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ラン友とジョギングをする|社会復帰とダイエット

20代の中盤頃に友人と一緒にジョギングをしていたことがあります。

どうやら「ラン友」という呼び方があるようで、当時はそういう呼び方をしていませんでしたが、週に何度も一緒に走っていたので紛れもなく「ラン友」だったと言えるでしょう。

基本的に普段はそれぞれが利用している自宅近くのジョギングコースをひとりで走っているのですが、それだけでは飽きてしまいます。また、厳しいトレーニングを誰かと共有しながら行うことで通常以上のパフォーマンスを発揮することができるようにもなるので、共通の目的を持った心強い仲間でもあったのです。

この「ラン友」とのトレーニング風景は少し異様な光景だったに違いなく、思い出す度に妙な気持ちを抱くこととなります。

それは、僕たちふたりの体型があまりにも異なっていたからです。

「ラン友」である彼がジョギングをする理由はシンプルで「ダイエット」のためです。体重が100kg以上あったのですが、20代中頃を超えた頃から痩せようと決心したようで、そのダイエットの中心活動にジョギングを選んでいたのです。

どうやら結婚を意識していた時期らしく、自分に自信を持つためにも痩せようと思ったのだそうです。

その一方で、僕がジョギングをしていた理由は体重を増やすためです。ラン友の彼とは正反対の理由からでした。

当時の僕は就職したすぐ後に胃がんと診断をされてしまい、胃の全摘出手術をしていました。そのため、食事はほとんど摂取することができず、体重は41kgまで落ちてしまっていたのです。

普段はうどん一本を食べて満腹になってしまうような食事量ですが、ジョギングをするとエネルギーを使うからか、それとも身体が活性化するからか、少しだけ食事の摂取量が増えていたのです。

それをきっかけに毎日ジョギングをすることにしていたら、そのまま習慣化してしまい本格的に走りこむこととなったのです。

そんな時に友達であった彼がダイエットのためにジョギングを始めたという話を聞いたので「一緒にジョギングしようぜ」ということとなったわけです。

120kgの彼と41kgの僕は並んで走る日々を継続していきます。次第に彼のダイエットは効果が表れ始めて90kg程度まで落ち、僕の体重は筋肉の増加分だけ増して45kg程度まで延びていきます。こうして二人の体重はお互い近寄り始めていくのです。

その後、現在におけるまで彼は60kg~70kg程度の体重にまで体型を絞り、見事ダイエットに成功していました。人は変わるものだと近くで見ていて感心したものです。(そして数年前、彼は見事結婚もできたらしい。おめでとう。)

その一方で僕は体重こそ48kg程度にまでしか増えませんでしたが、その後フルマラソンを完走することとなります。

当時は病気療養のため仕事を退職してしまっていましたが、フルマラソン完走という経験と自信を武器に就職活動を続けて社会復帰を果たしています。フルマラソンは健康と挑戦のシンボルにもなるのです。

何か大きな目標を達成しなければならない時、ひとりでは到達することが難しいことがあります。しかし、一緒に取り組める仲間がいれば、大きなパフォーマンスを発揮することに繋がります。

それは、どれだけ異なる背景や異なる目的であっても問題はないようです。

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