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毎日note「トコトン自分軸な父の生き方に学ぶ、楽しく生きるヒント」ーー65歳15社目の会社で働く父

私の父は65歳、現在、転職15社目の会社で働いている。
週4日勤務で、休みの日には、愛犬ポポちゃんと遊んだり、庭の手入れをしたり、大好きな競艇に行ったり、週4パートになった母との時間を楽しんでいる。

娘から見た父は、我が道を生きている人だ。
自分の考えや気持ちに沿ってバカ正直に生きている。
「とてつもなく自分軸」の人だ。

幼い頃は自由奔放に生きているように見える父に、反感を覚えていた。
母が真逆でキッチリ、カッチリ、ガッツリ働いていたからだろう。
また仕事を辞めてきた、なんで仕事が続かないんだろう、家族旅行に行くために仕事を辞めたってどういうこと?!

社会に出て働きはじめた私は、ますます父への複雑な感情を抱いた。みんな我慢して働いてるのに、父は我慢をしない人のように見えた。そんなのズルいと思った。仕事は苦労して我慢して歯を食いしばってやるものなのにと。看護師として忙しく働く母と父を見比べて、父がラクしているように見えていた。父だってもっとあくせく働いたらいいのにと。
私は父のようにはならないと決めて、父を反面教師に母の背中を追うと決めていた。バリバリ働いて、偉くなって、いっぱい稼いで、家族を支えるのだと。

20代、30代、がむしゃらに働いた。
身を粉にして社会の一員、組織の一員、一人では出来ない大きなことをやるんだと意気込んで働いた。家族ができて、余裕がなくなっても、仕事は大事、
家族を支えるために自分で立っていられるように仕事は大事、と呪文を唱えながら働いた。
そして、疲れた。
何のために働いているのかと考えた。
自分を貫き、大切にしたい時間を守り続けてきた父の背中が思い浮かんだ。

だいぶ大人になってわかってきた「父の生き方」。
幼い頃に父に心無い言葉を投げてしまったこともあった。
父が生きているうちに気づけてよかった。

今私は会社を辞め、フリーランスになった。
父のように大切なものを大切にして、自分を持って生きたい。

父は自分の人生を楽しんでいる。
クソ真面目な私と同じように、自分を追い込んで働いてしまう人にも、父のような生き方を知ってほしい。力んでいた肩の力が抜ける。


大企業や出世に興味がない


会社での出世や大きな会社からうちに来てほしいとの話しをもらっても断り続けてきた。地元が、家で家族と過ごすことが大好きな父。
「いい話しもあったのにね、パパは断りんしゃっとよ」
苦笑いしながら母は言う。

「契約社員はいいぞ。更新するかどうかを自分で選べる。自分がこの会社で
また一年働きたいと思ったら更新したらいい。」 
一年更新の契約社員として企業に就職した時に父が言った。
不安だろうな、、と思っていたわたしはハッとした。
もちろん自分の頑張り次第ではあるだろうけど、一年区切りで自ら道を選択できる働き方だと考えると、なるほど!と思う。

転職エージェントで働くうちに、雇用形態に対する先入観ができてしまっていた自分に気づいた。雇用形態よりも、自分が選べる立場になることの方が大切なのだ。65歳15社目で働く父、もし転職エージェントに登録したら、紹介できる求人がありませんと門前払いされるだろう。エージェントに出ている求人はほんの一部で、外の世界にはいろんな可能性があることも知った。

営業として大事なことは、実績を上げ過ぎないこと

                  
父が働いてきた15社のうち、後半7社くらいは全て同じ業界での営業の仕事だ。最初の会社から常連顧客ができて、そのお客さんを持ったまま、いろんな会社を
渡り歩いてきた。父にずっとついてきてくれるお客さんがいるから、会社はどこでもいいのだ。まだ比較的規模のある会社に勤めている時は、成果を上げ過ぎると抜擢されて転勤やら出世やら仕事が増えて大変なので、成果を上げすぎないようにしている。遊ぶ時間も欲しいから、日々成果を隠すのに苦労してると父は言う。
会社やお客さんの期待に応えるだけが働く意味じゃない。自分が大事にしたいことを、大事にしながら働き続けることが大事なんだと教えてくれた。

世界情勢は「ゴルゴ13」から、経済は「難波金融伝・ミナミの帝王」から学ぶ


父は昔からゴルゴ13とミナミの帝王を愛読していた。子どもの頃、わたしの憧れのお父さん像は、難しそうな分厚い本を読んでる友達のお父さんだった。マンガばかり読んでいる父が嫌だった。今では漫画がしっかりとした内容であることが理解できたし、好きな漫画から学び、話題のつきない父を尊敬する。

運勢本や占いは見ない「俺の運は自分で決めるから」

占い、運勢特集に影響受け易いわたしは、いつの間にか自分の人生を人頼みにしていた、自分の人生に受け身になっていたことに気づきハッとした。  
良いことは起こるのではなく、起こすんだ。

父を見ていると、自分の人生に対して受け身ではないと感じる。
運命は与えられるのではなく、自分でつくるものだと思っている。
父は学生時代は柔道に明け暮れて、学校の勉強はしなかったと言う。
本も読まないが、自分の考えがあり、ブレない。
どこからその自信が来るのだろう。生き抜いてきた証だろうか。

父から学んだ仕事の心がけーー「やってみなはれ」

自分が選択権を持てる場に身を置くこと。選択権を持つには圧倒的に活躍すること。お客さんを選べたり、働き方を選べたり、自分が心地よく働くためには、組織から顧客から頼られることだと思う。
それができる場を探るために、転職でも就活でも社内募集でも、いろいろ動いて試してみるのが良い。父には営業が天職のように思える。でも、営業の仕事に就く前は、ホテルのフロントや大型トラックの運転手、社長の運転手、秘書、農業、工場など、多種多様な仕事を経験してきた。父はとりあえずやってみるのがすごいと思う。ミシンで布を縫う仕事に行ってみて、半日で合わないと辞めて帰ってきた日のことを覚えている。

フリーランスになった私もこのマインドを大事にしている。やってみなきゃわからないし、嫌ならやめればいいのだ。辞めれないと思うから、始めることにも腰が重くなる。辞めれる人は、簡単に始めてしまう。そんなことを父から学んだ。

仕事は大事だが、生きることの全てではない。
何のために仕事しているのか、何のために働いているのか、
その人が大事にしているものを大事にできるように仕事をすることが
私が思う「仕事の心がけ」です。


*過去noteを読み返す中で生き方のヒントがあるなと感じたので、2021年に書いたnoteに加筆しました(2023 年3月1日)









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