見出し画像

【雑記】インドで暮らすってどんな感じ?| 良いところも悪いところもすべてお話しします。

早くもインドで生活を始めて2ヶ月が経った。長かったような、あっという間のようなこの2ヶ月。振り返ってみると、生活し始めて気づいたこと、新たな発見、驚きなど、さまざまなことがあった。

私が日本でまだ就職活動をしていた頃「インドはどうですか?」とエージェントに勧められた私は、0.3秒で「無理です!」と即答した。その頃の私にはインド生活に関する情報が全くなく、なんだか分からんがとにかくヤバい国、というイメージしかなかった。しかし、その頃の自分に言ってあげたい。

インド生活は良いぞ。と。

この記事では、その頃の私のように「インドで暮らすって実際どうなの?」と思っているあなたの疑問に答えるべく、この2ヶ月で経験した生活のあれこれを列挙していこうと思う。

インド移住を検討している人、インドに興味があるけどちょっぴり怖い人、インドの生活を覗き見してみたい人に向けて、インド生活の基本的なことがざっくりと分かる内容となっているので、ぜひ最後まで読んでいただきたい。もちろん気になるトピックだけをつまみ食いでもOK。刺激的なインド生活をほんの少しでも味わってもらえたら幸いである。

なお、これまでの記事では丁寧語で執筆していたのだが、最近読んだエッセイが「である調」でとっても素敵だったので、私も「である調」で書いてみたくなった(良くも悪くも影響されやすい人間)。実験も兼ねて、今日はである調で書いてみるが、今後は記事によって変えるかもしれない。まだ色々と模索中なのでご容赦いただきたい。


◾️インド生活あれこれ

Uber、フードデリバリー、ネットスーパー、サブスク。便利でお得なインド生活

IT大国インドには、さまざまな便利アプリがある。UberやBlue Smart、Olaなどのタクシーアプリを使えば数百円でどこへでも行けるし、フードデリバリーのZomatoでは美味しい食事をいつでも注文できる。価格は1食250ルピー600ルピー(425-1,020円)くらいの店がほとんどなので、日本でデリバリーを頼むよりも割安だ。

Zomatoで頼んだターリー。画像+大きなナンが2枚付いて約900円。量が多いので2食分になる。

ネットスーパーアプリのBlinkitやbig basketなどを使えば生鮮食品から日用品まで、あらゆるものがすぐに届く。そしてNetflixやSpotifyなどのサブスクも月額数百円と日本より超お得。日本人のように一定以上の収入がある人にとっては、インド生活は想像以上に快適なのである。

キャッシュレス先進国

最近は日本でもキャッシュレス決済が広まっているが、インドも例外ではない。インドではUPIというコード決済が主流で、直接銀行から引き落とされるので便利だ。どんな個人商店、ローカルマーケットでもUPIが使えることがほとんどで、非常に便利である。クレジットカードは店によって使えないところがあるので、旅行者にとってはやや不便かもしれない。

お酒は思ったより買えるし飲める

大酒飲みの私には非常に重要なトピックがこれだ。ヒンドゥー教ではそもそも飲酒が良くないこととされているらしく、お酒を買える店は免許を持っている酒屋に限られている。しかし、デリー・グルガオンのような都会であれば酒屋はすぐに見つかるし、意外と簡単に酒が手に入る。値段は日本より若干高いが、インド製は輸入品に比べ割安で、500mlの缶ビールが110〜150ルピー(187〜255円)くらいで手に入る。

人気ブランドBIRAの瓶ビール。定価は150ルピー(255円)。

また、お酒を飲めるレストランも多く、思った以上に楽しいお酒ライフを送ることができる。ただし、これは日本以外の国では当たり前のことだが、夜中まで飲んだり出歩いたりするのは、特に女性は危険なので絶対にやめよう。私は一緒に飲んだ知人のドライバーに送ってもらうか、Blue Smartなど比較的安全な車会社を使い、程々の酔い具合で帰るようにしている。

ドライバー、メイド、コック付きの大きなおうち。夢のセレブ生活

インドでは(全てではないが)多くの日本人がドライバー・メイド・コック付きの生活をしている(メイドがコックを兼ねる場合もある。)。これは会社の福利厚生で付いている場合もあるし、個人で直接雇用している人もいる。

家事を全部してくれて、料理も美味しくて(これは人によるがうちのコックは幸い腕が良い)、満員電車に乗る必要もなく快適な車でどこにでも行ける。しかも家は日本の家の何倍も広い。こんな快適な暮らしを知ってしまったら、もう東京の狭くて古い安アパートと会社を往復する生活には戻れない。

家は常にトラブルだらけ

とはいえ良い面ばかりでは済まないのが流石インドである。家では常にトラブルが起こり続ける。頻繁な停電、排水溝のつまり、エアコンの故障、Wifiが繋がらない、鍵が開かない、ファンがうるさいなどなど、数え上げればキリがない。

これらのトラブルに自分で対応するとなると、英語の拙いインド人と交渉しなければならないので大変だが、私は会社が契約している家に住んでいるため、社内のインド人スタッフが全て対応してくれて助かっている。他の日本人はどうしているのだろうか。情報が入ったらアップデートしたい。

