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僕の足底筋膜炎はコレで治った

足底筋膜炎、ものすごく厄介だった。これまでの人生で経験した中で、発症から完治までに最も時間がかかった怪我だと思う。2018年9月に発症、回復の兆しが見え始めたのが翌年6月頃、痛みがほぼ気にならないレベルになったのは同8月頃である。実に10ヶ月以上!!
備忘録を兼ねて、同様の症状で悩んでいる人の役に立つかもしれないと思い、本記事を書くことにした。

前置きやウンチクなどいらん、早く治療法を見せろ!!という方は、目次の最終項目へ飛んでください。ただ、僕のはあくまで足底筋膜炎の一例なので、効果を保証するものでないことは忘れないでね。

足底筋膜炎の概要

足底筋膜は、足裏で、踵から土踏まずを通り、足指の付け根につながる筋膜。ここに痛みが出ると足底筋膜炎。慢性化することが多い。つまり、足底筋膜炎は、症状のことであり、その原因は個別に異なる。重要なことだが、「コレをやれば治る」という、わかりやすい治療体系は無い。
もうひとつ重要なことが、「安静にしていても治るとは限らない」。僕の場合で約10ヶ月、中には何年も患っている方もいるらしい。骨折よりも長引く、と覚悟しなければならない。

僕の症例での経験だが、痛みのある患部をいじっても、効果がない。
患部の痛みは、症状という結果であり、原因ではなかったからである(もちろん、足底筋膜そのものが損傷しているケースもあると思う)。ヒザから下には、大小様々な筋肉があるが、その多くがアキレス腱を介して、足底筋膜につながっている。つまり、関連する筋肉のいずれかが、炎症なり、慢性的硬直などを起こすことで、足底筋膜の動きを制限したり、関連する神経を圧迫したりして、痛みが出るということ。僕の場合、それが腓骨筋上部だったが、それを発見するために、しらみつぶしに筋肉をほぐしいく作業が必要だった。筋肉のケアを怠っていたので、いたるところが硬直しており、原因探しは難航した。普段から筋肉を柔らかくほぐしてあれば、早い段階で異常に気づいて対処できたと思う。

発症

僕の症例について紹介していきたい(一般論としては、解説サイトが多数あるので、いくらでも情報はあると思う)。
マラソンシーズン開幕まで2ヶ月を切った時期。かなり追い込んだ練習を重ね、疲労も蓄積していた状態。20kmのタイム計測か何かをやっていたとき、足裏にピキっという感触。たしか、「ヒザの使い方でもう少しストライドを伸ばせないか」みたいなことを試行錯誤しながら走っていたときだった。
「あ、なんかヤバイ」と思ってペースを落とし、翌日は休んだ。

経過

練習を再開すると、またイヤな痛み。その後は、起床時の第一歩に激痛、身体があたたまるとともに軽くなるが、当然、走れば痛い。
整形外科をはじめ、いろいろ治療を試したが、効果はほとんどなし。やむを得ず、1ヶ月ほどランニングを休んだ(その間、自転車をこいだ。自転車は痛みを全く感じなかったで、無害と判断)。
1ヶ月も休めば十分だと思ったが、練習再開とともに、全く治っていないことが判明。完治に絶望するとともに、「これは神経痛の一種だ!痛みは幻のようなもので、外科的な意味での患部は存在しない!!」という強引な結論を出して開き直った。(もちろん、この極論は間違っていた

そのシーズンは、痛み止め(あまり効かないが)を服用しながら、足裏の痛みを意識から切り離すようにして、練習、レースを続けた。
4月までに完走したレースは以下の通り。

ハーフマラソン*1
フルマラソン*3(PB*2)
100kmマラソン*1
ロングトライアスロン*1(PB)

レースの間は痛みをガマンできるが、フィニッシュ後はしばらく立てないほどに痛かった。

回復の兆しとその後

閉幕戦となるトライアスロン終了後、なんとしても翌シーズンまでに治そうと決意(翌シーズンもこの痛みに耐えることを思うと、気持ちが折れそうだった)。初期と比べても当然症状は良くなっていないが、シーズン中無茶をしたわりには、大きく悪化もしていない。

宮古島内にあるめぼしい病院や接骨院などは一通り試したが、効果はない。仕方がないので、web情報、動画などから治療法、ストレッチ、治療器具や健康グッズなどを探して、片っ端から自己人体実験を繰り返した。おかげで、下半身の骨格や筋肉の構造はかなり詳しくなった。

最終章で詳述するが、「スネ回りの筋膜リリース」が鍵だったようだ。目に見えて痛みが軽くなっていき、1ヶ月ほどで苦にならない程度に。ただ、古傷的な痛みはその後しつこく残ったし、いまでも時々現れる。

試した(上手くいかなかった)治療例

整形外科:レントゲンを撮って、問診。足底筋膜炎一般の解説とリハビリを教えられる。ドクターに、寄り添ってくれる態度が感じられない。今回に限らず、だいたいドクターの主張は「どうせ無茶して怪我したんでしょ、黙って治るまで休め
骨折で受診したときは、「治るまでだいたい1ヶ月程度」と言ってくれたが、今回みたいな怪我の場合は「いいから休め、治るまで走るな」と主張するばかり。彼らはレントゲンに写らないものはお手上げなのか、興味がないのか・・・
彼らの言う通りにしていたら、今でもまだ走れずにいたことだと思う。

