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#125 「しあわせ探〇〇」が処方された日
前回の記事では、新プロジェクト「しあわせ探〇〇」が、晴れた9月の日に、スイスのベルンで誕生した日のことを書きました。今日は、プロジェクト誕生直後にやってきたちょっとした試練について書きたいと思います。「〇〇〇」の最初の文字は「探」でした!
海底で動けない潜水艦
僕は、2023年夏に3年来の夢が叶って日本からドイツへ研究活動を始めるべくやってきたわけですが、「しあわせ探〇〇」が誕生した直後の同年10月、突然体調を崩してしまいました。先の投稿『#71 エマージェンシー・ブロー 〜緊急浮上せよ〜』では、当時の自分自身を「故障して海底に横たわっている潜水艦」に例えました。
上司にあたる研究室の教授からは、「博士号取得のための研究にはそういう体調不良はつきもの。すぐにお医者様とカウンセラーに診てもらいなさい」と紹介をいただきました。どちらも英語での診察・相談ができる先生ということで、慣れない路線に乗ってフランクフルト大学病院へ向かいました。
* * *
夢が叶ったストレス⁈
フランクフルト大学病院は、中央駅からマイン川をはさんだ対岸にあります。待合室で待っていると若い女性の先生が来てくれ、診察室へ。「英語ね?」と聞かれたので、「はい、英語でお願いします」と答え、診察が始まりました。
先生:日本ではどんな毎日だったの?
僕:会社を退職する前は、朝4時に起きてオフィスに行く前に2時間勉強、8時半から16時半まで仕事をして、夜は家で勉強、土曜日は大学院の授業でした。
先生:大変そう……会社を辞めた後は?
僕:ヨーロッパの大学9プログラムに出願して今年3月に進学が決まって、ばたばた準備して8月にドイツへ来ました。
先生:今の生活はどんな感じ?
僕:打って変わって時間も余裕があり、平和です〜
一般的にストレスというと、身体的疲労や仕事上の失敗、家庭問題などの「マイナス要因」が引き起こすものと考えられているように思います。しかしどうもそれだけではないようです。英文ですが関連記事を引用しておきます。
診察は続きます〜
先生:聞いたことがあるかもしれないけど、時として「プラス要因」も人間にはストレスになるの。たとえば結婚や新居の購入など、どう考えても好ましいことも、ストレスになる。
僕:僕の体調不良は、「夢が叶った」ことからきたという意味ですか?
先生:分からないけど、そうかもしれない。対策を考えましょう。
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処方は「しあわせ探〇〇」
診察は続き、対策を一緒に考えます〜
先生:英語で不自由はしなくても、母国語を使うことがやはり精神安定上必要なんだけど、日本語で話せる仲間はいる?
僕:うちの研究室では、日本人は僕だけです。
先生:そっか……オンラインで家族と話したりは?
僕:それはできます。
先生:家族との日常的な会話だけではなく、母国語で何か知的活動をすれば、今の研究活動に復帰しやすいと思うのだけれど……
僕:単に休養を取ったり、運動をしたりだけではなく、ですか?
先生:本当に症状が重い場合はそうなるけど、あなたの場合はそうではないから……頭を使うような趣味は?
僕:そういえば、新しい知人と共同ブログ(=「しあわせ探〇〇」)を始めることにしました!
先生:その活動をしている時は、楽しいと感じる?
僕:始めたばかりですが、楽しいです。
先生:じゃあ、積極的にその活動をしてみて。日本語での少し複雑な思考活動が助けになるように思う。「精神的負荷はあるけど、母国語で行われることであり、楽しめること」というのが大切なポイントね。
僕:分かりました。
こんな経緯で、「しあわせ探〇〇」プロジェクトパートナーの miori さんや、プロジェクトの紹介動画を制作してくださる方と、積極的に話したり意見交換したりする日々が始まりました。「夢が叶ったストレス」がラムネのようなものだとすれば、日々話している中で少しずつそのラムネが崩れてくるような、あるいは食べてしまうような、そんな不思議な感覚がありました。
* * *
トヨタのファミリーカーといえば?
いきなりですが、「トヨタのファミリーカー」と言えば、みなさんどの車種が頭に浮かびますか?僕の世代だとやはり、「トヨタ・カリーナ」と「トヨタ・カローラ」です。そしてこの「カリーナ」と「カローラ」はどちらも、ドイツ人女性の名前です。学生時代にトヨタ・カリーナを2台乗り継いでいたので、愛着のある名前でした。
フランクフルト大学病院で診察を受ける傍ら、ドイツ人カウンセラーにもかかりました。名前はカローラ先生。カリーナさんはすでに3人知り合いがいたので、これでカリーナとカローラが揃ったというわけです。先生はいいヒントをくれました。
先生:その「しあわせ探〇〇」の活動、AI 研究と同じくらいか、それ以上に興味があるでしょう?
僕:そうですね、言われてみればそうかもしれません。
先生:AI と「しあわせ探〇〇」の活動の接点を見つけるような研究ができれば、あなたのストレスは消えていくと思う。
僕:何かできることを考えてみます……
この会話が後に何につながるか、その時は思いもよりませんでした。とにかくこんな風にして、お医者様とカウンセラーの2人の先生から「しあわせ探〇〇」を処方され、活動を続ける中、体調は日に日に回復していきました。
* * *
次回は、そんな「しあわせ探〇〇」を世に出すために作ることにした、紹介動画についての物語です。
今日もお読みくださって、ありがとうございました☕️
(2024年4月8日)
サポートってどういうものなのだろう?もしいただけたら、金額の多少に関わらず、うーんと使い道を考えて、そのお金をどう使ったかを note 記事にします☕️