一番心に残ったスピーチ(120)
大学1年生の時、スピーチ教室に在籍しました。話すことは好きだけど、伝える力が身についていないと思ったため通うことを決めたんです。
3ヶ月間のスピーチ教室の学びの集大成である最終発表会では、その場にいた100人以上の方全員から賞賛を受け、自分が伝えたいことが伝わることを体感した瞬間でした。
スピーチ教室が終わっても、そこでの学びは様々な場所で活用してきました。自分がスピーチの学びをサポートするメンターになったり、大学のプレゼンで友人に指導したり・・・。
特に印象深いことは、これ。大学内成績最優秀者のスピーチ。
スピーチを習ってから1年と少しが経った時、学生代表として私が発表者に選ばれました。スピーチ教室に在籍した時とは違い、誰からもサポートを受けずに原稿を考え、話し方も自分自身で研究。スピーチ教室で学んだことをできる限り、応用しました。しかし、自分1人で考えると独り善がりなものになりがち。
学生代表のスピーチだったため、他の学生の鼓舞するようなスピーチ内容にする必要がありました。
大学の友人らにアポをとって、空いている教室で本番同様に自分のスピーチを見せて、内容や話し方について改善点を探してもらいました。自分でも、毎日登下校の際に練習したり、鏡の前に立つたび練習したり。何度も録音し分析し続けました。初めの一言・言葉のチョイス・間の取り方・声のトーンなどを、聞く人の気持ちになって聞いてみる。「どうすれば魅力的なスピーチになるのか」と考えました。その後も練習を積み重ね・・・。
大学内最優秀者のスピーチ当日は、「誰か1人でもいいからその人の心を動かそう・練習した成果を出そう・サポートしてくれた友人らや教えてくれたスピーチ教室の皆さんに感謝の気持ちを込めて。」そんな思いで、200人もの学生や保護者がいる前でスピーチを披露。
スピーチを始めると、下を向いていた学生らが1人ずつ顔を上げ始めました。私のスピーチを聞けば聞くほど、初めは少し硬い表情だった保護者の方々は、どんどん口角が上がっていきました。
終わった瞬間、盛大な拍手の音が会場内を包み込みました。
私の発表の後は、学長や外部の方々からの話があったのですが、話す方全員が私のスピーチの内容に触れて話を進めていました。それだけ印象が残ったスピーチを披露できたのだと思います。
スピーチの数時間後、少し遠くから耳に聞こえてきた言葉は、「あの学生代表挨拶の人すごかったよな、すげぇやる気出た。」
チャラそうな男子学生4人が言っていたので、自分でもちょっぴり驚きました。
スピーチの一週間後、教室で勉強の準備をしてた時。あまり話したことがない他の学部の女子学生が「このあいだのスピーチすごかったです!母も感動したと言っていました!どうしても伝えたくて・・・」と勇気を出して声をかけてくれたんです。
こんなに嬉しいことはありません。
「他の学生を鼓舞したい・誰か1人の心だけでも動かしたい・スピーチ教室で学んだことを存分に発揮したい」そう思いながら、自分が用意して練習してきたスピーチ。ちゃんと心を動かすことができたんだ…嬉しいなそう感じました。
しかし、まだまだ、伝える力は身についていません。自分の内なる言葉を外に出す訓練がまだまだ足りていないから。これに関してはまた次の記事で書きます。
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