「あと◯分…」退勤時間をカウントダウンしていた、あの頃の私に伝えたいこと

ほんの数年前、毎日14時ごろの昼下がり。

「仕事終わるまで、あと◯分……」と、数分おきに時計を見てカウントダウンしていた。

眠気と戦いながら、なんとか細かなデータを確認、計算してパソコンと向き合っていた派遣社員の自分。周りの人は、いい人ばかりだったけど。

「わたし、いつまでこの仕事やるの?本当に続くの?」

時折聞こえる、心の声。

慣れるとどんどん増えていく仕事。短時間勤務なのに。わたしはスピードを出し続ける仕事は苦手だ。

(最初に聞いていた業務と違うよ……)

でも、必死に終わらせるしかない。皆そうだから。これが普通だから。

その瞬間、突然やってくる保育園からの呼び出しコール。その度に、毎回謝り肩身の狭い思いをしていた。

ああ、また。

みんな忙しいのに、ごめんなさい。
迷惑かけてごめんなさい。

必死に保育園に向かい、帰宅する。片道1時間以上はかかる。途中の渋滞が地味につらい。

3ヶ月、6ヶ月、1年、1年半年……。

繰り返す、毎日。

でも、今、生きていて楽しくないよ。
本当にこれでいいのだろうか。
なんのためにいきているのだろう……。

はじめは小さかった心の声が。無視していた声がだんだん大きくなっていく。

限界になって、ある日謎の涙が止まらず会社に行けなくなった。うつ状態になったあの日。

「わたし、違う道があるんじゃないか?」
「この日々、あと何十年も続けられるだろうか」

そこから、当たり前を少し疑って、働き方を模索した。

今ふりかえると、自分の中で冒険が始まった瞬間だった。

日々働き方を模索して、あれこれ試して気づけばフリーランスになっていた。

「難しい、わからない、やはり無理では……」と思ったことが、少しずつ慣れてできるようになる感覚が昔から好きなことを思い出した。

勉強、吹奏楽の練習も、わからないが少しずつわかる感覚、できるようになる感覚と達成感が好きだった。

フリーランスの働き方とは、毎回この繰り返しだなと気づいた。

新しい案件。
新しい問い合わせ。
新しいクライアントとの出会い。

きっと、この先もずっと慣れないし毎回怖いしドキドキする。しかも続けていくと、難易度や期待値が上がっていく。

ときには、そのプレッシャーで眠れない日もある。つい最近も、いろいろなことが気になって、考え過ぎて夜中2時半まで寝られなかった。

けど、望んだ苦しみでもあり、楽しみでもある。

小さなこだわりの積み重ねが、少しずつ、少しずつ広がっていく。

人よりはペースは遅いのかもしれないけれど、ゆっくり、長期的に色々なものとつながっていく。

人や物や、体験と。

世界が広がるようだった。

ロールプレイングゲームのように。

パソコン一台を片手に、わたしは今日も世界に向かう。このnoteにも気が向いたので、今日は向かう。

一年後、何をしているのかもいまいち見えないのも、私にとってはおもしろい。

山に囲まれたこの田舎の一室、一台のパソコンから日本中とつながっていく。

まぁまぁしんどい思いをしながら、頭を抱えながら書いた記事が、誰かに届き、行動を促す。

ときには、見知らぬ誰かの心を動かし、新たな出会いにもつながる。

クライアントさま、お客さまの成果につながったという声がうれしい。たまにいただける思わぬ感謝の言葉が、温かい。

細かいこだわりの積み重ね。勉強の日々。

レベルアップして経験値を積むと、進めるフィールドが広がる。味方も、魔物も変わる。パーティー(仲間)も変わる。

イベントが起こって、ダンジョンも複雑になる。でも、そのたびに強くなる。

いつも「ゲームのようだな」と思う。

自分次第でストーリーが変わってしまうのだ。

なんておもしろい日々なんだろうと、毎回思う。

ただ慣れていくと、このありがたみが日常なり、感謝も忘れてしまうから、こうしてふりかえり書いてみる。

日々勉強だなぁと、今の環境がわたしは好きでありがたい。

退勤時間を毎日カウントダウンをしていた、あの頃の自分に教えてあげたい。

今のこの日々も、けして楽ではないけれど。

いや正直、正解なのかもよく、わからないけれど、色々と試して正解にしていくしかないのだ。

「わたしにはたいした経歴も学歴もないし、これしかない」の働き方を少しずつ疑ってよかったよ、と。

あまり休みはあまりないし、世間の「安定」や「成功」ではないかもしれないけれど。細々と家で仕事をしている主婦だ。

それでも、仕事に没頭してつい働き過ぎてしまうくらい、夢中になって勉強になる仕事や出来事、人に囲まれている。

急な保育園コールにも慌てない。誰にも謝ることなく、小児科に連れて行き、子どもを休ませられる。ただ、それだけで心が安定した。

あの頃の自分へに伝えたい。

今のわたしは、少なくとも昼過ぎになっても、数分おきに時計を見てため息をついてカウントダウンはしていないよ、と。

だから自分を諦めるなと。

今、たまたまこの文章を見てくださっている、あなたにも伝えたい。

何かにつまづいたあなたや自分に。

今はわからなくても、信じられなくても。

経験値を積んで、仲間を見つけて、抜け道を探すんだ、と。ゲームの攻略のように。

この先も、何年後の自分にも、あなたにも届けたい言葉だ。

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