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センスって何だろう?アーティスト(画家)2名に聞いてみた
「センスいいね~」とは、一度は言われてみたい褒め言葉。
私にとっては言われたい言葉の上位ランキングに君臨します。
とはいえ、「センス」とはいったい何でしょう?
こんにちは。菅野と申します。このページを見つけていただき、ありがとうございます。
漠然とした「センス」の正体について、アーティストの方にお話を伺ったので、ご紹介させていただきます。
「センスの良い人」になりたい
以前、私が嫉妬するほど羨ましくなったセンスの持ち主は、ある女性編集者さんです。
彼女が手掛けた本のビジュアル、構成、雰囲気、紙の質感…すべてがオシャレでスタイリッシュ。そして持ち物やファッションにもこだわりが感じられて、クリエイティブなオーラをまとった編集者さんでした。
そして、彼女の大学時代の後輩だという方にもお会いしたことがあります。
私「彼女のセンスの良さは昔からなのですか?」
後輩「大学時代からオーラがありました~」
私「センスは、やはり先天性なのか~」
_| ̄|○
↑こんな感じになりましたが、私にも「センスの良いものを作りたい!」という欲があり、仕事でも趣味でも、命題のようにこびりついているのです。
そんな時、ふと思い出しました。私が10年以上通っている絵画教室の先生(講師)こそアーティストであり、最先端の尖りまくったセンスで勝負している方々ではないですか!と。
もちろん美大卒で、画家として作品を発表し、個展開催やギャラリーでの販売実績もあるプロです。
教室で絵を練習する傍ら、アーティストのお二人に「センスとは?どうしたらセンスは良くなるのか?」を尋ねました。
アート分野についての「センス」の話になりますが、ポイントに分けてご紹介します。
【回答1】センスを良く見せる表現の法則がある
アートに興味のない方は「現代アートは何を表現しているのか分からない」と感じるかもしれません。
評価される現代アートは、古代から続く西洋美術の流れを取り入れながら進化してきたものだそうです。美術には巨匠が表現してきた美のルールがあります。
それこそが「センスが良い絵」にするための法則であり、例えば構図や色などにあたるもの。
先生「法則を押さえているから、絵がセンス良く見える。法則を自分の作品に取り入れるために美術史を学ぶ必要があるんですよ~」
…とのこと。先生の作品は、すべて意図的に法則を計算した上で描いているそうです。
【回答2】他の人の作品の良いポイントを分析する
若手新人アーティストが毎年爆誕し、入れ替わりの激しいアートの世界。
先生方は、国内外問わず話題のアーティストの情報をよくご存じです。最新情報を常に追いかけていらっしゃるのだろうと思います。国外のアーティストなら作品集を取り寄せることもされています。
先生「惹かれる作品を見つけたら、なぜそれが良いと感じたのか分析研究し、分析したことを自分の作品に取り入れます。売れているアーティストは、そのような努力を続けていると思います」
他のアーティストの作品をじっくり分析し、考えて、練習し、自身の作品に応用する…。
アートという、自由に表現する世界に見えても、好きなように描くだけではないのですね。粘り強く地道な努力があってこその作品。
その努力と経験の積み重ねがセンスとして出てくるのではないか、とのことです。
【回答3】「センス」はキャラのようなもの
私「美大に入学できるような方は、ファッションも尖っている方が多くて、生まれながらのセンスですか?」
先生「それはキャラ。キャラを作っているだけで、フツーの人も多いですよ(笑)」
仕事としてやっていくなら、社会人としての常識やコミュニケーション力がもちろん必要。尖ったキャラに見える人も、裏ではちゃんと礼儀とプロ意識を持って仕事をしているから生き残れている、とのことです。
私「選ぶモノのセンスも良いですよね?」
先生「どれが良いと思うかは、センスというより好みの問題」
確かに多種多様な表現があるアート。好みは十人十色で、それぞれが選ぶ好きなものに、本来は良い悪いはないですよね。
「こうなりたい!」という憧れのセンスのお手本を探し、近づけるよう分析する過程で、自分にとっての選択基準も変わっていきそうです。
お手本は一人だけではなく、たくさんの方の良さを取り入れて、自分の中で組み合わせていった先に「自分だけが表現できるセンスの良さ」にたどり着くのかな? 着くのかもしれない!と思いました。
【ここまで聞いて感じたこと】
「センスが良くなりたい!」と日々思っていますが、「どの方向でセンスが良くなりたいか、本当に考えてる?」…と問われると、「考えてます!」とは断言できそうにありません。
「考える」とは、「なぜセンス良いのか分析して考える」であって、「自分のダメな点を考えて落ち込むこと」ではないのです。
センスの良さを作るのは、堅実な一つひとつの行動なのですね。
冒頭の、嫉妬するレベルの女性編集者さんも、きっと裏では分析研究し、魅力的なセンスを吸収し、自身の仕事に発展させているのだろうと思います。
その努力を「センスいいね」の一言で片づけてしまうのは、褒め言葉としては軽くなってしまうのかもしれません。
私も「センスいいね」と褒める時は、その方の努力に想像を膨らませて具体的に表現していきたいと思います。
それでも一度は「センスいいね~☆」と言われてみたい俗な私です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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