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年収で仕事を選ぶな:『科学的な適職 4021の研究データが導き出す最高の職業の選び方』(3/6)【間違いだらけの読書備忘録(16)】

こんにちは、さらばです。

現在、以下の本について備忘録を書いています。

  • 鈴木祐『科学的な適職 4021の研究データが導き出す最高の職業の選び方』

1、2はこちら。

お金と幸福度

本書の備忘録、2回を費やしてまだ5分の1の内容のさらに7分の1(つまり3%くらい?)にしか触れられていないので内心おののいていますが、前回の内容が一番記憶に刻みたいところだったので、ここからはライトにいきたいと思います(努力目標)。

仕事における幸福度に"関係のない"要素として、「好き」以外に著者は6つを挙げています。
まずはこれです。

「給料の多さで選ぶ」

年収を全く考えずに職探しをするひとはあまりいないと思いますが、給料と幸福度はほとんど関係がないそうです。それよりは、人生の中で良いパートナーに巡り会うことや、健康状態が改善されるほうが遥かに幸福度に影響があると。

もちろん収入があまりに低いことで健康が維持できない、といった因果はあり得ますので、どうでもいいというわけじゃないでしょう。
ただ、年収400~500万円くらいから幸福度は上昇しづらくなり、また昇給した直後には幸福度が上昇したとしても、1年以内くらい経つとそれが当たり前になり、幸福な状態は続きません。
あとは、金銭的な幸福度は周囲との相対で決まるので、自分がいくら稼いでいようが、付き合う周囲よりも低ければ幸福度は上がらないようです。

これらについては100%「そうだよね!」と共感できます。
実は新卒時のわたしは「年収を全く考えずに職探しをする」という"あまりいない"ひとでした。そのときから今に至るまで、一貫して「まあそこそこ暮らしていけるだけあればいい」と思ってます。
幾度も書いてきたとおり、わたしは「創作を続ける」ために「安定収入を得る」という手段として「就職する」と決めたので、それが叶う水準なら、別に高額収入を得る必要がありません。
昇給の幸福度が長続きしないというのも実感として解りますし、他人と年収を競う気持ちは全くないので、そういうひとを見るたび「不毛だなあ……」と思ってきました。

給料の多さと幸福度の関係が薄い、と聞いて、どちらかというと今まで「わたしは変わっている」と思っていたのが「なんだ。普通なんじゃん」と思いました。

業界、楽さ、性格テスト、直感、適正で仕事を選んでも幸福度は上がらない

早くも「ライトにいきたい」という前言を撤回しなきゃいけなくなりそうなので、あとの5つはまとめてささっと書きます。

「業界や職種で選ぶ」

これは「専門家でも有望な業界を予測できない」し、「人間は個人的な興味の変化も予測できない」という2点を根拠に、幸福度との関連が否定されています。
確かにひとの価値観や好みは時間が経てば変わりますし、有望な業界だ、という理由で飛び込んでも幸せになれるとは限らないでしょう。

「仕事の楽さで選ぶ」

これは中身を読むまで「ん?」と思ったのですが、読んで納得。
要するに「適度なストレスがある環境のほうが、健康を維持できる」みたいな話です。確かにわりとハードワークしてるひとのほうが、体調を崩しにくかったりするなあと思いました。
もちろん過度なストレスは心身を壊します。ただ、同じくらい「楽過ぎる環境」も人間にとって害だという話です。定年後にやることのなくなったサラリーマンが病む、みたいな話もこれと同じでしょう。

ちなみに、この要素を指して「出世すると、自己裁量権が増えてストレスの張りを自分で調整しやすくなるから、比較的上層にいるほうが健康的である」と書かれているのですが、これも納得です。
マイクロマネジメントな環境ではひとが辞めていきやすい、と言うと想像しやすいんじゃないでしょうか。

「性格テストで選ぶ」

これはまあ「そりゃぁないよね!」と思いましたが、でも性格テストみたいなものが横行しているということは……という。

「直感で選ぶ」

これも「そりゃそうだろう」と思うのですが、わたし自身なにかを選択するとき、最後は直感で選ぶことが結構あります。
ただ、本書でも直感そのものを否定しているわけじゃなく、「ルールが厳格に決まっている」「何度も練習するチャンスがある」「フィードバックがすぐに得られる」という場合には、直感が正しく働くと書いています。そして職業選択にはこれらが全て当てはまらない、と。

論理的に考えるほうが人生の満足度が高く、日常のストレスも低いという話については同意しますし、わたしの場合は「論理を詰めて、最終的には直感で決める」という傾向なので、よく考えるとこれは直感というより「論理で詰め切れないところは好き嫌いで決める」ということかもしれません。

「適正に合った仕事を求める」

これも性格判断に近いロジックで、世の中に数多あるどんな方法でも、ほとんど有効な適正判断はできないとのことです。


ここまでが本書にある5つのステップのうち「ステップ1 幻想から覚める」という内容です。
読んでほぼ全て納得のいく内容だったのですが、「じゃあ一体どういう観点で仕事を選べばいいの?」という疑問は増すばかりです。

それに応える内容が次の「ステップ2 未来を広げる」です。
仕事の幸福度を決める7つの徳目について書かれていますが、この話は次回へ。


お読みいただきありがとうございます。
さらばでした!

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