お腹は割と頻繁に壊す

この2ヶ月間のうち、累計1ヶ月間は常に下痢に悩まされていた。ただトイレとお友達になることもあれば、微熱を伴うものもあった。嘔吐はなく重症化しなかったのは不幸中の幸いだ。これは日本人にはよくあることらしく、あまりに綺麗な日本という国から移住してきた人々の宿命なので仕方ない。予防策ではないが、こちらではヤクルトが手に入るので、毎日飲んでお腹の中に乳酸菌を育てている。

交通ルールは誰も守らない

これは到着日に空港から出てまず驚いたことなのだが、インドでは大量の車が縦横無尽に好き勝手走る。車線はあるのに全員が無視し、爆音でクラクションを鳴らしながら走っているのだ(ぶつからないためにクラクションを鳴らし後続車がいることをアピールしているらしい。)。

初日こそ怖かったが3日で慣れた。とはいえ事故もよく起こるようなので、本来はシートベルトを着用するなど気をつけなくてはならないが、みんな慣れてしまっているのであまりしていない。絶対に日本人は運転できない、と思ったが、在住歴の長い方で自ら運転する強者にも会った。すごすぎて拍手喝采だが、素人は決して真似してはいけない。

朝は楽々、夕方激混み。雨ですぐに冠水する道路事情

これまた道路事情だが、夕方の渋滞はひどい。朝の倍の時間が掛かるのは当たり前で、事故が起こるともっとひどい。デリー↔︎グルガオン間の渋滞は特に酷い印象。雨が降ると道路がすぐに冠水するので、これも渋滞の原因となる。前持った行動が超大事。

牛だらけ、犬猫だらけ。ナチュラル動物園

むやみな殺生を嫌うインドでは、用済みになった牛が路上に放たれている。G20を機にかなり減ったと言われたが、いやいや、まだまだ沢山いる。野良猫や野良犬も多く、特に犬は人馴れしているのか、人間がいても全く気にせず逃げることもない。また、ゴルフ場や田舎に行くと孔雀やリス、猿なども沢山いて、さながら動物園のようである。

道路を歩く牛の親子

動物好きにはたまらない環境だが、間違っても動物に触ってはいけない。狂犬病のリスクを取ってまで触りたいなら別だが、危険は冒さない方が身のためである。実際、私の友人は野良猫の可愛さに負けて撫でまくり、見事に噛まれワクチンを打ちに病院に行っていた。彼らとのふれあいは求めず、遠くから眺めるだけにしておこう。

道路も街もゴミだらけ

道路、マーケット、どこに行っても大抵ゴミが落ちているのがインドである。汚いし臭いし、あまり良い気持ちのするものではないが、そのうち慣れてしまうのが不思議だ。ショッピングモールやお洒落なレストラン・カフェ、高級ホテルなど、同じインドとは思えないほど綺麗な場所もあるのでご安心を。

虫が多い、とにかく多い

オフィスでもレストランでも蚊やらハエやらがぶんぶん飛んでいる。今が雨季だからだろうか。だが、これもそのうちあまり気にならなくなる。
ショッピングモールやレストランには電撃殺虫ラケットを持ったスタッフが虫退治に励んでいる。むやみな殺生を嫌うヒンドゥー教でも虫は容赦なく殺すらしい。なお、死んだ虫の死骸が飛び散るそうなので、近づかないように要注意。

仕事・職場あれこれ

オフィスボーイがいる!

オフィスボーイとは、お茶を入れたり、印刷をしたり、雑務全般をこなしてくれるスタッフのことだ。初日にオフィスボーイがお皿付きのティーカップでコーヒーや日本茶を淹れてデスクに持ってきてくれた時は感動した。私の会社では役職者と日本人スタッフのみこの待遇を受けており、他のローカルスタッフは自分でお茶を淹れているので、ある意味特権ではある。

ちなみに、大量の書類をファイリングするための穴あけを自分でやろうとしたら、同僚から「オフィスボーイに頼めばやってくれるよ」と言われて衝撃を受けた。こんな小さなことまで頼んで良いのか!ありがとうオフィスボーイ。

ともすれば日本では派遣社員や若い女性社員がやらされているであろう仕事も、こちらでは立派な仕事となって役割分担されている。私はインド式のこの制度が好きだが、カースト制のある国ならではの役割分担かもしれないと思うと、日本で同様のことをするのは難しいだろう。

IT専門のスタッフがいる!

これも前述のオフィスボーイと同様だが、私の会社にはIT部門専門のスタッフがいて、オフィスのIT周りを全て担ってくれている。例えば新しいスタッフが着任した時のPCやスマホの設定、プリンタの設定、トラブル対応なども全て彼らがしてくれる。

私が日本で働いていた頃は、大企業でも中小企業でも、既存のスタッフが四苦八苦しながら初期設定をしたり、PCトラブルの対応も自分でしていたが、専門のスタッフがいると非常に効率的だ。これがインドの文化なのか今勤めている会社の文化なのかは不明だが、日本も真似したらいいなあ、とシンプルに思った。

警備員がいる!

