sasakiyoichi1020

札幌市の中学校・音楽科の教員です。「こどもの姿を語る会・北海道」の事務局を務めています…

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札幌市の中学校・音楽科の教員です。「こどもの姿を語る会・北海道」の事務局を務めています。 臨床教育学に関心があり、自己物語論をベースに、領域を超えた「協働・共同の学び」を追究しています。

マガジン

  • 自己物語探究の旅

    2017年11月より、中・高校教師用ニュースマガジンにおいて、新たな連載を始めました。タイトルはホームページと同じ、「自己物語探究の旅」としました。 「支えとするストーリー」を語り直し、生き直すことの試みです。 どうぞ、ご笑覧ください。

最近の記事

「師匠」をめぐる自己物語探究 Self narrative Inquiry― ―寺沢喜幸氏 を偲んで 「じぶんを、かたり、ふかめる」

Ⅰ.出会い  1986 年 4 月。 中学時代の音楽科教師 に紹介 して頂いたトランペットの 師匠 (寺沢喜幸 氏 の最初のレッスン があった。 私は高校に入学し たばかりで、 楽器と出会って既に5年が経過し ていた 。 将来の進路希望を音楽に定めたものの、 なかなか具体的な取り組みを始めることができ ず、親を説 得してようやく本格的に音楽を学ぶ 機会を得て、意気揚々と初レッスンに臨んだ。 しかし私は、初回から強烈な挫折感を味わ う 。  ジャズに夢中になり、我流のでたらめ

    • 田端健人 学校を災害が襲うとき    -教師たちの3・11

      【注】 1)笹木 陽一「中学校における臨床教育学的生徒理解         -生徒のナラティヴを引き出す音楽科授業-」            『北海道の臨床教育学 創刊号』(2012)pp.24-33 2)著者の研究方法については、   田端健人「質的研究における『問い』について        -『問いの現象学』を手がかりに-」『宮城教育大学紀要』           (2012)などを参照のこと。 3)本書プロローグ ⅲ 4)みやぎ教育文化センター・日本臨床教育学会震災調査

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        2010.8.22 第1回『学び合い』を学ぶ会in北海道

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          2010.3.28第1回子どもの姿を語る会の様子です。

        「師匠」をめぐる自己物語探究 Self narrative Inquiry― ―寺沢喜幸氏 を偲んで 「じぶんを、かたり、ふかめる」

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        • 自己物語探究の旅
          11本

        記事

          2012.3.29『学び合い』北海道  「第7回 子どもの姿を語る会」報告

           2年前(2010年3月28日)、当会は初の企画となる「第1回 子どもの姿を語る会」を、かでる2・7(北海道立道民活動センター)にて開催しました。あれから2回の「『学び合い』を学ぶ会」、NECO塾との共催ワールド・カフェ、そして7回を数える「子どもの姿を語る会」、併せて10回の企画を実施してきました。発足当初2名だった事務局も4名となり、今回はリピーター参加も7名と増え、少しずつではありますが、安定した活動ができるようになってきた様に感じます。  今回は発足2周年・企画10

          2012.3.29『学び合い』北海道  「第7回 子どもの姿を語る会」報告

          2011.11.26『学び合い』北海道 「第6回 子どもの姿を語る会」報告

           『学び合い』北海道も2年目となり、今年度2回目の企画となる「第6回 子どもの姿を語る会」を、札幌エルプラザ 研修室1にて開催しました。今回は「育てる人のココロの栄養補給」をキャッチフレーズに、世知辛い世相の中で、子育てや教育、福祉、医療など、それぞれの現場で子どもの育ちを支えておられる方々が集い、対話を通して明日へのエネルギーを得ようとの趣旨で実施させていただきました。  今回も広報不足からか、期待していたほどの人数とはならず、6名の参加で会を進めました。昨年の第3回

          2011.11.26『学び合い』北海道 「第6回 子どもの姿を語る会」報告

          2011.8.6『学び合い』北海道  「第2回 『学び合い』を学ぶ会 in北海道」報告

           「『学び合い』北海道」は昨年3月の発足から、5回の「子どもの姿を語る会」、NECO塾(代表:岡山洋一氏)との共催によるワールド・カフェ・イベント、そして8月に行った「第1回『学び合い』を学ぶ会」、合わせて計7回の企画を行ってきました。2年目を迎え、4月からは新川高等学校・澤尻先生と星槎国際高等学校・小松先生にも事務局に加わって頂き、新たな体制で新年度をスタートしました。7月の頭に事務局会議を行い、今年度最初の企画である「第2回『学び合い』を学ぶ会in北海道」の準備を進めてき

          2011.8.6『学び合い』北海道  「第2回 『学び合い』を学ぶ会 in北海道」報告

          2011.3.26『学び合い』北海道   「第5回 子どもの姿を語る会」報告

           今回は「『学び合い』北海道」発足1周年を兼ねて、これまでの学習会スタイルを離れて「北のさゝや本店」(札幌市北区北7条西1丁目 NSSビルB1F)にて、食事会(飲み会)の形で実施させて頂きました。第1回は昨年の3月28日、かでる2・7の和室を借りて10名の参加でのスタートでしたが、あれから1年が経過し、夏の「『学び合い』を学ぶ会」やNECO塾との共催ワールド・カフェを含め、計7回もの企画を実施できた事を、改めて嬉しく思います。  今回の参加者は、初回に参加して下さった道南・

