ポケモンのマーケティングの合言葉は「おかえりなさい」なのか?(後編)
先々週に引き続き今回もポケモンのマーケティング戦略について考えてみようと思います!まずは前回の記事のまとめと今回のまとめです。
さて、今回のテーマであるポケモンの「おかえりなさいマーケティング」について図解してみました。今回はこの図を基に解説していこうと思います。
1. 既往顧客の復活
さて、実は前回の記事のまとめなのですが、おかえりマーケティングを語る上で欠かせないのが既往顧客へのアプローチです。
ちなみに前回の記事は↓の通りです!
10年のスパンを空けたリメイク作品
ポケモンは今まで25年で21タイトルの作品を発表しています。その中でも実は5作品がリメイク作品となっており、その多くは原作からリメイクまで10年以上の歳月が経過しています。
この時間の経過によって、最初にプレイしていた顧客の多くは大人になり、大学生や社会人となります。大人になることで経済力が増し、購買にも結びつきやすくなるのではないでしょうか。
「なつかしさ」への語りかけ
またリメイクということもあり、基本的には同じストーリー・同じポケモンが登場します。しかしながら時代の進化とともにハードが変わっているため、画質や通信環境が大きく変わります。通信環境で言うと、昔は有線でないと友だちとポケモン交換をすることができませんでしたが、今は知らない人と自由に交換することすらできます。
ゲーム内で流れる音楽、綺麗な画質でのプレイ…、顧客は「なつかしさ」を感じながらも快適なプレイすることができます。
世代をまたいだ楽しみ
10年以上の時間を空けることにより、同じゲームを親子でもする可能性があります。お父さんは昔やったことのあるソフトを子どもに教えながら、子ども初めてやるストーリーを純粋に楽しみながら…。よくテレビのCMで見るような遊び方ができますね笑
2. コネクションの維持
ポケモンのおかえりマーケティングの要素としてもう一つ重要なのが「コネクションの維持」です。私は顧客とポケモンの間の関係性を絶たせないことがおかえりを促進しているのだと考えます。
幅広いメディアミックス
まず、ポケモンは数ある日本のコンテンツの中でも、最もメディアミックスが成功した事例であることは確認しておく必要があるだろう。戦後、マンガ→アニメ(もしくは実写)→玩具というメディアミックスで言えば、『鉄腕アトム』をはじめ『鉄人28号』、『仮面ライダー』、『機動戦士ガンダム』など多数ある。しかし、家庭用ゲーム機・ゲームソフトからアニメ、漫画、映画、グッズなど多角的なメディアミックスを図り、日本国内のみならず、国際的にもここまで大成功を収めたコンテンツはポケモンくらいだろう。公式ライセンス商品は約5000アイテム、各主要都市にグッズ専門店をおき、全世界では兆を超える市場を形成している。
『20周年を迎えた“ポケモン”がキャラクタービジネスに与えた影響』より引用(https://www.oricon.co.jp/news/2067474/full/)
とあるように世界的にもポケモンはメディアミックスを成功させたコンテンツと言えます。引用元の記事は2016年のものでしたが、一説には2020年にはディズニーを超えて世界で一番稼いだキャラコンテンツとも言われています。
日曜の夜にはアニメのポケモン、普段の生活、特に日用品や食料品でポケモンのイラストが描かれた商品を多く見かけます。その認知度はかなり高く、ほとんどの日本人はポケモン、中でもピカチュウを知らない人はほとんどいないでしょう。(私の70過ぎのおばあちゃんですらテレビで見るとピカチューと呼んでいます)
なんとポケモンは香川県ともコラボもしています笑
うどん県を謳う香川県と、語感が似ているヤドンがコラボして香川県をPRしているようです。さすがポケモンですね…。
ポケモンセンター
幅広いメディアミックスにより一般の人への十分な認知を広めたポケモンには重要なスポットがあります。それがポケモンセンターです。
ポケモンセンターには1000点を超える(予想)ポケモングッズがあります。ポケモンのぬいぐるみやクリアファイル、ポケモンカードゲームの商品が多く陳列され、土日に訪れると子ども連れのファミリーや若いカップル、中学生男子グループなど、本当に様々な客層を見ることができます。(ちなみに私は一人で行っています…)
一般の人にとっては日常で使えそうな商品、コアなポケモンファンにとってはポケモンセンターでしか買えないグッズがあり、誰でも買い物や世界観を楽しめるような雰囲気になっています。
ここのコネクションのパートをまとめると、
という感じになりますね。
3. まとめ
ポケモンのおかえりなさいマーケティングには、帰ってくる「きっかけ作り」「土壌づくり」が欠かせません。
一度離れてしまった顧客を戻すきっかけとなるリメイク作品、そもそものポケモンの存在を忘れさせないメディアミックスがポケモンへの「おかえり」を促している大きなポイントなのではないかと今回の考察を通じて感じました!
長くなりましたが、ここまで読んでくださってありがとうございました!これからもためになる図解や考察をがんばっていこうと思います!
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