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「創作と仕事」の壁をぶち壊す(4/6)【さらば、noteを書く理由(17)】

「創作と仕事」の融合というテーマで考える記事の4回目です。
1ではここ数年、

  • 担当編集がいる状況で物語を作って、色々なことを考えた。

  • 経営と戦略を学ぶ中で、色々なことを考えた。

というふたつの変化があったことを書き、2と3ではひとつめの項目について具体的な内容を書きました。
今回と次回では、ふたつめの項目について書いていきます。

1~3はこちら。

かつては「仕事ができる」と言われた

過去の栄光的な意味で言う意図は一切ありませんけど、わたし、以前はどちらかというと周囲から「仕事ができる」と言われていました。
しかしそれを全くの勘違いだったと師匠に思い知らされて以来、あまり言われなくなりました。

自分的な意識の変化として言えるのは、過去わたしが仕事だと思っていたものは大抵がただの「タスク」であり、今わたしが仕事だと捉えているものは「成果を出す行為」だということです。
もちろん自分のやっていた「タスク」が結果として「成果を出す」こともありましたが、それは今のわたしに言わせれば「たまたま」であり、仕事というものをはき違えていた事実はなにも変わりません。

もちろん最終的に成果を出すのは「タスク」ですから、今でも全くやらないわけじゃありません。ただ「タスク」を「たくさんこなす=仕事ができる」という考えは完全になくなりました(つまり以前は「タスクをたくさんこなせる」という意味で、「仕事ができる」と言われていたのかなあと思うとわびしい限りです……)。
「成果を出す」ことが仕事である以上、「成果とはなにか?」「どうすれば成果が出るのか?」を考え抜いた上で、必要な「タスク」をやり切るのが大切なことだと考えています。

誤解を恐れずに言うと、「どうすれば成果が出るのか?」を「タスク」として整理すると「戦略」になります。
言い換えれば「どの順番でいつまでになにをどのようにやるのか」を決めるのが戦略です。

確固たる「勝てる戦略」がある環境では、むしろ一般社員はタスクを大量にこなすことに集中するのが正しいのでしょうが、わたしの働く環境はそうではありませんでした。
そして、そうではないと早い時期から気付いていながらタスクを大量にこなし、「仕事ができる」と言われてある程度自分でもそう思っていたわたしは、とんでもない勘違い人間だったというわけです。

そして師匠に経営と戦略について教わる中で、はたと気付きました。

「あれ? これって創作と同じじゃない?」

戦略づくりと物語づくりは似ている

なにが同じなのか。

「戦略づくりと物語づくりは似ている」

ということです。

戦略とは「どの順番でいつまでになにをどのようにやるのか」を決めることだと書きました。
この「順番」というやつが戦略の肝です。単に「タスク」を並べたら、それはタスクリストであって戦略ではありません。

肝というくらいですから、順番には必然性が要ります。
「この順番でやるから勝てるんだ」という内容になっていなければいけません。ひとつひとつの打ち手が、必然性のある強固な因果論理によって繋がっていること、これが戦略が戦略たり得る条件です。

例えば、「好きになった外国人の異性と恋人になる」という成果を出したい場合の戦略を考えてみましょう。

1, 外国語を学ぶ。

2, 相手に話しかけて友だちになる。

3, 親しくなってから求愛する。

4, 恋人になる。

こんな感じでどうでしょう?
まずは言葉が通じないと(文字どおり)話にならないので、言葉を覚えます。それから友だちになり、徐々に距離を詰めてアプローチ、という流れです。

でも、これと違うパターンもあり得ると思います。例えばこんな感じ。

A, 外国語を学びたいというスタンスで、相手に話しかけて友だちになる。

B, コミュニケーションを取りながら言葉を覚え、親密になる。

C, 求愛し、恋人になる。

出てくる要素としては先程と同じです。
でも、「順番」が違います。

さっきは「言葉を覚える」⇒「友だちになる」だったのが、「友だちになる」⇒「言葉を覚える」と逆になっています。
例えば相手も日本語を学びたいと思っていた場合、友だちになるハードルはさほど高くないでしょうし、一緒に言葉を覚えるという体験を共有できれば、親密になりやすいかもしれません(逆に、先程の方法だと「親しくなる方法」がなく、2と3の因果が弱い)。

どちらが成功確率の高い順番かは、相手の置かれている状況や、その異性を狙っているライバルの有無やステータスによります。
こんな感じで、"市場"や"競合"の情報なども加味した上で、打ち手同士が因果で繋がっている「順番」を決めるのが「戦略」です。

これと全く同じように、物語というのも「順番」が非常に重要なものだと考えています。
ただしふたつの意味で……と、いう内容を次回続けたいと思います。


お読みいただきありがとうございます。
さらばでした!

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