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ランナーの引き出し

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自分の経験から得た結論や考察と、レースや練習で参考になりそうな記事。
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2020年2月の記事一覧

心臓のサイズが最大心拍数を決める? ~バケツリレーのたとえ~

みんな大好き心拍トレーニング。簡単な理論で実用的なトレーニングができて、いい事ずくめだが・・・いろいろ疑問が湧いてこないだろうか。僕が最近思ったのは、「最大心拍数は、なんの要因が決めているんだろう」ということ。「220-年齢だよ」とか言わないでいただきたい。それは、実験結果を並べた統計データであって、ここで問題にしたいのは、それを決めている原因のことだ。 最大心拍数を決めるのは、神経か、心臓そのものか・・・あるいは物理法則?通常、心拍数を決定しているのは、自律神経であり、つ

糖質制限とマラソンの関係(2)

前回の続きになります。 前回は、「糖質中心の食生活をしていると、一般的に脂質代謝能力がかなり落ちてるはずですよー」というところまで。 マラソンでの糖質・脂質代謝人間は通常、安静時および、低強度の運動では、エネルギーの約50%を糖質に、残りを脂質に頼っているそうだ(一般人、アスリートの区別は不明)。そして、運動強度を上げていくと、脂質からのエネルギー供給量は一定のままだが、糖質からのエネルギー供給が増えていくという。つまり、高強度になるほど、糖質依存度は高くなる。 運動で

糖質制限とマラソンの関係(1)

長くなると思うので、先に僕の考えを書いておいて、のんびりと根拠と考察を述べていきたい。 1.糖質制限は、マラソン(42km以上のウルトラを含む)に、有効である。PBの更新、未知の距離の完走など、ポジティブな効果は期待できる。 2.糖質制限以外にも、同様の効果を得る手段がある(代案がある)。 今回(あるいはこのシリーズ)は、1の効果について、自分のおさらいを兼ねて書き出してみたい。2はまだ検証を始めたばかりなので、あまり触れないつもりだが、文の流れ次第だと思っている。未検証

サブ3ランナーは3%ではない

統計データの話をしたい。日本のランニング人口は約1000万人だという。サブ3ランナーが、(巷でよく言われるように)約3%だとすれば、日本には約30万人のサブ3ランナーがいることになる。マラソン大会にいくらか出たことのある人なら、さすがにこの数字には違和感があるのではないだろうか。 ランニング人口と男女比についてまず、ランニング人口から始めたい。データはこちらのサイトを参照させていただいた。 概要をまとめると・・・ 2012年に初めて1000万人超え 微増減をくりかえして

マラソン練習としてタバタ式を試してみた

一回たったの4分、それを週に2~3回。これだけで有酸素系、無酸素系の両方を十分に刺激できるという。つまりマラソンで求められる、トップスピードと持久力を同時に鍛えられるということだ。概要は知っていたが、ようやく腰を上げて実践してみた。 TABATA式とは タバタ式(あるいは、タバタトレーニング、タバタプロトコル)は、HIIT(高強度インターバルトレーニング)の一種で、立命館大学の田畑教授の研究からそう呼ばれている。 日本よりも海外でかなり有名らしく、さまざまなスポーツ分野で、

「自分との戦い」は誤解されている

マラソンやその他長距離種目は、本当に自分との戦いだろうか。僕はそうは思わない。あるいはこう言いたい。長距離種目は、序盤戦においてのみ、自分との戦いである、と。 自分との戦いって何?マラソンやトライアスロンの大会などで「自分に負けるな」系の応援メッセージは定番。村上春樹の名言「少なくと最後まで歩かなかった」も支持されているし、SNSなど見ても、歩かなかったからこのレースは成功、みたいなコメントも多い。このような意味での「自分との戦い」は、いかに苦しみに耐えたかが焦点であり、肉

アンダーアーマーからスキンズに乗り換えようと思う件

昨日に続いて、ランニング用コンプレッションウェアについて書いてみたい。僕は長らく、アンダーアーマーを愛用していたのだが、最近になってたまたま購入したスキンズのタイツを使ってみて、価値観が変わった。段階的に(予算がないのでw)アンダーアーマーからスキンズに乗り換えようと思っている。 アンダーアーマーについて近頃は、スポーツブランドとしてすっかり定着したアンダーアーマー。僕はコンプレッションのトップスを愛用してきた。なんといっても、着心地がよく、スレを起こしにくく、丈夫で長持ち

ガチランナーはトライアスリートみたいなファッションになる?

今回は、ランニングウェア、特にコンプレッションウェアと呼ばれるジャンルの話をしたい。 ランニングファッションは多様化を極め、特に女性ランナーたちのオシャレで色鮮やかなカワイイウェアなどは、バリエーションは多い。が、いわゆるシリアスランナーのファッションというと、多くの人が箱根駅伝のようなファッションを連想すると思う。 箱根駅伝公式HPより そこそこタイトなタンクトップに、ショートパンツ(超ミニw)。僕もコレが王道だと思っていたのだが、トライアスロンをやるようになってからは

僕の足底筋膜炎はコレで治った

足底筋膜炎、ものすごく厄介だった。これまでの人生で経験した中で、発症から完治までに最も時間がかかった怪我だと思う。2018年9月に発症、回復の兆しが見え始めたのが翌年6月頃、痛みがほぼ気にならないレベルになったのは同8月頃である。実に10ヶ月以上!! 備忘録を兼ねて、同様の症状で悩んでいる人の役に立つかもしれないと思い、本記事を書くことにした。 前置きやウンチクなどいらん、早く治療法を見せろ!!という方は、目次の最終項目へ飛んでください。ただ、僕のはあくまで足底筋膜炎の一例