          2011.3.26『学び合い』北海道   「第5回 子どもの姿を語る会」報告

          2011.1.30『学び合い』北海道     「第4回 子どもの姿を語る会」報告

          この会で見つけたもの  「見つけたもの」というべきかはわかりませんが、この会を実施していつも感じている通り、様々な立場や考えの異なった方々が、「教育」という領域でフランクに語り合うことを通して、新たな視点や思考が引き出されることの楽しさを再発見したように思います。今回は教育人間塾主宰の村山紀昭先生(中教審委員,前北海道教育大学・札幌国際大学学長,哲学・日本近代思想史)がご参加くださり、加えて札幌自由が丘学園理事長の亀貝一義先生も、前回に続いて論議に加わってくださいました。教

          2011.1.30『学び合い』北海道     「第4回 子どもの姿を語る会」報告

          2010.11.6『学び合い』北海道  「第3回 子どもの姿を語る会」  振り返り&アンケート

          1.次の内容について教えてください。  (1) この会で得たもの  何と言っても、これまでの会以上に幅広い分野から参加者を得て、多面的に子どもや教育について意見交流することができたのが一番の収穫であったと感じます。特に我々が初回から意識してきた「対話(ダイアローグ)」に関して、ワールドカフェを含むファシリテーションの専門家である岡山先生(札幌ディベート研究会代表)や丸山さん(neco塾事務局)が参加して下さったことで、大いに学びが深まりました。また『学び合い』実践者である

          2010.11.6『学び合い』北海道  「第3回 子どもの姿を語る会」  振り返り&アンケート

          2010.6.27『学び合い』北海道 「子どもの姿を語る会」 振り返り&アンケート

          1. 今日の話題の中で、一番よかったものと、   その理由を簡単に教えてください。  一番良かった話題は、フリースクールのスタッフの方と、小学校勤務の先生と3人で「職場の人間関係」や「一人前とは」とのテーマで語れたことです。一人ひとりバラバラでつながり会えない職場、子どもに暴力を振るわれてもチームで対応できない学年。私自身の勤めたばかりの頃の経験と重なり、身につまされる思いがしました。フリースクールにおいても、学生スタッフの様子を見ていて、ほとほと疲れている姿があ

          2010.6.27『学び合い』北海道 「子どもの姿を語る会」 振り返り&アンケート

          「音楽・平和・学び合い」(26)

          ◆【実践研究論文】   【不登校をめぐる教師としての「自己物語」の変容】(7)    ~中学三年男子生徒の事例を通した「ナラティブ的探究」の試み~ おわりに-今後の展望に代えて  3・11東日本大震災を経て、この国や社会のあり様は、再び弱者への不寛容を顕わにしているように感じる。「不登校」の子どもたちに対しても相変わらず「学校復帰」という「支配的ストーリー」が押しつけられ、ハーマンが論じた「心的外傷」をさらに悪化させる状況が繰り返されているのではないか。  思えば私が「

          「音楽・平和・学び合い」(26)

          「音楽・平和・学び合い」(25)

          ◆【実践研究論文】   【不登校をめぐる教師としての「自己物語」の変容】(6)    ~中学三年男子生徒の事例を通した「ナラティブ的探究」の試み~ 3.学習指導の側面から 〈フィールドテキスト3〉 8月24日  17:00電話すると祖母が出て、本人と替わってもらう。すぐ家庭訪問に行くこととし、電話を切る。10分後到着し、インターホンを鳴らしたら本人が対応。すぐ祖母がドアを開け、その後ろに彼が立っていた。今まで無かったことなので嬉しく感じる。居間へ移ると、机の上に日記とシャー

          「音楽・平和・学び合い」(25)

          「音楽・平和・学び合い」(24)

          ◆【実践研究論文】   【不登校をめぐる教師としての「自己物語」の変容】(5)    ~中学三年男子生徒の事例を通した「ナラティブ的探究」の試み~ 2.生徒指導の側面から 〈フィールドテキスト2〉  6月20日  以下の状況から、急遽家庭訪問して対応する。 (以下「本校生徒指導情報共有データベース」への報告文)  完全不登校の生徒です。市教委に匿名の苦情で「火遊び」しているとの情報が入り、「学校に行っていない」との情報から、電話で母親に問い合わせたところ、ロケット花火のこと

          「音楽・平和・学び合い」(24)

          「音楽・平和・学び合い」(23)

          ◆【実践研究論文】   【不登校をめぐる教師としての「自己物語」の変容】(4)   ~中学三年男子生徒の事例を通した「ナラティブ的探究」の試み~ 1.事例の背景  フィールドテキストの最初では、本事例の背景が概観されている。以下に紹介する。 〈フィールドテキスト1〉 生徒A                               家族構成:母、妹(小4)、祖父・祖母(母方)との5人家族 経緯:小学校4年時、体が大きいことを理由にクラスでいじめに遭い、それを機に不登校状態

          「音楽・平和・学び合い」(23)

          「音楽・平和・学び合い」(22) 

          ◆【実践研究論文】    【不登校をめぐる教師としての「自己物語」の変容】(3)   ~中学三年男子生徒の事例を通した「ナラティブ的探究」の試み~ 3.エピソード分析-NI的視点から「リサーチテキスト」を綴ること  今回は取り上げる事例は、私が関わった不登校生徒の中でも直近のケースである。6年ぶりに中3の担任となり、小学校4年から学校に通えなくなった男子生徒Aを担当することになった。出会った4月から1年間、彼との関わりをエスノグラフィー風に詳述し続け、最終的にはA4(50

          「音楽・平和・学び合い」(22)