シェア
さりとて
2021年2月19日 10:12
早朝は独特なにおいがする鼻腔の奥がツンとする乾燥が目を刺激するこの感覚はなにかに似ているそのせいで誰かを思い出す遠くに人影が見える知らない人に違いないなのにどこかで期待するイヤホンから流れるノイズ少し音量を下げるそうしたらどうだろう鳥の鳴き声がした結局すれ違ったのは思い出した誰かではなかったそれでもこの早朝に同じ道を歩く人だったいつか思い出すだろうか今日す
2021年2月13日 00:46
むかしは月がみえたのだこの小さなベランダで十五夜には月見をしたのだろうそう思いを馳せることしか今はできないけれど隣に私の家より高いアパートが建ち目の前ではピカピカの新築があざ笑い周囲もリフォームに明け暮れているそれでも私はこの愛すべき家でかつて見えたはずの月に幻想を浮かべる若き日のそして今の親しき人を二重にみる誰も知らないままでいい私たちが想ってい
2021年2月9日 11:17
ゆわりと微睡むふとんのなかほおをなでる微風にそっと微笑みをかえすねつにふれて微温むてのひらとなりのへやから微かなこえ微酔いきぶんでちゅうにうかんでもうあしたのふあんは微塵もない--まどろむ、そよかぜ、ほほえみ、ぬるむ、かすか、ほろよい、みじん--
2021年2月1日 23:38
夜 更け 朝陽昇る奥に萌ゆ山喇叭鳴り 犬がワンとセロをちぎれ 猫そして、娘へ歌笑みよ ふけ あさひのほるおくにもゆやまらつはなり いぬかわんとせろをちきれ ねこそして、むすめへうたえみ--「あ」から「ん」までの48字でつくったいろは唄ですセロはあれです、「セロ弾きのゴーシュ」のセロです笑前回アナグラム詩をつくった際いろは唄にも挑戦したいなあと思っていたのです