これは会社によるようだが、ドアのところに警備員がおり、社員が通る度にドアを開けてくれる。なんだかVIP気分である。誰も言わないが、私は毎回「Thank you」と言ってニコッと笑う。そうすると警備員の彼も嬉しそ
うにニコッとしてくれるのだ。忙しい仕事中の癒し時間である。

インド人と働くのはつらいよ。

「インド人と働くのは大変だ!」1万回聞いた言葉だが、声を大にして100万回言いたい。

「インド人と働くのは超超超超大変だ!!!!」

いつかのモー娘。もびっくりするレベルで「超」を何回言っても足りないくらい大変なのである。さて何が大変か。これは私とインド人スタッフの初期の頃の会話の一例である。

朝イチ
私👩「これやってもらえる?」
インド人👧「やるね!(すぐやるね的なノリで)」

その日の夕方
私👩「できた?」
インド人👧「これが終わったらやるね!(今日中には的なノリで)」

翌朝
私👩「できた?」
インド人👧「まだ!今日やるね!(すぐやるね!的なノリで)」

この会話が延々と繰り返されるのである。ほぼ毎日この会話を繰り返しながら、期日から2週間遅れでようやく終わった時「やっと終わったね!We are one team!」みたいな意味不明なポジティブドヤをかまされるのである。

彼らはとにかく仕事ができない。期日までにやらない、責任感がない、言われないとやらない、PCスキルが著しく低い、Excelもパワポも大学生よりも使えない、理解力が低い、というか若干知能が低い(簡単な計算すらできない)などなど挙げればキリがないほど、ほんっとうに仕事ができない。

ただし、社内にも優秀な人材は沢山いるので、単に私がはずれくじを引いた可能性はある。ひとつ言えるのは、日本で同じ会社にいる社員が、ある一定レベルの学力を持っていたり、最低限の仕事レベルが似通っていたりするのとは異なり、人によってかなりムラがある印象だ。

しかし、2ヶ月を経て、僅かではあるが対処法も見出した。最初は遠慮してニコニコしながら期日を過ぎるのをただ見守っていただけの私も、最近では「何時までにできる?」「それだと遅い」などとしつこく言うようになった。

そして「できた?」を1日に何回も言う。そうすると流石にうんざりするのか着手してくれる(ここに辿り着くまでにめちゃくちゃ時間がかかるが、以前よりはずっとマシになった。)。日本にいた頃、同僚や上司に気を使いまくって言いたいこともろくに言えなかった自分からは想像もできないようなコミュニケーションの仕方で、今現在は仕事を進めている。

私はどちらかと言うと考えすぎる、繊細すぎる面があるので、インドに来るなら良い意味で図太くなりたいと期待していた。生活し始めて2ヶ月にして既に少しずつ図太さを獲得していることに対して、喜ぶべきか悲しむべきかは微妙なところである。

インド在住日本人について

狭くて密度の濃い日本人コミュニティ

インドにはおよそ1万人の日本人が住んでいると言われている。首都圏であるデリー・グルガオンには、その半数以上が住んでいるそうだ。とはいえ、他のアジア各国に比べてもまだまだ日本人の数は少ないし、5000人の村社会、と考えると、いかに狭いコミュニティか分かるであろう。

その中で各種飲み会(県人会、大学の同窓会、干支会など)や趣味のサークルなど様々な活動が行われている。人と関わるのが好きな人にとってはとても刺激的で楽しい環境だと思う。特にサークル活動で、仕事関係なく社外の人と趣味の時間を共有するのは非常に楽しい。

ただし注意点もある。日系企業の多くは日系企業同士で仕事をしている。そうすると、行く先々で「どこどこ社の誰々さん」という認識のもとで話をすることになる。会社名を隠してもどうせバレるし、全員がオープンにしているので隠す必要もないが、何が言いたいかと言うと、会社名が付いて回る以上とにかく悪さはできないぞ、ということである。

知り合いが増えれば増えるほど、どこで誰が繋がっているかわからないし、「OO会に参加しました」と会社の上司に報告すると「あ〜XX社の△△さんいるでしょ」などと言ってくる。とにかく世間が狭いのである。

実際、過去にいた〇〇さんはこんなことをしていた、誰と誰がW不倫していた、など、黒い噂話を聞くこともある。それらを反面教師にして、清廉潔白なインド生活を送らねば、と決意を新たにしたのは言うまでもない。

おわりに

他にも、ゴルフが安く出来て人気、ヨガが盛ん、マンゴーが美味しい、みんなチャイ大好き、インドでも食べられる生卵がある、インドの薬は強い、インド服は楽で可愛い、道には路上生活者が溢れている、水が汚いせいで紙が臭い、紙がないトイレがある、などなど細かいネタはいくらでもあるのだが、一つ一つ書くとキリがないので一旦この辺にしておこう。

これを読んで少しでもインド生活のイメージが膨らみ「インド生活、いろいろあるけどなんだかんだ楽しそうだな」と思ってもらえれば幸いである。
そしてインド移住を検討している人が、勇気を出してインドに移住してくれたら何よりだ。きっと、日本では味わえない刺激的で楽しい毎日が待っていることだろう。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集