接骨院や整体:何件か受診してみたが、技術や得意分野にばらつきが大きいので、一括しては評価できない。ただ、実際に筋肉を触って、原因を探ってくれる点では、整形外科よりだいぶマシ。ここで原因が見つかるケースもあると思うので、受診する価値はある。中には、ハイテクな治療マシンにおまかせな接骨院もあるので、そういうところは微妙・・・

ストレッチ:いろいろ試してみたが、効果なし。今振り返ってみると、僕の症状の原因は、非常にストレッチしにくい筋肉だったことが理由の一つだと思う。例えば、腓腹筋とか、ハムストリングスとか、比較的ストレッチしやすい筋肉に原因がある場合には、効果的だと思う。
怪我の予防としては、習慣的にやるべきだと思う。普段から、筋肉を「触って柔らかい」程度に保っておけば、どこかが硬直状態になった時に早く気づくこともできる。

足裏の筋トレ:どこかしらの筋力不足を補おうとして、周辺の筋肉が負荷過剰になっている、という理屈を想定して試した。該当しなかったらしい。

お灸:解説サイトや鍼灸の経絡図を見ながら、ダメ元で。
ちなみに、お灸が怪我に効いたことは殆どないが、体調不良に関しては効果を感じるので、何年も愛用している。

各種健康グッズ:主にドン・キホーテで購入。青竹や足つぼローラー、フォームローラー、ツボ押しアイテム、さらには、家庭用低周波治療機(オムロン)まで。

これで治った!

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トリガーポイントのグリッドフォームローラーとマッサージボール。
断っておくが、決してステマではないのでw
使い方は、公式HPに詳しく紹介されているので省略。

僕の経験上のメッセージは、

「原因はどこかにあるから、しらみつぶしに探せ!」

僕の場合、下半身の筋肉の多くがバキバキ状態だったので、とにかく片っ端からそれらをほぐしていく作業だった。自分の足を触って、指圧してみて、「あ、ここ固いぞ」とか「ここ押すと激痛!」みたいなところをみつけては、順番に。必要に応じて、webで解剖図を参照したり、youtubeを参考にストレッチや筋膜リリースを試したり。
その上で、上記アイテムは、効率よく筋肉(または筋膜)にアクセスできる、という意味で重要だったのである。能動的に、さまざまな手技手法を試す努力は必須だが、道具の良し悪しも大きいということ。道具を使わなければアクセスすることが難しい、小さな筋肉、深部の筋肉が多いことも追記しておきたい。

トリガーポイント社の製品は、ぶっちゃけ高い!僕が購入した時点で、ローラーが5000円弱、ボールが1500円くらいだったか。類似品の倍以上する。が、重要なのは、効果の有無である。
同社の製品は、硬さと材質が絶妙!例えば、ドン・キホーテで買った千円台のローラーは、硬すぎて痛い。痛ければ効くというものではなく、ガマンして続けても効果はなかった。マッサージボールだって、テニスボールでいいぢゃん、と思われがちだが、ぜんぜん違う。柔らかすぎれば圧力が散ってしまい、ターゲットの筋肉に届かないし、硬すぎれば痛いだけで、やはり効果は薄い。僕も類似品を先に試しているのでよくわかるが、「効果を知っていたら、この倍の値段でも喜んで払った」。アスリートに限らず、慢性的な足底筋膜炎で悩んでいるひとは同意してくれるんじゃないかと思う。

参考に僕が効いたと思う代表的なマッサージを紹介する。
(たくさんの手法を並行して試していたので、多分コレだった、としか言えないが)

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腓骨筋上部の筋膜リリース。
ローラーにどのくらい体重を預けるかは、上半身で調整、痛気持ちいいくらいでしばらくゴロゴロゴリゴリするだけ。

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足底筋膜踵側と、足指付け根側をゴリゴリ踏む。これも痛気持ちいいくらいで。
「足底筋膜自体は原因ではない」と言っておいて矛盾するようだが、ここを上手く押すことができると、短期的に痛みが軽くなる。「今ラクになる」って結構大事。先に紹介したローラーのやつ(遅効性)と併用することで、原因にアクセスしながら、日常生活の痛みも軽減できる。
ちなみに、僕は、硬めの「赤いタイプ」も持っていて(同社製品)、痛みが軽い場合や、予防的に使う場合は、そっちが好き。

フォームローラーやマッサージボールの使い方動画は、web上にたくさんあるので、症状に合わせていろいろ試してみるのがよい。
下半身、特に膝下の筋肉がまんべんなくほぐれた頃には、足底筋膜炎もおおよそ治っていると思う。

筋膜リリースの概念については本文で触れていないので、興味のある方はググっていただきたい。すぐ見つかるので。

神経痛由来(坐骨神経痛など)の足底筋膜炎というのもあるらしい(僕も一度コレを疑った)。そういった場合は全く治療法が異なるので、お断りしておく。


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