックインできるか心配だから待っていた」
と笑った。面倒見の良さに驚いてしまった。
そして彼女は、バーイ、と言って、笑顔のまま去って行った。