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意外といい職場に勤めてるのかもしれない:『科学的な適職 4021の研究データが導き出す最高の職業の選び方』(5/6)【間違いだらけの読書備忘録(18)】

こんにちは、さらばです。

現在、以下の本について備忘録を書いています。

  • 鈴木祐『科学的な適職 4021の研究データが導き出す最高の職業の選び方』

1~4はこちら。

仕事の幸福度を下げる8つの要素

「ステップ3 悪を取り除く」では、最悪の職場に共通する8つの悪というテーマが展開されます。
この8つは「時間の乱れ」「職務の乱れ」のふたつに大別され、これらによって働くひとは心身の健康を損なうリスクが上がるとのこと。

「職場におけるストレスは受動喫煙よりも身体に悪い」そうで、言うまでもなくそういった環境を回避することが、仕事における幸福度を上げることにつながります。
さて、では順番に書いていきます。

<時間の乱れ>

「シフトワーク」

シフト制の仕事なんてそう珍しくもないと思うのですが、確かに働く時間が日によって定まらなかったり、休日が不定期だったり、夜勤があったりというのが、心身に悪影響を与えるというのは考えるまでもなく解ります。
わたしはシフトワークを経験したことがないのですが(敢えて言えば塾講師の夏期講習みたいなやつくらい)、就活のときは確かに「そういうのマジ無理」と思ってた記憶が……。

「長時間通勤」

これも言うまでもなく身体にも心にも悪いですよね。
特に電車通勤だと、朝っぱらから知らないおっさんに、恋人でもこんなにくっつかないぞってくらいの圧力でサンドイッチされひたすら耐える、みたいな環境です。しかも平日は毎日。
どこかで読んだのですが、通勤ラッシュの電車内は、戦場で兵士が感じるストレスレベルより高いとか。それ読んだとき「嘘だろ?」と思いましたが、数秒後「確かに……」と思い直しました。

ちなみにこれまでの経験だと、わたしは最長で片道1時間20分くらいの職場まで通ってました。
今は車で10分ちょい。すっげぇぇぇえ、楽です。

「長時間労働」

これもまあ、言わずもがなですね。
ただ、個人的には前回触れた「自由」(自己裁量権)の有無との組み合わせがどうかによっても、大きくストレスレベルは変わるよなあ、と思います。

全然いいことだとは思いませんし、ひとには勧めないのですが、たぶんわたしはわりと労働時間が長いほうです。でも、やりたくないことを強制されて短い時間やるよりも、自分の意思でやるべきと考えていることを長時間やるほうが、遙かにストレスを感じません。というか後者は半ば楽しくてやってるわけで、そこまでいくと「労働」と言っていいものかどうか(正確には「楽しくなるようにやってる」ですけど)。

「ワークライフバランスの崩壊」

これも昨今よく言われますね。
個人的には、ワークライフバランスという言葉を結構叩くひとも増えてきた? みたいに感じていますが(「ワークとライフは別じゃねえだろ」「ライフの重要な一部がワークだろ」とか言うひとが結構いる)、

「表現としてはともかく、本人が望まない仕事に振り回されてストレスが高い人生を幸福とは言えないよね」

と思うので、本書の主張には違和感がありません。
わたしの場合、崩壊したことはあんまり記憶にないです。同居家族がいたときにはわりと家族を優先してましたし、ひとりで暮らしている今は思いのまま働いたり、息抜きをしたりしてます。

<職務の乱れ>

「雇用が不安定」

これは言葉だけだと解りにくいかもしれませんが、例えばフリーランスのような働き方が該当します。
最初は気分が上がるようですが、長期的には心身の健康を崩しやすいそうです。
なお、本書でもフリーランスの全てのひとがそうだと言っているわけじゃなく、高度な専門性を持ったスキルのあるひとは幸福度が高く、タスクワーカーとして安い仕事を受注し続けると幸福度が低いとか。
で、これはフリーだろうが社員だろうが同じでしょう、というところまで書かれており、「ですよね」と思いました(実力があればある程度自己裁量権を得られる、というのがわたしの仕事における基本スタンスです)。

「ソーシャルサポートがない」

これも言葉だけだと解りにくいかもしれません。
本書では例として「心理的安全性のない職場」を挙げています。
つまり、どんな発言をしても受け入れられるという安心感があったり、失敗をしても関係が壊れないという信頼感がある職場の逆です。確かに周りを窺いながら発言や行動を決めないといけないなら、ストレスフルですね。

今はわりと心理的安全性のあるチームに所属していると思うのですが(というかそれを意識してつくろうとしている)、これが全然ない職場で働いていたこともたくさんあるので、重要性はもの凄く実感します。

「仕事のコントロール権がない」

これは「自由」の逆ですね。
例えばマイクロマネジメントが大好きな上司がいる環境で働いていたら嫌な気分になる、と想像すると実感が湧きます。
わたしの周りではわりと多いんですけどね、そういうひと……。

「組織内に不公平が多い」

これも前回触れた「明確」の逆です。
納得できないことが多い職場で働くのは、精神衛生上よろしくないです。が、わたしの場合むしろこれが明確だった職場で働いた経験がほとんどない気がする……。憧れます。

最も悪影響度が高いのはどれか?

というわけで幸福度を下げる8つの要素を書きましたが、では悪影響度の高い順に並べるとどうなるでしょうか?
本書では、以下の順だと紹介されています。

  1. ワークライフバランスの崩壊

  2. 雇用が不安定

  3. 長時間労働

  4. シフトワーク

  5. 仕事のコントロール権がない

  6. 組織内に不公平が多い

  7. 長時間通勤

ちなみにわたしの自己分析だと、3がグレー(自己裁量権があるからあまりストレスフルじゃない)、6はよく感じる、あとの項目は現在の職場では大丈夫、という感じです。
こうやってよくよく考えると、幸福度の下がる要素が少ないということにちょっと驚きました。

なお、前回ご紹介した"幸福度を決める7つの要素"についても、

「自由」わりとある。
「達成」まあ、一応進んでる感はある。
「焦点」自分の特性である攻撃型の仕事をやってる(向いてる)。
「明確」じゃない。
「多様」大分多様。
「仲間」いる。
「貢献」あまり見えない。

という感じで、「明確」と「貢献」以外は満足度が高いです。
こうやって俯瞰してみると、普段の自分の捉え方とは違った見方ができるかもしれませんね。


さて、本書で一番面白いと感じたのはこのあたりまでですが、次回もう少しだけ続きの項について備忘録を書き進めたいと思います。

お読みいただきありがとうございます。
さらばでした!


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